藤岡幸夫公認ファンサイトトップへ



2013年5月分

過去の一覧へ

←つづき(過去) つづき(先)→

2013/5/29


昨日は和歌山の合唱団との7月に関西フィルと共演するモーツァルトのレクイエムのリハーサル。


この合唱団とは毎年共演して13年の付き合いになるが、以前は出来が悪くて僕もよく怒り狂ってたけど、昨日はずいぶんクオリティが上がってきたと実感するリハーサルで嬉しかった。まだまだ良くなるので本番が楽しみ。


僕は毎年オーケストラ付きの合唱曲を振る機会が結構多く、今年も7月までにモーツァルトの他にシューベルトのミサ曲に、ロイド・ウェバーとカール・ジェンキンスのレクイエム、メンデルスゾーンの「讃歌」を指揮するが、どれも素晴らしい作品で指揮者冥利に尽きる。


それにしてもモーツァルトは痛いほど美しい…。


   藤岡 幸夫





<管理人より>
こちらもご覧下さい。
◆2010/07/15付from sachioモーツァルト 「レクイエム」 の話・・・その1
◆2012/02/13付from sachioモーツァルト 「レクイエム」 の話・・・その2

2013/5/28


一昨日は6月に共演する東京アカデミッシュ・カペレとのリハーサル。


春の祭典もシューベルトのミサ曲も良くなるところはどんどん良くなってるので、あとは良くならないところがどこまで進化できるか…?


昨日は慶応ワグネルとショスタコーヴィッチのリハーサル。前回と間が空いたのでずいぶんみんな練習して良くなってきたけどまだまだ。


どちらもアマチュアとしてはレヴェルが高く、練習してて楽しいし、本番が楽しみ。


今日は毎年恒例で7月に共演する和歌山の合唱団と今年最初のリハーサルでモーツァルトのレクイエム。皆さんに再会するのを楽しみにしています。


それではまた!


PS 久しぶりにカラヤンの2度目の録音のショスタコーヴィッチの10番のLPを引っ張り出して、懐かしいジャケットを眺めながら楽しんだ。3楽章の美しさは絶品だし、カラヤンがショスタコーヴィッチでは10番しか振らなかったのも良くわかる素晴らしい演奏だ。僕の知るかぎりでのカラヤンのベスト盤のひとつ。


カラヤンで思い出したけど、カラヤンは有名になっても靴下欠乏症で、いつも擦り切れてたり、穴が空いてたり、左右違う靴下をはいてたそうで、ザルツブルクではよくカラヤン自身が靴下だけ買ってるところを目撃されてたりしたのだそうだ。

この話を聞いた時は嬉しかったなぁ。僕も靴下欠乏症なんです…。


   藤岡 幸夫





2013/5/26


 ショスタコーヴィッチ「交響曲第10番」の話



6月に久しぶりにショスタコーヴィッチの10番を取り上げる。


9番ではスターリンをはじめ多くの人々がベートーヴェンの第九のような壮大な交響曲を期待したが、ショスタコーヴィッチは命をかけてスターリンを馬鹿にするような小さな皮肉いっぱいの第9交響曲を作曲した。
そしてスターリンが亡くなった直後に作曲した10番にはショスタコーヴィッチの強烈な想いが隠されている。


1楽章ではスターリン支配の不気味さや民衆の悲しみが美しく歌われると同時に、スターリンが亡くなった喜びがワルツでこっそり表現されてる・・。

2楽章はスターリンの悪魔の姿そのままだし、3楽章ではまず主題が提示された後に突然ショスタコーヴィッチのイニシャルの主題が使われたワルツが現れる。これはまるで強制的に躍らされてる道化師のようだ・・。
そして今度はホルンでショスタコーヴィッチが愛した若い女性のテーマが現れ何度もいろいろな形で美しく奏でられる。

クライマックスでは最強奏で彼女のイニシャルのテーマとショスタコーヴィッチのイニシャルのテーマがしつこく強烈に叫び合った後、今度は彼女のテーマが慰めるように静かに奏され、ショスタコーヴィッチのテーマは低弦がピッツィカートで応える。この辺はもう尋常じゃないし、まるでショスタコーヴィッチが最愛の女性に救済されているようにも聴こえる。

4楽章では最後にティンパニがショスタコーヴィッチのイニシャルを強烈に連打して狂喜のうちに終わる。なんとも凄い作品でショスタコーヴィッチの個人的感情がむき出しの交響曲なのだ・・。



以下は2006年の九月に関西フィルの定期で指揮するときに旧公式ページで僕が書いた文章です。



ショスタコーヴィッチの10番はスターリンが死んだ直後に書いたことで知られる。

作曲家の吉松隆さんはリストの「ファウスト交響曲」との類似性を指摘してて非常に興味深い。


年老いたファウスト博士が悪魔に魂を売って若さを取り戻し、様々な冒険をして最後は約束通り、悪魔に魂をとられて地獄に行くが永遠の女性グレーチェンに救済される。


一楽章はファウストを自分に例える。そう社会主義という悪魔に魂を売らなければならなかった自分。(でも実際は魂を売るどころか秘密裏にそれまでの音楽の中で強烈に社会主義を皮肉ってきたが。)


作曲者自身や民衆の悲痛な叫びが聞こえてくると同時に、スターリンが死んだことの喜びもこっそり歌われてる・・。


ニ楽章はスターリンの悪魔のような姿。


三楽章は彼の自分のイニシャル「DSCH」(レ・ミ♭・ド・シ」を音にすると同時に、なんと女性のイニシャルがホルンで12回も演奏される!!


僕は昔からこの楽章が大好きで、ホルンのソロの存在感に惹かれていたが、吉松さんからこの女性のイニシャルの話を聞いて目から鱗だった。

そう!!ショスタコーヴィッチにも永遠の女性がいたのだ!

吉松隆さんによれば、若い作曲家・ピアニストのエリミーラ・ナジーロワという女性。

このホルンのソロが永遠の女性の象徴と思うと、この音楽の本質がはっきり見えてくる!


四楽章はアレグロに入って、喜びに溢れた無邪気ともいえるテーマが現れる。

幾度となく金管がショスタコーヴィッチのイニシャルを演奏し、ニ楽章のスターリンのテーマは蹴散らされ、最後は金管が元気一杯でショスタコーヴィッチのイニシャルを奏で、ティンパニが喜びを叫ぶようにこのイニシャルを叩いて曲は終わる。


以上簡単に説明したけど、話し出したらキリがないくらい奥が深い。

ショスタコーヴィッチが自分自身を赤裸々に語った交響曲だ。


                          以上 2006年9月の文章




というわけで来月のワグネルとの10番楽しみにしています!



   藤岡 幸夫


2013/5/24


サムイの寺院に行ってきた。タイは仏教の発祥の地なのだけどサムイ島の神様たちの 漫画チック(失礼!!)なお顔にびっくり…!
それでも寺院を後にするときとても楽天的な気持ちなって、サムイ島ののんびりした明るい気質にあってるのだろうなぁと妙に納得してしまった。
民族の違いって面白いですね。


さてさて明日帰国してスイッチを入れます!






みんな真面目な神様です…。





ホテルのビーチは人も少なく、音楽も流れずとにかく静かなのが嬉しい。
鳥たちの声と、風の音と潮の香りに癒されて来ました。



去年仲良くなったad hoc というレストランのオーナーのゆりこさんとティム夫妻。僕の隣はかみさん。素晴らしい料理とサンセットを楽しめる。今回も何度も通いました・・。


   藤岡 幸夫


2013/5/22


今週はヴァカンスでサムイ島に来てる。鳥たちの声が素晴らしく聴いていて飽きない。
自然を満喫してリフレッシュしてます。





お気に入りのテラスにあるテーブル。
朝勉強してると目の前で陽が昇る。
鳥たちの美しい歌声と黄金の太陽に息を呑みます…!


   藤岡 幸夫



2013/5/21


   シューベルトの「ミサ曲第6番」の話


6月と12月に大好きなシューベルトのミサ曲6番を指揮する。

以前も書いたけど、シューベルトは「未完成」交響曲を書きはじめた頃に、梅毒と診断され絶望のどん底に落とされる(当時では余命わずかと告げられたも同じだった)。

作曲中のこの交響曲は2楽章の最後に奇跡的な転調でまるで天国へ逝ってしまうかのように終わり、他の楽章は作曲されなかった(だから未完成と呼ばれる)。

精神的に大きなダメージを受けて作曲する気力が無くなったと僕は思ってる(他の楽章のスケッチは残ってる)。またこの時期、深い悲しみにくれた詩も残されてる。


それでも体調は少しは回復して精神的にも立ち直って、まるで残された時間を精一杯生きるかのようにこの後に多くの傑作が生まれる。



ミサ曲6番は天国に逝ってしまう数ヶ月前に作曲された傑作で、体調が悪くなり始めたシューベルトが自分の死を意識して作曲したと僕は思ってる(調性も神聖とされる変ホ長調だ)。


シューベルトのミサ曲は教典とは関係なく自由に言葉を繰り返したり、省いたりしているが特にこの6番ではその特徴がはっきりしてる。例えばシューベルトの最も尊敬するベートーヴェンもミサ・ソレムニスや第九で教典やシラーの詩の原文を削除したり特定の言葉を強調することで、原文の本来持つ意味と関係なく自分の感情を表現してる。


また歌詞だけでなく、和声進行が斬新で驚かされる箇所がたくさんあるし、オーケストレーションもミサ曲にも関わらずティンパニが活躍するなど当時としては新しいアイディアが見られる。


1曲目の「キリエ」は大胆な和声進行を使いながらのその深遠な美しさは絶品だし、2曲目の「グローリア」では冒頭からアカペラで力強く歌われ、キリエでは使われなかったティンパニとトランペットが加わったオーケストラが華やかに響く。「Gratias agimus〜」と歌われるところでは歌曲風の美しい旋律が現れチェロが素晴らしい対旋律を奏でる(この6番ではチェロが独立して活躍する箇所が多いのも特徴)が、ここはミサ曲っぽくなくて逆に人間味が感じられ、素晴らしいコントラストだ。


3曲目の「クレド」は僕は個人的にベートーヴェンのミサ・ソレムニスの影響を強く感じる。この意見は他の人が言うのを聞いたことはないがまず間違いないと思う。


これも以前書いたが、ベートーヴェンは8番を作曲した後、心の支えだった恋人を失い(その女性は後に不滅の恋人と呼ばれる)、パトロンを失い、医師からは当時は不治の病だった肺結核と診断され(ずいぶん後になって誤診だったとわかる)失意のどん底に落とされる。創作意欲の無くなったベートーヴェンが復活するまでに約7年かかるが、復活のきっかけは神だった。


ベートーヴェンは死の恐怖と闘いながら(多くの言葉が残されており、その悲痛さはハイリゲンシュタットの遺書の比ではない)、それまで教会に足を運ぶことがほとんどなかったのに初めて神にすがった。そしてミサ・ソレムニスを作曲しながら復活したのだ。


そしてその時最初に書き始めたのが3曲目の「クレド」でしかも最後の「来世の生命を待ち望む」という箇所からだった。ベートーヴェンはこの言葉に救いを求めひたすらこの言葉を繰り返し強調する(自筆譜にはこの箇所に「光輝くように!」という書き込みが残っているそうだ)。結果的にこの「クレド」は本来教典の持つ意味とは違った音楽になっている。


ベートーヴェンを敬愛していたシューベルトは当然ミサ・ソレムニスを知っていたはずだ。シューベルトの6番の「クレド」もまた教典にとって大切な箇所が削られたりしてこの最後の同じ言葉がフーガを使って何度も何度も強調される。シューベルトも「来世の命を待ち望む」という祈りに救いをもとめたのだ。ちなみに5番のミサ曲ではこの最後の言葉は2回繰り返されるだけだ。
しかもシューベルトは教典の「死者の復活と来世の命を待ち望む」の「死者の復活」と「待ち望む」を削除して「来世の命」だけをひたすら繰り返す。
シューベルトの強い想いが伝わってくる。
(ミサ・ソレムニスも途中から「来世の命」だけを繰り返している。)


またキリストが生誕する場面ではチェロがまた美しい旋律を奏で、十字架にはりつけられる場面ではpppからfffまで使って劇的に表現されていてこの「クレド」も素晴らしいコントラストで作曲されている(ここでももちろん大胆な和声進行に度々驚かされる)。


4曲目の「サンクトゥス」では時にまるで神を呪ってるかのように聴こえる。こんな悲劇的に響く「サンクトゥス」なんて・・・・!初めてスコアを読んだときは凄い衝撃だった。31歳という若さで命を奪われようとしてる若者の悲痛な叫び声のようだ・・・。


5曲目の「ベネディクトゥス」は天上的に優しく美しい・・・そして第6曲「アニュス・デイ」は悲しみに満ちたフォルテで始まる。平和を願う深い想いとまるで死の恐怖と闘ってるかのような音楽が交錯するが、fzやfffの指示が多くミサ曲とは思えないような激しいアニュス・デイ・・
最後に美しい祈りで終わるが、この最後は半分あきらめのように悲しく響いてると僕は感じる・・。



シューベルトはこの美しくも激しいミサ曲を作曲して約3ヶ月後に天国へ逝ってしまうが、それはベートーヴェンが亡くなった翌年だった。そして、未完成交響曲やグレート交響曲と同様にこのミサ曲もシューベルトが生前聴くことは無かったのです。凄いことだと思いませんか・・?



長い文章でごめんなさい。興味のある方は是非とも聴いてみてくださいね。

それではまた!!


   藤岡 幸夫


<管理人より>
こちらもご覧下さい。
◆2010/10/26付from sachioベートーヴェン 「荘厳ミサ曲」 の話・・・その1
◆2010/12/05付from sachioベートーヴェン 「荘厳ミサ曲」 の話 その2

2013/5/20


一昨日と昨日は6月9日に共演する東京アカデミッシェ・カペレとのリハーサル。「春の祭典」は前回から1週間しか経っていないのにずいぶん良くなってきた。

シューベルトのミサ曲6番も合唱とオーケストラに一体感がでてきた。合唱団にはもう少し凄みが欲しいし、オーケストラは音色と音程がまだまだだけど、どちらの曲も本番までどこまで進化するのかすごく楽しみです!


一昨日の夜は大野和士さんのウィーン交響楽団のコンサートに行ってきた。
決して機能性が良いとは言えない馴れない(今回が初共演だそうです)オーケストラを凄い気迫で引っ張る大野さんの後ろ姿に感動したし音楽的にとても勉強になった。

それにしても未完成とマーラーの5番の後にアンコールが春の声、おしゃべりポルカに雷鳴と電光の3曲。すごい体力です…!


昨日の夜は小学校の恩師の吉田先生と40年ぶりの再会。普段から仲良くしてる同級生と一緒に楽しい時間を過ごせた。吉田先生の記憶が素晴らしくいろいろなことが蘇って素敵な時間でした。
この後に夜中1時のフライトでタイのサムイ島へ。
リフレッシュしてきます!



40年振りに再会した吉田先生と。凄い記憶力でした・・!向かって先生の右が仲良しの同級生で財務省で活躍する可部君。その隣は可部君の同僚の落合さんで偶然吉田先生と同じ町内会で、吉田先生との再会のきっかけになりました。



去年気に入ったので、今年もサムイ島に来ました。読みたかったスコアや買いだめしてた本を楽しみます。


   藤岡 幸夫


2013/5/18


一昨日は名古屋で6月22日に共演するグリーン・エコー合唱団とリハーサル。前回課題にした箇所の音程がずいぶん良くなりパワーもアップ。あと1ヶ月でどこまで進化するのかとても楽しみです。


昨日は6月16日の慶応ワグネルの前半プログラム(リムスキー・コルサコフの「皇帝の花嫁」とチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」)のリハーサル。
みんな若いのだからもっと熱くならなきゃ。昨日いらしてたトレーナーの先生方の方がよっぽど熱かったです。次回を楽しみにしてます。


今日と明日は6月9日が本番の東京アカデミッシェカペレのリハーサルをして、明日の夜からヴァカンスです。


それではまた!



東京にいるときは毎朝ベランダのふじの元気な葉に癒されてる。夜になるとしなだれてしまうが朝はピンと力強くなる。ホテル暮らしが多いので家にいるときはこんな緑でも嬉しくなります。


ところで去年は紫の花がたくさん咲いたのに今年は全く咲かないどころかツボミすら見なかった。なんでだろ…?


   藤岡 幸夫



2013/5/16


   「春の祭典」の思い出…2


6月9日に久しぶりに「春の祭典」を取り上げる。


ハルサイは僕がイギリスの音楽大学のオーケストラの定期演奏会で最初に指揮した曲で、その時の成功がきっかけでマネージャーやBBCが僕にチャンスをくれるようになった思い出の曲だ。


当時は山ほど時間があって半年間どっぷり集中して勉強できたから練習番号まで覚えちゃって本番だけでなくリハーサルもスコアを使わなかった。ただ同じように必死で勉強したシューマンの4番(プログラムの前半)は失敗だった。


演奏会には当時イギリスで活躍してた尾高忠明先生も聴きに来て下さってシューマンは怒られたけど春の祭典はほめて下さった。マンチェスターには尾高先生お気に入りの中華レストランがあって、そこで丁寧にアドヴァイスを下さったのがすごく勉強になって嬉しかったなぁ…。


ハルサイはデビュー当時はよく振らせてもらったしいろいろな思い出があるけど、でも一番の思い出は以前も書いたけどラトルに会いにバーミンガムに行った時に、ホールの舞台袖で僕のために20分以上もかけてバレエの振り付けを踊りながら教えてくれたことだ。

僕はイギリスに留学した当時はとにかく「春の祭典」が大好きで振りたくて振りたくてしょうがなかった。

スコアを読みながら久しぶりにあの頃の気持ちが蘇ってきました…!


PS この話も以前書いたかもしれないけど、僕が留学してすぐ音楽大学の先生がリヴァプールモーツァルトオーケストラというアマチュアオーケストラの仕事をくれた。
最初のリハーサルに行くと楽団長さんが誇らしげに「我々のかつての首席ティンパニストはサイモン・ラトルで常任指揮者はズービン・メータでした」といきなりプレッシャーをかけられ、僕は闘志むき出しでリハーサルしたのが懐かしい…。
(リヴァプール出身のラトルは高校生の頃このオケでティンパニを叩いていて、メータはリヴァプールのコンクールで優勝したあとまだ仕事が無くてこのオケの指揮者をしてたのだそうだ)。


PS2 前述したリハーサルの翌日師匠のサー・チャールズ・グローヴスのロイヤル・リヴァプールフィルのリハーサルを見学しにいった。この時ソリストが誰だか全く知らずに聴きに行ったのだけど最初に練習したシューマンのピアノ協奏曲が素晴らしく、隣に座っていたグローヴス夫人に「素晴らしいピアニストですね!僕は日本ではルプーの演奏が好きでレコードを良く聴いていました」というと夫人は笑いながら「彼がそのルプーよ」…恥ずかしかったなぁ。


   藤岡 幸夫





<管理人より>
2008/05/15付from sachio「ラトル と 春の祭典の話」はこちら
2013/5/14


一昨日は東京アカデミッシュカペレとの初リハーサル。伝統あるアマチュアオーケストラ&合唱団で最近では飯守泰次郎先生とワーグナーのオランダ人を取り上げたりしてる。ヨーロッパに留学する前の僕を知っている人が結構いてちょっと懐かしい雰囲気。


前半がシューベルトのミサ曲6番で後半がストラヴィンスキーの春の祭典というとんでもないプログラム(僕が選んだのだけど)で、自分の死を予感して書かれた美しくも悲痛なミサ曲と、野心に溢れたギラギラした強烈なバレエ音楽というコントラストがやっててすごく面白い。


春の祭典は変拍子で有名だが、変拍子のところは実はアンサンブルしやすい。大変なのは静かなところで、管楽器奏者に高い技術が要求されるし音楽的にも難しい。エキサイティングな箇所以外のところにどこまで磨きがかけられるかが課題。

シューベルトもオーケストラにとって音色や音程でごまかしが効かない怖い曲。合唱団はとても端正でよくまとまってるので後はどこまでパワーアップできるか。


どちらも本番までどう進化していくのかすごく楽しみです。


昨日は慶応ワグネルソサエティオーケストラとの初リハーサル。練習したのはメインのショスタコーヴィッチの10番。


ショスタコーヴィッチの10番を指揮するのは久しぶりだけど改めて傑作だなぁと実感してしまった。
ワグネルは学生オーケストラとしてはトップレヴェルで今回もびっくりするくらい素晴らしいところがたくさんあった反面問題も山積み。こちらもどこまで進化するのかすごく楽しみです。


僕は時間が合えばアマチュアも指揮するが、プロのオーケストラの場合はやってもらえる部分があるけど、アマチュアは的を得た指導をしないと良くならないからやりがいがあって面白いし逆に勉強させられることも多かったりする。

今回はすごく意欲的なプログラムが続くので存分に楽しませてもらいます。


それではまた!


   藤岡 幸夫


2013/5/12


昨日は東京フィルと神奈川県立音楽堂でコンサート。県立音楽堂は来年60周年を迎える歴史ある素晴らしい音響のホールで高校生時代、学生服でよく通った大好きなホール。


ジャズピアニストの山下洋輔さんのピアノは素晴らしい即興はもちろん、お人柄を感じる素敵なソロで、一柳先生のピアノ協奏曲も今回山下さんと六回目になるけどまた違った面も楽しめたしすごくエキサイティングだった。


東京フィルはいつも感じるけど、歌ってアンサンブルをする。メカニックにはならず色彩豊かでドラマティックなのはオペラを得意とする東京フィルの素晴らしい魅力。 アンコールでは最後に山下さんと一緒にオケのメンバーが総立ちで(チェロまで!)演奏してノリノリで最高に盛り上がった。


後半最初にオーケストラと共演した米沢一平さんのタップと佐藤浩一さんのジャズピアノも若々しくて爽やかで、客席から手拍子まででたりしてすごくいい雰囲気。昨日は珍しいプログラミングだったけどお客様にはすごく楽しんでいただけたと実感できるコンサートでした。

リハーサルから本番までとっても楽しかった!
ソリストの皆さん、一柳先生、そしてオーケストラの皆さん、それから県立音楽堂の熱心なスタッフの皆さんありがとうございました!


それではまた!



演奏会後にご機嫌の一柳先生と。とにかくとても80歳とは思えずお若いし音楽は生命力溢れ凄いです。



こちらは演奏会後に山下洋輔さんと。もう何度も共演させていただいてるけど毎回とっても幸せな気持ちになります。




昨日は妹夫婦の家族も聴きに来てくれて、コンサート後はみんなと台湾料理を楽しんだ。僕の可愛い姪っこ3人姉妹です。


   藤岡 幸夫


2013/5/9


今日は関西フィルと吉松隆さんの新作「三つの水墨画」の録音。
京都府物産協会50周年記念の委嘱作品で6月7日の昼間に京都駅前でのイヴェントのオープニングミニコンサートで初演します(詳細は後日発表します)。

小編成ながらなんとも雅な素晴らしい作品で吉松ワールドを満喫。録音しながら楽しかった!


さてさて明日は東京フィルと11日のコンサートのリハーサル。一柳先生の山下洋輔さんのために作曲したピアノ協奏曲「ジャズ」は6回目の再演なので今回どのように進化してるか楽しみです。


それではコンサートでお会いしましょう!



関西フィルの練習場のオークホールでの録音。とっても楽しいセッションでした。


PS タイガースが巨人に3連勝! たまらん!


   藤岡 幸夫


2013/5/8


ゴールデンウィークが終わってこれから夏の香りがしてきて最高の季節ですね。

さてさて今週はまず吉松さんのアンサンブルのために書かれた短い新曲を関西フィルと録音します。この曲は来月京都駅前のミニコンサートで初演するのでまた詳細はお知らせします。

11日の土曜日は東京フィルと大好きな神奈川県立音楽堂でコンサート。今回のテーマはジャズで、前半は山下洋輔さんの即興演奏やオケとタップダンスがあってその後ガーシュインのボギーとベスからの管弦楽組曲キャットフィッシュロウを取り上げます。

この曲はダイナミックにして時に官能的で美しく、珍しくバンジョが出てきたりしてすごく楽しい。めったに演奏されない(バンジョ奏者を見つけるのが難しいからか?)けどガーシュインワールドを堪能してもらえるはず。

後半は一柳先生が山下洋輔さんのために作曲したピアノ協奏曲「ジャズ」。これまでに何度も再演してきたけど、今回はどんなエキサイティングなパフォーマンスになるのか今からワクワクしてます。


それでは皆さんコンサートでお会いしましょう!


   藤岡 幸夫


2013/5/5


今週は朝からシューベルトのミサ曲6番と「春の祭典」のスコアにどっぷり。 コントラストが強烈なので勉強してて楽しい。
ハルサイは僕がヨーロッパでデビューするきっかけになった曲でいろいろ思い出して懐かしい…。

昨日今日と夕陽が美しかった…!





   藤岡 幸夫

2013/5/3


昨日の夜から軽井沢にいる妹夫婦のところに遊びに来てる。プロ棋士の戸辺誠六段のご家族も遊びに来てて、今朝は無謀にも勝負をお願いしてしまった(もちろん六枚落ちのハンディで)。

ちなみに僕はこの20年将棋をしてないし、小中学生のころに友達とよく学校で休憩時間にさしてたくらい。


それでも久しぶりの将棋は普段あまり使わない左脳をフル回転させて凄く気持ちよく、なんと戸辺六段に勝ってしまいました!

今日はこれから北軽井沢で従兄弟達のバーベキューに参加して帰ります。



朝の散歩は鳥の声を楽しみながら気持ち良く浅間山が美しかった。



散歩から戻って戸辺六段に対局をお願いしました。



勝ってしまいました。左脳が気持ち良かった!戸辺さんからもセンスがすごく良いと誉められ、ご機嫌でした。



僕の隣が戸辺さんご家族。右が旦那さんがお医者さんですごくお世話になってる妹の如水(じょすい)夫婦と長男。


   藤岡 幸夫



←つづき(過去) つづき(先)→

過去一覧へ