2013年2月分
過去の一覧へ
←つづき(過去) | つづき(先)→ |
2013/2/28 昨日は関西フィルの定期。前半のラフマニノフは児玉桃さんがスケールの大きい品格高い演奏で素敵でした。是非ともまた共演させていただきたい。 シベリウスの3番はゲネの方が良かった箇所がかなりあって僕自身の反省点もいろいろあったけど、黛さんの舞楽では各パートのソロも素晴らしかったしオケも良く鳴ってて、関西フィル&藤岡らしさを楽しんでもらえたと思う。いつもながら関西フィルはリハーサルから本番まで僕のやりたいことに真摯に応えてくれて本当に感謝です。 皆さんありがとうございました。 それから昨日は珍しいプログラムにも関わらず補助席立ち見までの満席のお客様で、関西フィルを応援してくださってる皆さんが素敵な雰囲気をつくってくれてるのを肌で感じられるコンサートでした。本当にありがたいことです。 あとは我々が毎回どこまで進歩できるかだと思っています。 さてさて今日は関西フィルのメンバーと心斎橋劇場でやさしいクラシック音楽講座で僕はお話をしてきた。平日の昼間だけどたくさんのお客様。関西フィルのカルテットとメンバーのトークも楽しかった。 今日は東京に戻って明日は日本フィルとリハーサルで明後日はオーチャードで日本フィルオールスターコンサートです。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 ※2/27 関西フィル定期演奏会のevent reportはこちら |
|
2013/2/26 明日は関西フィルとの定期。前半のラフマニノフのピアノ協奏曲2番は児玉桃さんの急がないゆったりとした音楽が素敵でリハーサルではラフマニノフがすごく新鮮だった。 シベリウスの3番はすごく難しいけどいい感じできてます。どこまで精緻でなおかつ生きた音楽ができるか…? 最後の黛さんの舞楽は指揮するのは久しぶりだけど、邦楽器を使わずにここまで和の響きをオーケストラでだせるのかと改めて感心してしまう。もちろん和の響きだけでなく華麗にして妖艶でダイナミック。 関西フィルサウンドを堪能していただきます。 チケットは完売間近だけどまだなんとかだせるそうです。 コンサートの模様は後日NHKFMで放送されます。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 |
|
2013/2/24 シベリウス「交響曲第3番」の話 来週2月27日の関西フィルとの定期でシベリウスの3番を取り上げる。 1902年に2番で大成功を収めたものの、お酒を浴びるような派手で不摂生な生活が影響してシベリウスは聴覚をはじめ体調を崩す。またヴァイオリン協奏曲の失敗で精神的にダメージを受けたシベリウスは、1904年にヘルシンキを引き払ってヤルヴェンパーの田舎に家を建て、その家を愛妻の名前にちなんでアイノラと名付けて移り住む。素晴らしい自然に囲まれたアイノラでシベリウスは交響曲3番を作曲しはじめる。 ただし、シベリウスはヘルシンキでの派手な生活と縁が切れた訳ではなかった。浪費癖は治らず、アイノラの隣にサウナ小屋を建てたり、相変わらず高級な服を好みまた、高級クラブの付き合いも続けていて度々ヘルシンキに出向いて借金は増えるばかりだった。 そんな状況の中で作曲された3番は、2番までのロマンチックな作風とは異なり余分なものが削ぎ落とされた純度の高い音楽で、自然への賛美と同時に自分自身との闘いを感じとれるし、また病気で天国へ逝ってしまった三女への想いも時に姿を見せる。 1楽章冒頭はチェロとベースで楽しい主題で始まる。調性もなんとハ長調で、美しい自然に囲まれてまるで子供のようにうきうきしているよう。交響曲を書く喜びに溢れているのが伝わってくるように音楽は生き生きと展開する。冒頭の主題や第2主題がフォルティッシモで再現されるところなど振っててぞくぞくする。最後は自然を賛美するように終わる。 2楽章 はまるで暗闇の森の中で、森や湖の精たちが姿を現しているよう…。 哀愁ただよう主題が繰り返されながら木管楽器と弦楽器が立体的に絡み合う。 途中チェロパートだけで歌われる悲しい旋律は天国へ逝ってしまった愛娘への想いかもしれない…。 3楽章 冒頭はまるで春が訪れた喜びのように始まる。躍動感ある速い主題が展開するが、途中から調性を無くしていくところはスフォルツァンドを多用してかなり挑戦的。 そして後半に堂々と賛美歌風の主題が姿を現す。この主題は三女を亡くしたときに書かれた未完のオラトリオ「マルヤッタ」の中の「神に祈る人」のモティーフだそうで、とても興味深い。ここではその主題は力強く演奏するように指定され、この主題は途中2回「同じように力強く」と念を押されながら最後は「もっと力強く」と指定されトランペットとトロンボーンが加わり、弦楽器は8分音符を強烈に刻み続ける。 C(ド)とH(シ)しか鳴っていない弦楽器の8分音符の力強い響きは凄く異様で、まるで自分自身を奮い立たせているようでもある。最後はハ長調の和音で力強く終わるが、それはまるでドラマの最後に「つづく」とでるような終わり方で、例えば2番のような圧倒的な勝利を感じさせる音楽とは異なる。 この時シベリウス自身精神的には何も解決していないからだと思う(この後喉の病気にかかり癌の死の恐怖に突き落とされて4番での深い精神世界につながるのだが)。 それでも新しいアイディアが満載で、精緻でありながら生命力溢れる3番の音楽は(傑作と言われる2番と4番に挟まれて一般的に軽くみられがちだが)、僕は素晴らしい交響曲だと思ってる。 今回この3番のあとに黛さんの「舞楽」、前半はラフマニノフのピアノ協奏曲2番とメリハリの効かせたプログラムを組んだ。 オールシベリウスだとお客様が偏ってしまうし、なるべくたくさんの方々にシベリウスを楽しんで欲しいからだ。おかげでチケットも完売間近で嬉しいです。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 |
|
2013/2/22 今週は来週の関西フィル定期のスコアにどっぷり。 ラフマニノフのピアノ協奏曲2番のスコアを勉強するといつも園田先生を思い出します…。 藤岡 幸夫
|
|
2013/2/18 昨日は関西フィルと毎年恒例の兵庫県の小野公演。今年も満席のお客様で盛り上がって楽しかった! 僕が指揮して今年で13年目になるけど素晴らしい文化だと思う。 「関西フィルと演奏しよう!吹奏楽団」は中学生から中年層まで幅広く、関西フィルとの100名の大吹奏楽はダイナミックだった。 塚田ゆき奈さんのベートーヴェンピアノ協奏曲は端正で美しく、これからが楽しみです。 保科洋さんの混声合唱と児童合唱、琴とオーケストラのためのファンタジアは合唱が良く頑張って今年は迫力があった。いつもながら子供たちとと大人の皆さんの笑顔に癒されました。三面の琴の響きも贅沢。 この作品も必ずどこかで再演するつもりです。 (毎年小野で素敵な新しいオーケストラ付き合唱作品が生まれるのは本当に凄い文化!) 出演者の皆さん、熱心な地元スタッフの皆さん本当にありがとうございました!また来年を楽しみにしてます! 今日は大阪の国立国際美術舘でいつも大変お世話になっている関西・大阪21世紀協会の30周年記念式典に関西フィルと参加してラデッキー行進曲とワーグナーのマイスタージンガーを演奏させていただきました。 21世紀協会はこれまで関西の文化を牽引してきた素晴らしい団体で関西フィルも僕も本当にお世話になっていて感謝の気持ちでいっぱいです。これからもよろしくお願いいたします! 明日は秋にお世話になる東大阪市長にご挨拶に行ってその後久しぶりに東京にもどる。仕事部屋にこもって来週27日の関西フィル定期、3月2日のオーチャードでの日本フィルと続きます。 それではまた! 児童合唱団のみんなと。毎年会うたびにみんな大きくなっててびっくり! ピアノの塚田ゆき奈さんと。品格のあるベートーヴェンでした。 琴独奏の皆さんと。手前から中村一見さん、上山梢葉さん、木之下優香さん。 こちらは今日の国立国際美術舘での特設ステージ。関西の財界の錚々たる方々が集まり心強かったです。 藤岡 幸夫 ※2/17 小野公演のevent reportはこちら |
|
2013/2/16 明日は関西フィルと毎年 恒例の小野(兵庫県)公演で毎年呼んでもらって13年目になる。 ここでは毎年オーケストラと混声合唱と子供合唱のための新作を初演してるがこれまでどれも素敵な作品ばかりでよく考えれば凄いことだと思ってる。 明日取り上げるのは保科洋さんの「ファンタジア・四季」でオーケストラの中になんと琴が三面加わる。 勉強してて思わず日本人で良かったと思える素敵な作品だ。 明日はこの他にこちらも毎年恒例で地元の吹奏楽団との共演やソリストオーディションで選んだ塚田ゆき奈さんとベートーヴェンのピアノ協奏曲に、メインはヴェルディとワーグナーと盛りだくさん。毎年満員のお客様で盛り上がるので明日も楽しみにしています! それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 |
|
2013/2/15 昨日は午前中はシンフォニーホールで関西フィルと東大谷高等学校の卒業演奏会。昨日のコンサートで少しでも新しいクラシックファンが生まれてくれたことを心から願います。 皆さんありがとうございました! 昨日まで10日間リハーサルと本番が続いたので、コンサート後はオフと決めて、昼はひとりで梅田のスペイン居酒屋でビールをやりながらゆっくりランチ。その後は阪急電車で夙川で降りて甲山の義父のお墓参りをして、帰りがけに小林に寄ってきた。 小林は亡くなったおふくろの思い出のつまった街で、最近の映画「阪急電車」でもでてきたのでふらりと寄ってみたくなった。なんとも言えない落ち着いた雰囲気を楽しんできた。 梅田に戻って4時過ぎから牛タンのお店でゆっくり一杯やりながら早い夕飯。お店には僕しかいなくてなんとも贅沢…寂しいともいえる。ホテルに戻ってジムとサウナで汗をかいて、部屋でまた一杯やりながらDVDを観て9時過ぎに就寝。 そういや昨日はバレンタインデーでしたね。 僕は派手に見られるけどまぁ今ではこんなもんよ…。 今朝は明け方から27日の関西フィル定期で取り上げる「舞楽」のスコアにどっぷり。和の響きとオーケストラの華麗なサウンドが見事に融合した傑作。豪華にして妖艶…。27日はS席は売り切れで残席も少ないそうなのでお早めに! 興味ある方は僕が東京フィルを指揮したCDがでてます(CDタイトルは「タルカス」)。 それではコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 |
|
2013/2/13 一昨日は関西フィルが大変お世話になっている森下仁丹の創業120周年記念コンサート。 前半はチェロの新倉瞳さんのソロが素敵だったし後半は親友の飯森範親が客席から現れて指揮者対決をするなど内容は盛りだくさんで、最後の威風堂々は駒村社長のリクエストで関西フィルも渾身のパフォーマンス。お客様にも喜んでいただけたと思う。 コンサート後はパーティーに同席させていただいたがとにかく社員の皆さんが明るくて元気でとっても楽しかったし、駒村社長のスピーチも素晴らしかった!森下仁丹と関西フィルとの関係もさらに進化していけそうですごく嬉しかったです。 ちなみに僕は普段から森下仁丹のサプリメントを愛用してる(メガビタEXは本当に強力)。これからもどうかよろしくお願いします! 皆さんありがとうございました! 昨日は毎年恒例となった近畿大阪銀行と共催のファンドレイジングコンサート。最初はプログラムは決まっておらず一口(チケット一枚)4000円で希望曲を募集するという新しいアイデアで、近畿大阪銀行の顧客の組織のふたば会の皆様のおかげもあって毎回あっという間に売り切れる。 昨日のメインは運命だったけど久しぶりにヘトヘトになった。ベートーヴェンには精力を吸い取られます。昨日のコンサートでまた新たなクラシック&関西フィルのファンが増えてくれたらと心から願います。 近畿大阪銀行さんとはこの企画をもう一本親子コンサートで増やす話もでていて本当に感謝です。 皆さんありがとうございました! さてさて今日も関西フィルとリハーサルで明日はシンフォニーホールで恒例の東大谷高校の卒業記念コンサートです。 それではまた! チェロの新倉瞳さんと こちらは親友の飯森範親と いずみホールでコンサート後にニューオータニで森下仁丹創業120周年記念パーティー。社員の皆さんが明るく、最後に上映されたドミノ倒しの映像は感動して思わず涙がでました。(YouTubeで見れるそうです) 藤岡 幸夫 ※2/12 近畿大阪銀行主催公演のevent reportはこちら |
|
2013/2/11 8日の東京オペラシティでの「明日をになう音楽家たち」は満員のお客様で、題名のとおりソリストのかた達が素晴らしく、東京フィルも集中力の高い演奏で素敵なコンサートになったと思います。 3日間すごく楽しかったです。皆さんありがとうございました! 翌日から大阪に帰って関西フィルとリハーサル。 今日はこれから関西フィルといずみホールで普段お世話になっている森下仁丹の創業120周年記念コンサート。 親友の指揮者飯森範親が途中で乱入して指揮者対決をすることになるらしい…。 それではまた! 昨日は飯森範親と大阪でお世話になってる方々やマネージャーさんといつもの焼き肉屋さんで食事会。楽しかった! 藤岡 幸夫 |
|
2013/2/6 今日から8日のコンサートの「明日を担う音楽家たち」のリハーサル。東京フィルはレスポンス抜群で色彩豊かだ。オペラをやってるオーケストラの強みだなぁと肌で感じる。 ソリストは今話題のジュネーブ国際コンクール1位のピアノの萩原麻末さんをはじめ、オンドマルトノの大矢素子さん、ヴァイオリンの坂口昌優さんにホルンの伴野涼介さんと皆さん素晴らしく曲目もすごく楽しめるので本番をお楽しみに! PS 土曜日はNHKラジオの全国放送に出演させていただいた後で東京へ急いで戻って銀座でジャズのライブを聴いてきた。 お目当てはピアニストの小川理子(みちこ)さん。実は小川さんは某有名企業の管理職をされていて関西フィルでお世話になってるし、偶然僕の同級生でもあるのだけど、いやはや噂には聴いていたけど素晴らしかったです。CDでメジャーデビューもして海外でも評判が高いのもうなずける。 ジャズを堪能してきました。 PS2 ジムで走りながらマシンのテレビをつけたらアイドルの女の子が坊主刈り。阿呆らしいともいえるが昭和の匂いがして微笑ましかった…。 藤岡 幸夫 |
|
2013/2/3 先週からジョリヴェのオンドマルトノ協奏曲とヒダシュのホルン協奏曲のスコアにどっぷり浸かってる。 どちらも素晴らしい作品で、自分にとって新しい作品のスコアを読むのはいつでもワクワクする。 ヒダシュのホルン協奏曲は弦楽合奏とパーカッションとハープにチェレスタというオーケストレーションが素敵で、ジャズの要素も入っていたりしてすごく楽しい。 ジョリヴェのオンドマルトノ協奏曲はオーケストラは大編成でなんとも妖艶。 オンドマルトノは1928年頃に生まれた電子鍵盤楽器。当時メシアンをはじめ多くの特にフランス人の作曲家たちが作品を残してる。 基本的に単音しか使えないがキュイーンと音階移行できたりボボボと音色を変えたりできて、ジョリヴェの協奏曲は時にお化けがでてきそうだったりする一方で終楽章の天国的な美しさは絶品。 2月8日ははこの2作品に加え僕の大好きなシューマンのピアノ協奏曲とプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲2番を指揮します。 明日を担う素晴らしい若手ソリストの皆さんとの共演が楽しみです! PS1 以前も書いたが、10年近く前に吉松隆さんが映画「ウルトラQ」のために作曲した音楽の中でオンドマルトノが使われてる曲があってすごく面白かった。この素晴らしい映画音楽を日フィルと録音したのに映画自体が制作されなくなって音源はお蔵入り。なんとかならないものか…? PS2 三枝成彰さんの新作オペラ「神風」の初演を観てきた。超絶技巧を要求される歌手パートに驚かされたが、オーケストラパートは芳醇にして色彩豊かで、時にその官能的な美しさに息を呑んだ。千住博さんの描く美しい舞台との一体感が素晴らしかった…! 藤岡 幸夫 |
←つづき(過去) | つづき(先)→ |