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2008年2月分


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2008/02/29


 みなさんこんばんは。 さっき京都コンサートホールで関西フィルとコンサートが終わったとこです。

 今日は毎年恒例の日本フルハップの招待のお客様の非公開コンサート。毎年このコンサートでどれだけ新しいクラシック&関西フィルファンを増やせるか勝負だ。


今日のプログラムは関西フィル事務局長の西濱君の司会でトークをまじえて前半が「モルダウ」 他の管弦楽曲集で後半がベートーヴェンの7番。


とにかくベートーヴェンの7番は指揮してて精力を吸い取られる。 最近の研究ではこの7番を作曲中のベートーヴェンが躁病だったという診断書が発見された?らしいが、 とにかく異常なテンションだ。


それにあの1楽章のリズムの処理って何度やってもすごく難しいし、2楽章の音程、3楽章はアンサンブルetcetc・・・・・体力だけでなく神経使う (どんな曲でもそうなんだけどね) 。


いつもながら関西フィルは集中力ある熱のある演奏をしてくれた。 きっと新しい関西フィルファンが出来たんじゃないかな。


 明日は関西フィルと、正反対に繊細さを要求される 「未完成」 に、松山冴花さんとブルッフの 「スコットランド幻想曲」 に、 「運命」 。大好きな中之島中央公会堂 (こんなレトロなヨーロッパみたいなホール日本ではここだけじゃないかな?自然で優しい響き) 。


とにかく大切なのは睡眠。京都から大阪に戻ってきて今11時。普段早寝だから僕にとっては真夜中だ。


もう寝ます。おやすみなさい・・・・・。


   藤岡 幸夫


2008/02/27


 シューベルト 「未完成」 交響曲の話


 今週の土曜日(3/1)は僕の大好きな大阪・中ノ島の中央公会堂 (重要文化財のヨーロッパ調の古き良き時代の美しい建物) で 「運命」 「未完成」(交響曲第7番) を振る。

先週の 「グレイト」 に続いて大好きなシューベルト(1797-1828) を振れるのはすごく嬉しい。


 「未完成」 は 「グレイト」 同様シューベルトの死後に発見された交響曲で、3楽章、4楽章がないことから 「未完成」 というニックネームがついてる。

なぜ2楽章までなのかは謎とされ、残りの楽章が紛失した説などいろいろ言われているが、僕はもっと大切な事があると思っている。

これから書くことは何故か研究者などの書物で語られたのを見たことが無いのが不思議だが、あくまで僕の推理だ。


先日のお手紙の 「グレイト」 の話でも書いたけどシューベルトは25歳の年(1822)の12月に梅毒と診断され大きなショックを受けている。 当時は梅毒は不治の病で残りの人生は短いと言われるようなものだった。

彼は翌年に絶望の詩を書き残してる。
(この詩の存在についてもベートーヴェンの遺書に比べて全然知られていないのが不思議だ)


ところでシューベルトが 「未完成」 を作曲しはじめたとされるのが、梅毒の診断を受ける1ヶ月ちょっと前の
10月30日と言われる。 そしてこの交響曲を翌年の4月に音楽協会に献呈してる。

と言うことは 「未完成」 は彼の人生にとって強烈な打撃を受けた時期に作曲された交響曲と言える可能性が高い。 (完成された詳しい日付は分かってはいない)

シューベルトの7つめになる 「未完成」 はそれまでの6つの交響曲と作風が大きく違う。はっきり言って普通じゃない。 旋律は美しく、和声進行やダイナミックスの幅の広さなど当時としては革新的で、不安、苦しみ、優しさ、切なさや悲しみが混在したシューベルト独自の世界だ。


この交響曲を着手した頃は梅毒であると診断される前だがすでに自覚症状があったのかもしれない。
また当時のシューベルトは極貧だった。 五線紙を友人達から恵んでもらうほどだった。

僕はシューベルトは当時絶望のどん底にあって未完成の残りの楽章 (3楽章のスケッチは残ってる) は書く気力がなくなってしまったのではないかと思う。


また少なくとも2楽章の最後は (言葉で言えない美しさ。淋しく切ない・・・転調の素晴らしさよ!) 自分の悲しい運命を間違いなく分かっていて作曲されたと思えるほど完結してる。


もちろんセンチメンタリズムに浸るような演奏はするべきではないし、楽譜通りに演奏すれば見事にそのシューベルトの世界が聴衆に伝わる傑作だ。 シューベルトの生前一度も演奏されなかったなんて信じられないくらいだ。


また 「グレイト」 の話でも書いたけど、シューベルトが尊敬してやまなかったベートーヴェンが 「交響曲1番」 を書いたのが30歳、シューベルトがこの7つめの交響曲 「未完成」 を書いたのがたったの25歳!!シューベルトがいかに交響曲の分野でも大天才だったかわかる。


 ここからは専門的な話しになるが、シューベルトの楽譜にはいろいろ言われるのが楽譜の”版”の問題だ。
特にシューベルトの”アクセント”記号 「>」 が”ディミニュエンド”*1に見えて最近まで”アクセント”記号の多くが”ディミニュエンド”として楽譜に印刷されて演奏されてきた。


”ベーレンライター版”や”新ブライトコッブ版”ではかなりの訂正が行われてる。僕は”新ブライト”を使ってるが、 1楽章の最後などは今までは”ディミニュエンド”してたけど今回は僕の”新ブライト”の指定通り、”アクセント”つけて”ディミニュエンド”せずに終わる。
(これって、僕みたいに古い演奏スタイルが子供の頃から耳についてると勇気がいる)


ちなみに”新ブライト”は”ディミニュエンド”と”アクセント”の識別はすごく慎重のようだが、” ベーレンライター版”はなんだか今までの”ディミニュエンド”記号を全てを”アクセント”に変えてしまったようで不自然な箇所が多く好きになれない。


それから不思議なのは2楽章の259小節めのチェロは明らかにへ音記号で”C”なのに”新ブライト”も”ベーレンライター”も直ってない。



話しがちょっと専門的になり過ぎた・・・

とにかくこの 「未完成」 の後に 「運命」 ってベタなプログラミングだけど音楽的にもバランスがとれてると思うしすごく楽しみ。 (この中之島シリーズは毎年完売で今回も残券あと僅かのようなのでお早めに!)


それではみなさんコンサートでお会いしましょう!


   藤岡 幸夫


2008/02/26


 みなさんこんばんは。

今日は中之島(3/1 土) の2日めのリハーサル。 「未完成」 を3日間しっかりリハーサルできるのが嬉しい。 ブルッフのソリスト 松山 冴花 さんのソロも素晴らしく、本番が楽しみだ。


 昨日は関西フィル理事長の 井上 礼之 ダイキン工業 (関西フィルのメインスポンサー) 会長の招待でいずみホール定期のソリストだったピアニストの 児玉 桃 さん、いつもお世話になってるダイキン工業の秘書方々それに関西でのコンサートプロデュースで度々お世話になってる木田女史と 関西フィル事務局長の西濱君が出席しての食事会。楽しい一時を過ごした。


井上会長は大変魅力的な方で男の僕からみても色気を感じるし、お会いするたびに大きな刺激を受ける。


いずみホール定期を聴きに来て下さっていて関西フィルの成長を感じて喜んでくださり激励してくださると同時に、一方で厳しいお話しもして下さった。 本当にありがたいと思ってる。

井上会長はちょっと”ジュリアスシーザー”を連想させる方で、今日は朝から二日酔いだったけれど1日いろいろなことを真剣に考えていた。


最近、人生ってなんだろうとよく考える。転換期なのかもしれない。 


明日は 「未完成」 の話しをします。お楽しみに!


   藤岡 幸夫

2008/02/23


 久しぶりに楽譜と着替えをとりに東京戻ってきた。

ホテルでは全然テレビをつけないのだけど、今日はかみさんに付き合って
久しぶりに家に戻ってリビングのテレビをつける。


噂で聞いたことある「エンタの神様」っていうのをやってるが……


全然笑えない…

オレがもうナウくない昭和のオヤジだからか?

やっぱりいつも通り早寝することにした…。


   藤岡 幸夫

2008/02/22


 みなさんこんにちは。
昨日はたくさんのお客様ありがとうございました。
すごく盛り上がったね。
ソリストの児玉桃さんも素敵な演奏ありがとうございました。


 それにしてもシューベルトは本当に凄い天才的シンフォニストだね。

今までに 「グレイト」 は何度もやってるけど指揮するたびに実感する。自分の命があと数年と知りながら(だからこそなんだろうけど)たったの28歳で こんな凄い交響曲書いたのだから・・・。


昨日の関西フィルも全身全霊の演奏で、関西フィル&藤岡ならではの一体感を感じてもらえたと思います。


今回リハーサルは3日間あったので4楽章のテンポは本番までオーケストラに見せなかった。
僕はリハーサルがたっぷりあるときは曲によっては 本番のテンポをみせないことがある。

3日間も同じテンポだと新鮮味がなくなるし、「グレイト」 の4楽章は遅めのテンポで練習しておかないと、音の濃密度がなくなってしまうからだ。


関西フィルは僕が本番違うタイプの指揮者だと良く知ってるので、昨日も良くついてきてくれた。関西フィルは本当に素晴らしいし、関西フィルと仕事ができて いつも幸せだと思ってます。

2楽章でホルンが美しい単音で弦楽器と転調する大好きな箇所があるのだけど、昨日は指揮しながらシューベルトのこの閃きに心底改めて感動してしまった。
何度も練習した甲斐がありました。


 関西フィルのみなさんお疲れさまでした。そしてありがとうございました。



 さてさて来週(3/1土)は関西フィルと毎年完売する人気の「 中之島公会堂シリーズ」 (会場はヨーロッパ調の素晴らしい建物。重要文化財です)で今度は大好きな シューベルトの 「未完成 」 を取り上げます。


関西フィルとシューベルトを続けて取り上げることで関西フィル&藤岡のシューベルトのスタイルを創りたいのと、お客様にシューベルトの交響曲の素晴らしさを 再認識してもらうのが目的です。関西フィルとの 「未完成」 も久しぶりなのですごく楽しみ。

3/8(土) いずみホール

関西フィル TEL:06-6577-1381


 中之島の次の週(3/8土)は関西フィルといずみホールでお馴染みの「 ミートザクラシック」。楽しいお話もまじえて、今回は情熱のスペインプロ。華麗なるオーケストラサウンドでクラシックの魅力を存分に楽しんでもらいます。お楽しみに!



それではみなさん、またコンサートでお会いしましょう!


   藤岡 幸夫


PS 以前にも書いたが 「グレイト」 はトロンボーンが大活躍する。この時代にこれだけトロンボーンがメロディを演奏する曲はなかった。シューベルトの革新的なアイデアだ。

当時は天使の楽器と言われたトロンボーンが 「グレイト」 では文字通り美しく神聖な響きを創りだすが、時に悪魔の楽器に変幻する。
シューベルト独自の世界だ。

「未完成」 の話しも近々に書きます。


 ※2/21いずみホールシリーズ vol.11公演のEvent Reportはこちら
2008/02/19


 今日は関西フィルと21日の いずみホール定期のリハーサル。
それにしても「グレイト」って傑作だ。この間も書いたけど2楽章の美しさには息を呑むし、4楽章の生命力よ!
たったの28歳で死を覚悟しながら残された時間を精一杯生きようとする精神力。


いろいろなことを考えてしまう…


 ところで、僕はいつも電車を使ってる。時間が正確だし早い。
それにリハーサルやコンサート前後は考え事が多いので運転なんて危なっかしくてできない。


加えて歩くことは健康にいいしね (脂肪は燃やさなきゃ)。


ついこの間もリハーサル後にあれこれ考えながら電車に乗ってたら、
周りの女性達がやたらにじろじろ俺を見てる。

関西フィル TEL:06-6577-1381

車内で 「サインしてください」 とか言われたこともあるので、まぁいいかと思いながら大阪で降りたら、女性専用車両だった・・・・・


まいった。指揮者ってかなり自意識過剰だね…。


 話しは戻るが、関西フィルかなりいい感じできてるので
木曜日(2/21)のいずみホール定期すごく楽しみ。
(※2008/2/15のお手紙に詳細がが語られています。)


それではみなさんコンサートでお会いしましょう!


   藤岡 幸夫

2008/02/18


 みなさんこんにちは。
今月に入って毎日リハーサル、本番の連続だったけど今日はやっとちょっとのんびり。


 一昨日の大阪城の親子コンサートは面白かった!

コンサート後に楽屋で。左から
吉松隆さん、司会の石塚初美さんに
ピアニストの横山幸雄君


僕の大好きな作曲家の吉松隆さん(彼の話しはいつかします)と僕のマネージャーの大沼さんが中心になって創ってきた企画だけど(大スクリーンも使って、 照明効果などすごく大掛かり+「子供のための管弦楽入門」をはじめとする吉松さんの曲もめっちゃイケてる)すごく良くできてると感心してしまった!

吉松さんも関西フィルの演奏にすごく喜んでくれたし、
ゲストのピアニストの横山幸雄君とは久しぶりの共演だったけど本当に素晴らしい。

それから噂には聞いていたけど大阪すみよし少年少女合唱団のみんなもうまかったー!

大阪城ホールは5000人満席で、この中で少しでも多くのかた達がクラシックにさらに興味を持ってくれたら本当に嬉しい。 大阪城ホールのスタッフの方々も来年も続けて行きたいと言ってくださったので是非発展させて行きたい。

スタッフのみなさんありがとうございました!


 翌日朝一で毎年恒例の大好きな兵庫県小野市へ。


ここでは毎年、「関西フィルと一緒に演奏しよう吹奏楽団」(60人)と 「関西フィルと一緒に歌おう合唱団」
(120人)との共演が楽しみ。
みんな半年間練習して関西フィルと共演する。吹奏楽団も年齢層も幅広く毎年上手くなっていて、今回はドヴォルザークの8番の4楽章だったけどすごい迫力だったね。 各パートが関西フィルの団員と吹奏楽団の団員さんと並ぶのが微笑ましい。


合唱団は小学生の子供合唱団が加わっているのが最高で、毎年合唱と吹奏楽を指導する稲村先生がこの日のために編曲を書き下ろす(毎年30分を越える大作だ)。 そのアレンジが最高で今年はコンサート後半が 「新世界」 だったのでフォスターメドレーと毎年シリーズ化してる「子供ファンタジア4」。



とにかく子供たちのめっちゃ可愛い歌声に、本当に楽しそうに歌う合唱団のみんなの明るい笑顔!
関西フィルのみんなも笑顔。
指揮しながらすごく癒される。

昨日は「星に願いを」歌う子供たちの可愛い歌声と合唱団の優しい歌声に思わず涙がでてきた。


前半最後はソリストのかた達を迎えて喜歌劇「メリーウィドウ」のハイライトを合唱団が共演。
こちらはオトナの甘い世界。


毎年後半は関西フィル&藤岡の演奏で交響曲をたっぷり楽しんでもらう(ここが大切)。
今年はドヴォルザークの交響曲9番「新世界」。

この4年間はすぐ完売するようになって客席の雰囲気も最高だ。
コンサート後の打ち上げも毎年どんどん豪華になって盛りだくさん。


小野のコンサートは、ホールのかた達の熱意と地元のみなさんと、編曲と指導の稲村先生、僕たち関西フィルならではのコンサートだ。

今年もありがとうございました!!

       
 
小野市公演後のパーティーにて (撮影:管理人)


 さて明日からは今週木曜日(2/21)のいずみホール定期のリハーサル。
大好きなシューベルトの 「グレイト」 にベートーヴェンの「皇帝」。気合いが入る。


それではみなさんコンサートでお会いしましょう!


   藤岡 幸夫


PS 関西フィルは毎年関西各地で地元ホールのスタッフのみなさんの熱意と地元のファンのかた達のおかげで素敵なコンサートをたくさんしてる。今ではどこでもお客さんがいっぱいで、 本当に嬉しい。
たくさんの新しいクラシックファンが増えて欲しいし、現に地元コンサートがきっかけで大阪まで定期を聴きに来てくれるファンのかた達もすごく増えてきた。
そして関西フィルは何処へ行っても笑顔と真剣勝負なのが魅力だ。素敵なオーケストラです。


 ※2/16大阪城ホール公演のEvent Reportはこちら
 ※2/17小野市公演のEvent Reportはこちら
2008/02/15


  シューベルトの 「ザ・グレイト交響曲」 の話


 みなさんこんにちは。相変わらず関西フィルとリハーサル、本番が続いてます。明日(16日) は大阪城ホールで「親と子のファミリーコンサート」。満席 (5000人!) だそうで今から楽しみ。明後日(17日) は毎年恒例の兵庫県小野市でコンサート、こちらも完売。小野の話しは改めてしますね。


 今日はシューベルト(Franz Peter Schubert)の話です。


フランツ・ペーター・
シューベルト
(1797-1828)
シューベルトというとどちらかと言うと歌曲や室内楽がよく演奏されて交響曲はベートーヴェンやモーツァルト、 ブラームスなんかに比べると演奏回数は少ないかもしれない。


でもシューベルトは偉大なそして天才的なシンフォニストだった。


僕はシューベルトの交響曲が大好きでマンチェスターで室内オケのシェフをしてたころから度々取り上げてきた。

シューベルトは25歳のときに梅毒が発病し31歳の若さで亡くなった。当時、梅毒は不治の病で発病を知ったシューベルトは大きなショックを受けて絶望の詩を書いている。


その絶望の中から抜け出してシューベルトは悟る。この 「グレイト」 を書いた頃のシューベルトを周りの友人達が 「意外なほど明るく、陽気で元気に見えた。」 と口をそろえていたそうだけど、死への恐怖や悲しさを乗り越えて残りの人生を精一杯生きようとしていたのだろう。

ベートーヴェンの交響曲に憧れていたシューベルトが最後に書いた交響曲がこの 「グレイト」 だ。


冒頭で静かなホルンだけでで奏でられる美しいメロディ。このメロディが雄大に発展していき、生き生きとしたアレグロの音楽につながる。


交響曲の冒頭でいきなり一つのメロディで始まる作曲法はメロディメーカーのシューベルトが到達した一つの革新的な素晴らしいスタイルだ。
(例えば未完成では冒頭チェロとベースがミステリアスな旋律を奏でて始まる)


ベートーヴェンの旋律は比較的短いからそれを分断したりして発展させやすいが、シューベルトはメロディを書くのが天才的だった故に旋律が長く発展させにくい。 そこで彼は楽器の使い方を変えていったり、新しい旋律を重ね合わせることや独自の和声進行で音楽を展開させて行く技法を見つけ出している。


悲しい運命の中を前を向いて歩こうとしてるかの2楽章、途中息を呑むような美しいハーモニーや癒されるような優しい旋律が表れながら苦しいクライマックスへ向かう。 その激しいクライマックスの頂点で叫ぶのはなんと!トロンボーンだ。当時ではあり得ない。
さらに専門的な話しをするとこの楽章はイ短調でトロンボーンが"fff"で叫ぶのは"レ#"、その"レ#"が"ミのフラット"にエンハーモニックで転調して、 美しくも切ないメロディをチェロが歌いだす。僕の大好きな瞬間。

シューベルト独自の天才的な世界だ。


3楽章のスケルツォは生命力に溢れ、フィナーレは歌に溢れる。陽気なメロディをチェロとベースがピッチカートで伴奏するがこれは20世紀のジャズの先取りみたいなもんでこの感覚も当時としてはすごく新しい。
この感覚はシューベルトが残された人生を陽気に生きようとしたから故に産まれてきたものなのかもしれない。
巧みに和声を進行させながら最後は主音のドだけを何度も叫ばせながら終わりへと向かう。このドの叫びにはシューベルトのどんな想いが込められていたのだろう?


そして忘れてならないのは、この傑作を生み出したシューベルトは当時たったの28歳だったのだ!!

ベートーヴェンが最初の交響曲をようやく書き上げたのは30歳。
シューベルトは28歳の若さで8曲目 (以前は「グレイト」は”9番”だったが最近の研究では”8番”)の交響曲を書きこの境地に達していた。

しかもシューベルトの交響曲は生前公開演奏を全くされなかった。6番までは友人達の間で演奏された記録はあるが 「未完成」 と 「グレイト」 にいたっては全く演奏されてない。

つまりベートーヴェンのように実際にオーケストラの音を聴いて楽譜の手直しという作業なしにこの素晴らしい傑作が産まれた。そしてシューベルトはそのシンフォニーを一度も聴くことなく、尊敬してやまなかったベートーヴェンが亡くなった次の年、後を追うよに31歳の若さで他界する。

関西フィル TEL:06-6577-1381


大好きな 「グレイト」 を関西フィルと演奏するのは久しぶりなのでめっちゃ楽しみだ。

来週21日木曜日、ホールはこの 「グレイト」 にぴったりの美しくて豪華な 「いずみホール」。
前半は素晴らしいピアニスト児玉桃さんを迎えてベートーヴェンのピアノ協奏曲 「皇帝」 を演奏します。


 それではみなさんコンサートでお会いしましょう!


   藤岡 幸夫

2008/02/13


 みなさんこんばんは。
今日は毎年関西フィル恒例のシンフォニーホールでの東大谷高校の卒業記念コンサート。


今日のコンサートで少しでも多くの若いクラシック&関西フィルファンが増えてくれたらすごく嬉しい。

東大谷高校の生徒さんたちは明るくて礼儀正しい。これって素敵だね。

今日みんなの顔を見ながら僕が高3の卒業する頃を思い出してた。


 高3の卒業間近、高校のオーケストラの定期演奏会を指揮した。 ワーグナーの 「ローエングリン」 の三幕の前奏曲、 ブラームスの 「大学祝典序曲」 に ブラームスの 「交響曲1番」。 僕はプログラムの挨拶文に 「人は誰でも自分の人生の中では自分が主人公」 みたいなキザな文章を書いたのが懐かしい (さだまさしの 「主人公」 という曲の受け売りだったけど)。


今日のメインはリストの 「前奏曲」。 人生は長い死の前奏曲という意味の曲だけど、リストはその短い人生の中で大切なのは 「愛」 だと訴えてると思ってる。みんなに伝わったかな?


コンサート後は、さすがに今日は勉強はしない (先月の日フィルのリハーサル前から全く休み無しなので) と決めて、ジムで泳いで読書。明日は関西フィルとリハーサルなんで早寝。


夕飯は前から気になっていた新地の餃子専門店に行ってきた。
美味しかった〜!

 それではみなさんコンサートでまたお会いしましょう!


   藤岡 幸夫

2008/02/12


 みなさんこんにちは。一昨日は川西の第九。川西合唱団とは二度めの共演。みんな明るくて楽しかったです。 客席も満席で盛り上がった。1ヶ月前の練習からずいぶん良くなってました!本番もよく声がでてたし、 これからももっと良くなる合唱団だと思います。頑張ってください! ありがとうございました。


昨日は16日の 「親と子のファミリーコンサートコンサート」 で共演する、 すみよし少年少女合唱団との練習。
素晴らしい合唱団でみんなの笑顔と元気ににめっちゃ癒されました。 本番楽しみ。


川西「第九」の打上げで
ご挨拶(撮影:管理人)

16日に共演する大阪を代表する
すみよし少年少女合唱団。
素晴らしい歌声でした。


今日は関西フィルとのリハーサル。今月は毎日のように関西フィルの指揮台に立ってるけど、本当にいつも僕のやりたいことに答えてくれるし、 リハーサルでもいつも生き生きとしてる。俺は幸せです。


明日(13日)はシンフォニーホールで毎年恒例の 東大谷高校 卒業記念の学校公演。
いつもこのコンサートでは どれだけ多くの若いクラシックファンをつかめるか勝負だ。


 それではみなさんコンサートでお会いしましょう!


   藤岡 幸夫


PS 川西の 「第九」の打ち上げのあとに近所に住む当サイトの管理人夫妻の家に遊びに行った。 2年前の川西の 「第九」 のコンサート後にお客さんだった2人にサインしたのが初めての出会い。人との縁って本当に大切だね。感謝してます。 旦那のマサが焼いてくれたローストビーフめっちゃ美味しかったです。


2008/02/09


   朝方からずっと勉強してて一息ついて窓の外に目をやると吹雪。全然気がつかなかった。

 白い結晶がすごい勢いで舞っている。あまりに美しいのでしばらく眺めてる。

 今から18年くらい前にポーランドのカトヴィッチェに大きなコンクールを受けに行った。
その時もこんな吹雪が続いてた ・・・


なんせ昼間でも零下十度以下なんていうのが普通で、鼻水もすぐ凍る。
そんな中で予選から最後まで三週間音楽漬けだった。

吹雪の中スーパーに行って買い込んだカップラーメンを部屋ですすりながら朝から晩まで楽譜を読んでた。

外は寒かったけど、身体はいつも熱かった。


結局僕はディプロマ賞しか取れなくて悔しい思いをした。その分学んだことは多く
その年の夏のオランダでは雪辱を果たせたのだけど、あの時は悔しかったなぁ ・・・


   窓の外で白く舞う雪達を眺めながらあの時の自分を思いだしてた。



 さてさて、今日は明日の川西の 「第九」 のリハーサル (オケはもちろん関西フィル)。
昨日の合唱団だけのリハーサルでは1ヶ月前よりずいぶん良くなってたので、本番どうなるか楽しみだ。


   藤岡 幸夫


2008/02/07


 みなさんこんばんは。
昨日の関西フィルのコンサートありがとうございました。いつも完売のコンサートで本当にありがたいです。


 ベートーヴェンの 「交響曲第1番」 は先週はシティフィルで昨日が関西フィル。オケのサイズも違うし、ホールも違うから当然演奏も違ってくる。 (シティのときの方がオケのサイズも大きかったしホールの残響も長かったので重厚だったかな)。楽譜も僕のスコアは新ブライト版だけど 「第1番」 は旧版との違いも結構 あって面白い。いろいろ勉強になった。


 今日は2月21日の関西フィルとのいずみホール定期でのシューベルトの交響曲第8(9)番 「グレイト」 (1825)のリハーサル。

関西フィルと 「グレイト」 は以前に一度しかやってないので、今日はボーイングやダイナミックスのチェックのリハーサル (もちろん本番前に2日間リハーサルします)。


それにしてもこの 「グレイト」 はスケールが大きく歌に満ちて力強いだけでなく、すごく繊細だ。
なんでもないような和音の進行にハっとさせられたり、うっとりするような ポエムな世界 (関西フィルが素敵な音をだしてくれてた) を交響曲に取り入れてる。また4楽章のチェロ、ベースのピッチカートなんて20世紀のジャズの先取りだ。

(撮影:管理人)

21日、関西フィルとどこまで歌い上げられるか、今から楽しみだ。


 それではみなさんコンサートでお会いしましょう!


   藤岡 幸夫


PS1 関西フィルと仕事はじめて9年目になる。最初は小学生だったファンの男の子が今はもう学生服で僕より背が高かったり、いつも制服で来てた女の子がもう大学生になって 見違えるようなレディになってたりで、俺も歳とるわけだ。

でも何故か関西フィルのプレイヤーで9年経って老けたと見える人が全然いないんだよね。
みんな気持ちが若いから?


PS2 今日小6の可愛い姪っ子から携帯に電話があった。僕は子供いないから電話で子供の声聞くことは普段ない。 嬉しくて思わずちょっと涙がでた。涙もろくなったのも歳とった証拠かな。
…と言ってもまだ45だけどね。

2008/02/06


  みなさんこんにちは。


 昨日は年に一度講師を頼まれてる 「サイバー適塾」。

 「サイバー適塾」 は、幕末に大阪で 緒方 洪庵 が開いた 「適塾」 (福沢 諭吉 他いろいろな分野で多くの素晴らしい人材を世に送りだした) の現代版で NTT、ダイキン が中心となって関西のあらゆるジャンルの企業の優秀な 幹部候補生の社員のかた達がお互いを刺激しあいながら勉強する。(毎週勉強会をしてるらしい)


NTT西日本の上野前社長に頼まれて3年前から毎年1回、塾生のかた達がリハーサル見学に来てその後僕と事務局長の西濱君が話しをしていろいろな質問を受けて その後に恒例の飲み会。議論がさらに活発になってすごく楽しい。
飲み会はすごく盛り上がった。
「サイバー適塾」 とは言うが、
みんないい意味でア ナログっぽい。

僕は普段音楽関係以外のかた達と飲む機会があまりないので僕の方もすごく勉強になるし、男同士の飲み会はなんだか学生時代に戻ったようで若返る。


それにしても、全く違う企業のかた達同士が (お互いライバル会社の人たちもいる)、大きな視野で関西や日本をよくしようとする 「サイバー適塾」 って素晴らしいと思う。

 僕も元気になりました。


   藤岡 幸夫


PS 僕は幕末という時代にすごく魅力を感じるし、僕の曾祖父の 菊池 大麓 (きくち だいろく) という人のそのまたお父さんが 箕作 秋坪 (みつくり しゅうへい) と言う人で 「適塾」 の塾生だったそうで、「適塾」 には思い入れがあるので、こういうかたちで 「サイバー適塾」 と関係できるのはすごく嬉しい。

2008/02/04


 一昨日の東京シティ・フィルの 「ティアラこうとう定期」、シティフィルの素晴らしい演奏ありがとうございました。
リハーサルからすごく楽しかったし、毎回感じるけどシティフィルの生命力の溢れる一体感は本当に素晴らしい。それにティアラこうとうのホールの響きの美しさよ!

吉松 隆さんが久しぶりに聴きに来てくれてシベリウス (吉松さんにとっては神様、ブログの中では”師匠と呼んでます) 「凄かった」 と絶賛してくれて素直に嬉しかったです。


 昨日は久しぶりに大阪に帰って来て、「関西フィル友の会」 の会員さんたちと僕の主催のパーティー。幹事さんからのリクエストで 今回は関西フィルの一番若いプレイヤー (クラリネットのトップの梅本さん、トランペットのトップの白水君、今年から契約したコンサートマスターの岩谷君) が参加。 みんな明くるて(うるさくて?)楽しかったね。昼間から飲んだくれてパーティー後も夜まで飲み続ける。


今日はこれから関西フィルと明後日のコンサートのリハーサル。またまたベートーヴェンの 「交響曲第1番」 にホルストの 「セントポール組曲」。 ごめんなさい!このコンサートのチケットはすでに完売だそうです。

藤岡幸夫主催パーティー


 それではみなさんコンサートでお会いしましょう!


    藤岡 幸夫


 ※2/2公演のEvent Reportはこちら
 ※2/3パーティーのEvent Reportはこちら


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