2008年1月分
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2008/01/31 「シベリウス 交響曲第2番」 の話 シベリウスの交響曲2番 は僕にとっていろんな想いのある曲だ。 僕はヨーロッパに留学する前、日本を代表する名指揮者だった故 渡邉暁雄先生の内弟子で、 先生は亡くなられるまでの5年間、 僕を息子のように可愛いがって下さった。 先生のお母さんはフィンランド人で先生はシベリウスを最も得意としていた。 (シベリウス交響曲全曲集を世界で最初にステレオで録音した (1962)。 この録音(LP)は海外でも高い評価を得ている。)特に 「2番」 は先生と当時先生が音楽監督をしていた 日フィルの十八番で、 僕がいつも荷物持ちで同行した日フィルとの演奏旅行は何処に行ってもこの 「シベリウスの2番」 だった。 僕が最初に荷物持ちで演奏旅行に同行するときに 「キミもシベリウスを振れるようにならなきゃね!」 と先生が以前使っていた指揮者用の立派な 「シベリウスの2番」 のスコア(総譜)をプレゼントして下さった。飛び上がるほど嬉しかったのをよく覚えてる。
以来、演奏旅行の道中スコアを片手に先生がたくさんのことを教えて下さり、先生の教えを書き込んだこのスコアはぼくの宝物だ。 シベリウスと言う人はもの凄い愛国心の強い人で、またお酒が凄く好きで、酔っ払って大喧嘩をして留置場に入れられたり、 ベルリン留学時代には贅沢が度を越して経済破綻までしてしまう反面、すごく優しい人でもあった。 先生はよくこの 「2番」 に関しては 「この"2楽章"はね、シベリウスの激しい想いがどれだけ表わせるかなんだ。スコアに書きなぐられたペンのインクがまだ乾かないような、 そんな演奏をしなきゃね。」 と言っていたのを覚えてる。 よくこの"2楽章"は作曲前にイタリアに滞在したときの影響が強いと言われるが、確かにその影響もあるけれど、この楽章の本質は怒りと叫び、大きな不安だ。 数多くの fff や ffz。「2番」 はこの"2楽章"をどれだけ掘り下げられるかにかかってると僕は思う。 僕が初めてこの交響曲を指揮したのはルーマニアだったけど、この"2楽章"はそれは壮絶な演奏だった。 当時東西の壁崩壊直後でロシアの圧政に耐え続けていた彼らはこの曲の本質を僕なんかよりはるかに理解していたのだ。 今でも彼らの叫びとなった演奏は僕の耳に焼きついている。 この時、「なんて、俺は平和ボケしてたんだ!」 と思い知らされた。そうこの曲はまだ第1次世界大戦(1914〜)が始まる前の壮絶な時代に生まれた曲なのだ。 ついつい長くなってしまったけれど、今日はシティフィル (東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 )とのリハーサルが終わったところ。 毎回思うことだけどとにかくシティフィルのレスポンス素晴らしいです! そしてティアラこうとうのコンサートホールの素晴らしさよ! オーケストラを堪能するのに完璧なサイズで美しいホールです。2月2日(土)が楽しみ。
とにかくシベリウスを知らない人でも、2番は絶対楽しんでもらえます。特に美しく雄大な4楽章は特筆ものです。 それではみなさんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 PS1 先生が教えて下さったことはたくさんあるけれど、例えばシベリウスのイタリア語の使い方はあまり上手くなく 「モデラート」 や 「アンダンテ」 の意味は音楽用語としては反対の意味だったなんて話しは目から鱗だった。 PS2 僕がイギリスのハレ管 (ハレ管弦楽団) の定期にデビューした時僕は怖いもの知らずでシベリウスの1番を選んだが (ハレ管はシベリウス自身が何度も指揮台に立って自作を指揮したシベリウスには強い伝統のあるオーケストラ) この時も団員さんがたくさんのことを教えてくれた。 印象的だった話は、若い頃の マルケヴィッチ がシベリウスの交響曲をリハーサルをしていたところをシベリウスがこっそり覗いていた。マルケヴィッチは何度も同じ箇所を 「合わない」 と言って リハーサルしていた。シベリウスは 「アイツ何にも分かってない」 と一言残して帰って行ったそうだ。シベリウスは完璧なアンサンブルが欲しくなくてワザと 合いにくいように書いた箇所だったのだ。 (シベリウスにはこういう箇所が多い。) PS3 土曜日のプログラムは前半も最高だ。 久しぶりに指揮した吉松さんの 「鳥は静かに…」 の 美しさが心に染みた。 2曲めのベートーヴェンの「交響曲1番」も久しぶりだけど、 この曲の若さ、生命力よ! |
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2008/01/28 みなさんこんにちは!昨日のサントリーホールでの日フィル(日本フィルハーモニー交響楽団) のコンサート、たくさんのお客様ありがとうございました。 チケットなくて入れなかった方本当にごめんなさい。 久しぶりの日フィル (日フィルは僕にとって産みの親) との 「新世界」 に 「メンコン」 (メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」) に 「ボレロ」、楽しかったし勉強になった。 オーケストラがどんどん機能化して強い個性が失われていく中で、日フィルのもつ個性 (とにかくたっぷりとよく鳴って、よく歌う) は本当に素敵だと思う。 メンデルスゾーンのソロの米元響子さんとは初共演だったけど、完璧なテクニックに品格のある音楽で魅力的でした。 「ボレロ」(ラヴェル) は今まで何度も振ってきたけど、今回やっと自分のスタイルが表現できたかな。 「ボレロ」 といえば大変なのが"小太鼓"と"トロンボーン"のソロ。「ボレロ」 叩きの名手と言われる日フィルの遠藤さん最高! そしてトロンボーンの箱山さんのソロには思わず聴き惚れた。また 吉松さんのトロンボーン協奏曲 やりたくなりました。 (トロンボーン協奏曲 「オリオン・マシーン」 は、交響曲第4番とカップリングでCD発売済み) 日フィルとは次回、3月20日(祝) 「シェヘラザード」(リムスキー・コルサコフ) に 「ドヴォコン」 (ドヴォルザーク 「チェロ協奏曲」) 楽しみにしてます!
一昨日がかみさんの誕生日だったので昨日はコンサート終わってからかみさんと久しぶりにアニキ (実兄ではないけど僕が高校生のころからずっと世話になってた) の店に行く。 フレンチの田舎料理なんだけど、相変わらずめっちゃ美味しかった。 今朝はひと勉強した後、 近所のお気に入りの温泉に行って リフレッシュ! 今週の土曜2月2日は東京シティフィルとティアラこうとう定期で、今年最も気に入ってるプログラムのひとつを振ります。吉松さんの 「鳥は静かに…」 に、 ベートーヴェンの 「交響曲1番」 にシベリウスの 「交響曲2番」。 ティアラこうとうはヨーロッパサイズの美しい、音響も素晴らしいホールで、一年ぶりのシティフィルとの共演も楽しみ!
それではみなさんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 PS1 今週は関西フィルが飯守先生と関西二期会の 「ナクソス島のアリアドネ」 の東京公演で東京に来てた。「ナクソス」 は来年スペインで振るし、是非とも行きたかったのに 日フィルとのリハーサルと本番に重なって見にいけなくてすごく残念でした。 PS2 僕の母校、慶応義塾高校の春の甲子園出場決定!! 応援行くのがめっちゃ楽しみ。 |
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2008/01/24 「ボレロ」の話。 日曜に日フィルで 「ボレロ」 を振る。この曲はよく、「指揮者は楽でいいですね」なんて言われる。ずっと三拍子で同じメロディを繰り返すだけだからだ。 ところがこの曲を指揮するのは難しい。最後はほっといても盛り上がるけど、冒頭からクライマックスまでいかに単調にならずに、色彩感を出しながら、 ヴォリュームをきれいなカーブで上げていけるか・・・・・ 今まで何度も振ってきたけどなかなか上手くいかない。最近やっと自分自身のスタイルができてきたので日曜が楽しみだ。 ところでイギリスで初めてこの曲を振ったときはイギリス独自の伝統に驚いた。 最後のクライマックスで団員さんたちが凄い奇声で叫ぶのだ (もちろん管楽器の人達は無理です)。リハーサルだけかと思ったら本番はさらに凄い奇声が上がりコンサートは大いに盛り上がった。 "アングロサクソン"は熱くなると何をしでかすかわからない。
ちなみに僕が吉松さんの 「アトムハーツ組曲」 をBBCフィルと録音 (カップリングは 「交響曲4番」) したときも、終曲のブギウギの最後でオケが熱くなって 突然みんなが奇声を上げて、結局その奇声をそのまま録音することになった。こういうのって楽しい。 話しはそれてしまったが、日曜の日フィル (サントリーホール) 楽しみにしてます。チケットは完売なので来れない方がいたらごめんなさい! 来週の2月2日の土曜のチケットはまだあります。 こちらは前半が吉松さんの 「鳥は静かに・・・」 とベートーヴェンの 「交響曲1番」 に後半がシベリウスの 「交響曲2番」 という今年最も気に入ってるプログラムの一つ。 オケは東京シティフィル (去年共演したときに振ったベートーヴェンの 「英雄」 は思い出に残る演奏でした!) ホールは僕の大好きな ティアラこうとう です (美しいヨーロッパサイズのコンサートホールです)。 それではみなさん、コンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫
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2008/01/23 「Sachioの独り言」 今週と来週は東京でコンサートが続く。 先ずは27日に古巣の日フィルとサントリーホールで「新世界」に「ボレロ」他。 日フィルは僕の産みの親みたいな存在なので久しぶりですごく楽しみ。 今日は雪が降ってる ・・・ ルーマニアに初めて行ったときのことを思い出した ・・・ 藤岡 幸夫
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2008/01/21 「ベートーヴェンの話」 昨日は水口にたくさんのお客様ありがとうございました!ギターの村治佳織さん素晴らしかったね。 以前共演したときより更にスケールと深みが増してたと感じました。ありがとうございました。 後半は僕の大好きな 「田園」。去年の年末から 「七番」、「田園」、「第九」、「運命」、「田園」 と続いて来月も東京と大阪で 「一番」 振ったあと、 2月にまた「第九」!の後、「運命」 に 「七番」、とベートーヴェン漬け。 でも僕はベートーヴェンの音楽も人柄も大好きだからすごく嬉しい。 ここでちょっと ベートーヴェン の話しをしましょう。 ベートーヴェンというと、なんとなく女性にもてなくて気難しくて貧乏で不幸を背負った聖人君子のような 偉大な芸術家というイメージがあるが、それは間違いだ。若い頃すごくお洒落だったし恋多き人物で収入もかなりあったという。また癇癪 (かんしゃく) 持ちだったのは事実だがすごく優しい人だった。それに既婚者との間に隠し子がいたのだ (現在の研究では間違いないらしい)。 ベートーヴェンの音楽がそれまでのハイドン、モーツァルトと大きく違うのは、語弊があるかもしれないが音楽にその作曲時の感情がすごく反映されていることだ。 よくベートーヴェンの音楽の精神性とか言うが、実際ベートーヴェンのスコアの裏に作曲当時のベートーヴェンの精神状態が見えるからだ。 例えば、「田園」(1808) を書く前にベートーヴェンは素晴らしい女性 (ベートーヴェンの音楽をもっとも理解していた女性らしい) と出会い、 なんとその女性の住む屋敷の敷地内に引っ越してしまった。彼はすごく幸せで、今まで以上に自然を色鮮やかに感じたのだろう。 彼女と一緒に散歩してる姿すら想像できてしまう。第五楽章で歌い上げてるのは素晴らしい女性と出会えた喜びと自然への讚美だ。 彼女と恋愛関係にあったかどうかははっきりしてないが、彼女と別れた理由が、彼女が法外な報酬を若い男の召使に払ってることを知ったベートーヴェンが 二人の関係を怪しんで激怒して家を出ていったらしいから、ベートーヴェンの彼女に対する想いが想像できる。 「七番」(1812) を書く前のベートーヴェンは、戦争は始まるわ、恋人はいないわ、パトロンもいなくなるわで最悪の境遇だった。 その後、戦争も終わり、女性と出会い、パトロンまで現れて絶好調の中で生まれたのが舞踏的な 「七番」 だ。 おまけに当時軽い躁病だったという診断書が最近発見されたというから 「七番」 のテンションの高さもうなずける訳だ。 「八番」(1813) にいたってはもうプライベートそのもので、彼の最も愛した女性とボヘミアに旅行した思い出が詰まった曲だ。 ベートーヴェンが一番気に入っていた交響曲とも言われる。最近の研究では作曲当時、恋人が自分の子供を妊娠したと知らされて喜びに溢れて作曲したらしい。 この女性とは結局運命に引き裂かれてしまう。 べートーヴェンの死後に発見された熱烈なラブレター 「不滅の恋人への手紙」 はこのときの女性へ宛てたものと言うのが今の研究では確実だそうだ。 この手紙の書かれたのが1812年。この同じ年に実はその12年後に生まれる 「第九」 の着想が始まっているのだ。 シラーの詞に感動してその詞に音楽をつけると決心している。 実際ベートーヴェンはシラーの詞をカットしたり並べ替えることによって、自分の言いたいことを表現しているが、 その中に明らかに"不滅の恋人"の姿が見えるし、また3楽章にも僕にはベートーヴェンが本当に愛したこの"不滅の恋人"の姿が見える。 これ以上書くと長すぎるのでもう止めるけど、興味のある方はいろいろと調べてみてください。 演奏スタイルについては (以前今月の一枚のコーナーでちょっと話ししたけど) マンチェスターで室内オケの首席指揮者をしていたころは ずいぶん古楽の影響を受けたけど今ではこだわってない (古楽のスタイルを入れた演奏を聴くのは大好きです)。 ベートーヴェンは常に新しい楽器を求めていたし、ベートーヴェンの音楽は当時の楽器の音なんか遥かに超越した世界を求めていたように思う。 そこがハイドンとは決定的に違うところだ。なぜならハイドンは明らかに当時の楽器の響きで音楽を書いてるからだ。 (だから僕はハイドンを指揮するときは古楽の要素を取り入れる)。 僕は古典の様式をギリギリ崩さずにその中でベートーヴェンの思いを聴き手に新鮮に伝えたいと思ってる。そしてこれはベートーヴェンに限らずいつでも、 なんていい曲なんだろうとお客さんに思ってもらいたいしそれが僕の仕事だと思ってます。 これからコンサートでベートーヴェンが続くのでついつい話しが長くなってしまいました。 それではみなさん、コンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 PS 甲賀市あいこうか市民ホール、去年に続いて今年も完売。ホールもリニューアルしてすごく良くなってた。ここに来るまでの電車の景色が最高で毎年楽しみにしてる。 さて来年は何を指揮しよう?と思えるのも嬉しいね。ホールのスタッフのみなさんありがとうございました!
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2008/01/19 みなさんこんにちは。 昨日は広島で 「もみじニューイヤーコンサート」。今回でこのコンサートを指揮するの3回めだけど今年も楽しかった。 広島交響楽団の生き生きとした演奏に素晴らしいソリストの方たち(ソプラノの天羽明恵さん、メッゾソプラノの藤井美雪さん)。 2人のソロには本当に聞き惚れました。加えて2人のあり得ないトーク・・・・。まるで大阪の漫才コンビそのもの?驚きました。 おかげですごく盛り上がった。みなさんありがとうございました! 今日は広島から兵庫県小野市へ直行。 毎年恒例の共演する吹奏楽団と合唱団とのリハーサル。 吹奏楽団は中学生から大人まで60人で今年は 「ドヴォルザークの8番」 の ”4楽章”を共演、合唱団は子供から大人まで120人!で毎年合唱団指導の (吹奏楽団の指導も兼ねる) の 稲村先生 編曲の子供ファンタジアシリーズの新作が楽しみ。 とにかく子供の歌声とそれを包みこむ大人の歌声にみんなの笑顔 ・・・。上手いとか下手とかとは違う次元で僕の心を癒してくれる。
このコンサート (2月17日) の後半はドヴォルザークの 「新世界」。毎年完売するので興味のある方はお早めに! 明日は滋賀県の水口で毎年恒例のニューイヤーコンサート。前半はギターの村治佳織さんと 「アランフェス」 に後半は大好きな 「ベートーヴェンの田園」 なので楽しみ。オーケストラはもちろん関西フィル。(チケットは完売。興味のある方ごめんなさい。) とにかく気をつけてるのが睡眠。今年も早寝早起きで頑張ります! それではみなさんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 PS1 今独りでホテルの部屋で飲んでる。久しぶりに聴く大好きなホロヴィッツのショパンが心に染みる。これを聴いたら早寝です。 | |||||
みなさんこんにちは。 火曜に関西フィルとリハーサルした後で広島に入り 次の日から広島交響楽団とリハーサル。 昨日はリハーサルが早く終わり、広島に来るのが初めてのかみさんと 厳島神社に行って来た。感動しました。 日本っていいね。 藤岡 幸夫
※しゃもじは、神社で買ってきました。かみさんとは二十歳から付き合って25年、 結婚して18年、かみさんの忍耐のおかげで仲良くやってますわ。 | |||||
2008/01/14
みなさんこんばんは。橋本のコンサート終わって電車の中です。 昨日、今日と毎年恒例のニューイヤーコンサート。 本当にたくさんのお客様ありがとうございました! 昨日は城陽(京都) で8年め。以前にも書いたけど文化パルク城陽はホールの音響が本当に素晴らしく、しかもプラネタリウムや図書館他を備えた素晴らしい総合施設。 年末には 「第九」 も演奏したけど、お客様とも顔馴染みになって毎回楽しみにしてる。ここの建物のロビーの空間が大好きで、いつも本番前にぶらぶらしてしまう。 今年もお客様の雰囲気も温かくて楽しいコンサートになりました。 コンサート後はこれも毎年恒例のホールスタッフのみなさんと新年会。 楽しくて美味しい日本酒をちょっと飲み過ぎた。城陽と年間を通じたお付き合いができるのもスタッフの方達の熱意のおかげです。ありがとうございました!
今日は橋本(和歌山) のニューイヤー。橋本は関西フィルの指揮者になって最初にコンサートした街で今年で9年めだ。 チケット完売したのも11月と早くありがたいことです。橋本には「ぐるーぷフィル」 という関西フィルの応援団があって本番後に新年会。 みなさんとのお付き合いもずっと続きそうで本当に嬉しい。 橋本は高野山の近くの歴史ある街で、今日は本番前に 「ぐるーぷフィル」 のスタッフの方が紀の川の川岸に連れて行ってくださり、景色が最高だった。 空気が美味しかったー! 今日は学生服の若いお客さんもたくさんいて嬉しかった。 今年もありがとうございました! ところで、今日の 「運命」 を指揮してる最中にデビュー以来初めてズボン吊りのピンが飛んで、しかも一楽章の途中だったので参った。 ズボン吊りのピンが(古いので)悪いのか?それとも僕が動き過ぎなのか…? それではみなさん、またコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 ※城陽公演のEvent Reportはこちら ※橋本公演のEvent Reportはこちら |
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2008/01/11
普通日本では「第九」と言えば年末で、1月は難しい 「第九」 からの解放感があるものだが、今年はこの解放感無し。 前回の日記で 「運命」 が難しいと書いたけどこの 「第九」 もとてつもなく難しい。ところでこの 「第九」 はベートーヴェンの不滅の恋人と大きく関係するが、 その話しはまたいつかします。 川西合唱団は最初のリハーサルとしてはよくまとまってたけど、フーガがどこまで良くなるか。次のリハーサル楽しみにしてます! チケットは完売間近だそうなので興味のある方はお早めに! (川西市 「第九」:2月10日) この三日間は仕事と勉強の合間をぬって独りでぶらぶら。 一昨日は去年の6月に他界した義父のお墓参り。甲山の墓園はすごく気持ち良くて大好き。阪急の夙川駅や苦楽園口の雰囲気って関西ならではで最高だね。 昨日は思い切って平等院を見に行って来た。めっちゃ癒された。 橋の上からの夕暮れ時の宇治川と山のシルエットに思わず見惚れてた。 今日は昼間に西宮のえびすさんの参詣。立派な神社で感動。そして何より出店の食べ物の種類の多さに圧倒された (しかもどれもこれもめっちゃ美味しそう!)。 江戸っ子の僕には初めての食べ物がたくさん!昼飯を梅田で済ませてきたことをマジで後悔。
週末は毎年恒例の城陽と橋本のニューイヤーで今年の幕開け。楽しみです。 それではみなさんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 |
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2008/01/09 ベートーヴェン「運命」の話・・その1 みなさんこんにちは! 昨日は関西フィルとリハーサルで「運命」。 関西フィルとは今まで何度も取り上げてきたけどこの曲は本当に難しい。 デビューしたての頃、初めてこの曲を振ったときは全然うまくいかなかった上に、なんと七日間連続で、僕はもうノイローゼ状態。真剣に指揮者やめようと思った。 七回振り終わったあとは僕の右側の頭の髪の毛が白髪になってたくらいだった。 難しいのは変わらないけれど、関西フィルとは今まで何度もやってきてるので関西フィル&藤岡の形はできてる。あとはそれをどこまで突き詰めるかだ。 難しいけど本番が楽しみ。 ところでベートーヴェンの五番を 「運命」 と呼ぶのは日本だけだ。留学した頃は 「運命」 なんて呼ぶのは日本だけのニックネームだから止めるべきだ なんて思ってたけど、今ではよくこの名前が定着したなぁと感心するし、それはそれでいいと思ってる。 このニックネームのおかげでこの曲はたくさんの人に知ってもらえたわけだし (今回橋本で演奏するけどコンサートのチケットは2ヶ月前に完売してる)、 日本ほどこの曲をコンサートで取り上げる国は無い=この傑作を指揮するチャンスがたくさんある、というわけだ。 最もこの曲を指揮するのは神経使うし体力がいるのですごく疲れるけどね。 日本独自のニックネームのある曲は他にもいろいろあるけど、わかりやすいのがショスタコーヴィッチの五番 「革命」 。誰がつけたのか知らんが、"運命" の二十世紀版で "革命" ・・・・ なんて安直なんだろう。でも嫌いじゃない。何を隠そう、僕は中1のころにこの名前に惹かれて初めて ショスタコーヴィッチを聴いて感動した。「革命」の名前がなきゃ、ショスタコーヴィッチを知るのはもっと後だったと思う。 名前によって勝手なイメージができるという弊害があるかもしれないが、いざ聴く段階になれば曲のイメージはその演奏の方がはるかに影響力をもつし、 何よりよりたくさんの人に聴いて欲しい。ベートーヴェンもショスタコーヴィッチも苦笑いはするだろうけど怒りはしないだろう。 ベートーヴェン「運命」の話 その2(2011/5/30)はこちら それではみなさんコンサートでお会いしましょう! そうそう、2月3日に関西フィル 「友の会」 の会員のみなさん対象に 僕が主催するパーティーをします! 「関西フィル友の会」に入って関西フィルを年間聴いてみませんか? プログラムも魅力的だし客演する指揮者やソリストのみなさんも本当に素晴らしい方ばかり。それに関西フィルの良さがもっとわかる! パーティーでみなさんとお話できるのをめっちゃ楽しみにしています! 締め切り日まであとわずか!お待ちしています! 藤岡 幸夫 |
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2008/01/07 みなさんこんにちは。 おふくろの告別式の葬儀ミサも無事終わりました。 たくさんのかた達が参列してくださり本当にありがとうございました。天国のおふくろも喜んでくれたと思います。 目白のカテドラルは僕にとって思い出の詰まった場所。 原点回帰、さらなる飛躍を心に誓う。 さて、明日から関西フィルとリハーサル。 今月はまず13日(日) 、14日(祝) が毎年恒例の 城陽 と 橋本 のニューイヤー! 城陽は以前にも書いたけど素晴らしい音響のホールで年間を通じたお付き合い。昨年末の 「第九」 のみなさんに会えるのも楽しみ。 僕がウィンナーワルツ系のニューイヤープログラムを振るのは城陽だけです! 城陽の次の日は歴史ある橋本で 「運命」。橋本は関西フィルと付き合い初めて最初にコンサートした思い入れ深い街。今回で9年目かぁ…。楽しみです。 18日(金) は2ヶ月ぶりの広島交響楽団とニューイヤー。こちらは華やかなオペラティックプログラム。 20日(日) は関西フィルとこちらも毎年恒例の水口でニューイヤー。去年はすごい盛り上がりで、今年はギターの村治香織さんと久しぶりの共演。 現地のボランティアスタッフのみなさんに会えるのも楽しみ。 27日(日) は 古巣の日本フィルとサントリーホールでニューイヤー。 「新世界」 に 「ボレロ」 という豪華プログラム。 2月2日(土) は一年ぶりの東京シティフィルと本拠地ティアラこうとう (素晴らしいホール!!) で 「ベートーヴェンの一番」 と 「シベリウスの二番」 という、僕的には今年最も気に入ってるプログラムのひとつで絶対必聴のコンサートです。 それではみなさんコンサートでお会いしましょう!! 藤岡 幸夫 |
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2008/01/03 「Sachioの独り言」 みなさん新年いかがお過ごしですか? 今年の抱負みたいな話しは改めてするとして、 実は昨日からインフルエンザでぶっ倒れてます。 ソファーに横になって半分うつらうつらしながらテレビつけたら 噂の 「のだめカンタービレ」 をやってた。 実は観たの始めて。 なかなかよくできてるし、とにかくこういうドラマ (マンガ)が流行る日本ってすごい文化大国だね。 いいことだと感心してしまった。 テレビのせいかタミフルのせいなのか、 昨日の夜中はプラハのコンクールを受けに行ったときのすごく鮮明な夢をみてうなされてしまった (笑) 。 それではまた。 藤岡 幸夫
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