関西フィルハーモニー管弦楽団 第172回定期演奏会」

会場:2005年3月25日 ザ・シンフォニーホール(大阪市)
指揮/ゲルハルト・ボッセ  ヴァイオリン/中島慎子(なかじま・ちかこ)
(コンサートマスター/ギオルギ・バブアゼ)
シューベルト/「ロザムンデ」序曲
シュポア/ヴァイオリン協奏曲第8番「劇唱の形式で」
ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」

藤岡さんのいないとき藤岡さんの楽団のレポートです。関西フィルの今年前半の定期演奏会はロシア・ソヴィエトものが集中しているのですが、今回だけはその色がない定期演奏会です。ボッセさんは指揮活動に先行して長年ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートマスターを務められた方です。2003年を皮切りにベートーヴェンの交響曲を擁して関西フィルの定期演奏会に登場。今回がその3回目になります。80歳はとうに越えておられますが、お歳相応以上にお元気で指揮台の上での運動量も多かったです。編成はすっきり少数の管楽器とティンパニ1組しかない打楽器に対して、弦楽器は第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの順に最大14,12,10,8,7人でした。

・シューベルト(1797-1828)/「ロザムンデ」序曲
今回の最も奏者が多かった曲。重々しく風格ある響きに満ちた演奏で、関西フィル的には堂々としていました。沼田さんのフルートのソロが綺麗でした。
・シュポア(1784-1859)/ヴァイオリン協奏曲第8番「劇唱の形式で」
舞台上の団員の数は減って、管楽器と打楽器で6人、弦も減って…とはいえ10,8,6,6,4人。ルイス・シュポアはこれをお読みの方の多くは聞いたことがない名前だろうと思います。私も今回のプログラムが発表されるまでは名前を聞いたことがある程度でしたが、あるCDの解説によると生前は指揮やとりわけヴァイオリンでも一世を風靡した人のようです。今回のプログラム・ノートによると要は初演の事情で簡素な伴奏になるため、代わりに独奏ヴァイオリンに歌劇のプリマの様な役を与えようとしたということらしく、切れ目のない曲の中でヴァイオリン独奏がドラマティックに長く歌っていなければいけない曲でした。中島さんがこたえきってしっかりがっちり演奏、拍手がはじまると同時に舞台上でも楽団員が足を踏み鳴らして賛辞を送っていました。
・ベートーヴェン(1770-1827)/交響曲第6番「田園」
再び弦楽器がフルに戻って、木管はオーボエ、ファゴット、クラリネットが2人ずつ、フルートとピッコロで3人、金管はトランペット、トロンボーン、ホルンが2人ずつ、それからティンパニ。たいへんに知られた名曲ですが、これを適度な緊張感をもってきちんと演奏したと思います。第1楽章で緊張感が勝ちすぎになったところと後半の金管に不調のところはありましたが、見どころをちゃんとしつらえた庭園か楷書体の正調の演奏と言うべきところかなと思います。
以上です。


        2005年3月26日  Fu(ふ)



いつもありがとうございます。
僕ボッセさんのコンサートって一度も行ったこと
ないんですよ。
でも、とっても評判が良いので是非行きたいなと
思ってるんです。
またメールお待ちしております。




藤岡幸夫

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