第148回定期演奏会 11月16日(金) 

指揮/飯守泰次郎
ヴァイオリン/梁美沙

ブルッフ ヴァイオリン協奏曲 第1番
ブルックナー 交響曲 第7番(ノヴァーク版(一部改))

今回は京都市交響楽団の定期演奏会(スペインものという私にとっておいしい曲目)と ぶつかってしまい、厳しい選択。来年の定期ではブルックナーはないし成長の早い時 期だけに梁美沙嬢を今のうちに見ておこうということで関西フィルを選んだものの、 せめて定期演奏会くらい各オーケストラ間で調整できないものかという気がしないで もないです。今回のコンサートマスターはギオルギ・パプアゼさん。川島さんはお休 みですが、一般客然として会場に居られました。

・ブルッフ ヴァイオリン協奏曲 第1番
青のドレスの梁美沙嬢登場。「FMリサイタル」の放送で1曲だけ聴いたときは傷口に 更に刃を立てるような、鋭さとある種の陶酔感のある音でしたが、今回は鋭さが隠れ たかわりに深みのある美しさという点での陶酔が増加した感じです。いずれにしても 14歳にして小悪魔的蠱惑的な魔性のある演奏で、将来が怖いくらいという感じです。 彼女のイメージは「月」。清(さや)けしにもルナティックにもなるかもしれません。 飯守さんが気合いの声をかなり出しつつ満足そうな表情で頻繁に美沙嬢の顔を見なが ら指揮棒を振っています。ソリストの思うままに弾いてもらってそれに合わせて指揮 をしている感じです。終わった後指揮台をタクトでタタタタタンと叩いて美沙嬢を讃 える飯守さん。舞台の上でも弦楽セクションを中心に拍手が延々続いて、コールは5 回。私の席の周囲からいろいろ感想が出ていたので地獄耳にして拾ってみると…「う まいですねー」「いつもより感情的な演奏(熱心なファンの方?)」「かわいくてヴァ イオリンが大きく見える」「本当に小さい頃から知っていますが…(ご近所の方?)」 「将来楽しみ」等々。

・ブルックナー 交響曲 第7番
東京シティフィルハーモニーとのCDもリリース。常任指揮者飯守さんのブルックナー です。大阪には大阪フィルハーモニーに音楽総監督朝比奈隆、大阪センチュリーに常 任指揮者高関健、そして関西フィルハーモニーに飯守泰次郎、というブルックナー指 揮者が揃った陣立てでブルックナー党員にとってはたまらなく幸せ、アンチ・ブルッ クナー党員にとってはたまらない悪夢の様相を呈している様な気がします(^_^;)。周 囲からもお名前が出ていたのですがブルックナーの演奏については朝比奈さんが別格 として君臨されていますし、大阪の場合ライヴでの基準といえば朝比奈さんという方 も多そうな気がしますが(もちろん統計をとったわけではないですが)、私も同様です 。第7番も朝比奈さんはハース版主義ですので、ノヴァーク版を聴いたことはCDでも 放送でもありません。今回はそのノヴァーク版に飯守さんが他の版からの変更を入れ たというものです。ハースとノヴァークの最大の違いはノヴァークには第2楽章の頂 点に大々的にティンパニ、あとはシンバル、トライアングルが入っていることですが 、ちょっと盛り上げが無理矢理というか、けたたましかったですね。せいぜいそこそ このティンパニ位で良かった気が。ハースの方を私は採りたいと思います。演奏はと いうと、高音が効く、速い、若い(基準が基準だけに…(笑))というところで、確実に 出来るところで安定度高く手堅くまとめた感じ。また室内楽みたいな感じがより強か った気がしました。第3楽章が締めて練り上げた感じが強く(これが飯守さんの持ち味 の気がして)、一番良かったと思いました。やはり名匠、藤岡さんとの格の違いを見 せつけ(^_^;)、コールは3回か4回。

終演後、席を立つと近所では小学校低学年位の姉妹が「眠いよぅぅ」を連発、その近 所にもう1人お嬢ちゃんがいて、こちらも眠そうな表情で目をこすっています。本人 たちは梁美沙おねえちゃん(?)目当てで親御さんはブルックナー目当てだったのでし ょうか、何となくわかる情景です。
そして、ホールの入り口の階まで降りてくると、藤岡さんの姿が。ご挨拶させて頂き ましたが、藤岡さんも忙しく何となくお疲れみたいですね。どうぞご自愛の程を。
                 2001年11月16日  Fu(ふ)

追伸(11月20日):
吉松隆さんの交響曲第4番他のCDを買いました。拝聴させて頂きます。







こんにちは。いつもありがとうございます。 僕は前半聴けなかったの残念!
残念ながら演奏会の各オーケストラの調整は無理でしょうね。
指揮者やソリスト、それにホールがかかわってくるとそれだけ
で大変なんですよ。またメールお待ちしてます!








藤岡幸夫

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