小野のコンサートはあったかさに満ちていました。

各停電車に乗り継いで17個目、家を出て3時間。
車窓に色づいた柿の実や稲穂が見え、アーケードのある商店街を歩くと
小学生の制帽を置いている店・靴屋さん・洋服屋さん・刃物研ぎ屋さん
が軒を並べています。
何人もの方に道を尋ねながら、都会の雑踏の中で同じ事をして「ギョッ」
とされたことを思い出し、人々はドーナツ化現象的に何か大切なものをこ
ぼしてのかもしれないと思いました。
シンフォニーやいずみホールで極められた音を姿勢を正して聴きに行くの
も清冽で好きだけれど、こうして足を伸ばしたいのはその土地の風景や人
に迎えられるのが心地良いからかもしれません。

「白鳥の湖」はお話付きのハイライトではなかったので、チャイコフスキ
ーの怒涛にまみれるという印象は得られなかったけれど、「鯉のぼり」を
聴いていると、おとうさん・おじいさんと呼ばれる方もいらして、面々と
続いてきた日本の良さにセンチになりました。
そして改めてクラシックは多面的なものだと感じました。

最後にオーケストラと一般の愛好家が一緒に演奏するという「星条旗よ、
永遠なれ」
休憩時間に楽器をあらかじめ用意して前列に固まっておく・・・なんて
こともなく、あちらこちらでおもむろにケースから取り出し譜面台を立
てる。
準備が整うまでみんながそれを待っている「間(ま)」も優しさを教え
ることかもしれません。
ステージと客席が藤岡さんのタクトで1つになり、のりのりでしたね。
オケメンバーと聴衆が同じレストルームでバッタリなんてのも楽しい。

帰りは三ノ宮まで急行バスに乗った方が速いと勧められ、夜のバスに乗
る。
何の関係か予定の時間の倍かかって到着・・・あれれ。
けれども故郷には「子を想う親の情」があるように結果ではないと思い
ました。

藤岡さんも連日のコンサートでお疲れだったと思います。
関西フィルのみなさん、合唱団のみなさん、スタッフのみなさん
ありがとうございました。


          2001年10月8日 秋津






こんにちは。僕も小野の町並みが好きなんですよ。
貴方の気持ちすごくわかります。
僕もホールに入ったとき、入口で小学生が正座したり、横に
なりながらメンコみたいのをやってたりして(その会話がカ
ワイイ!)、ホールの横にある大きな池?もいい味だしてて、
ホントいいですよね。
お客さんもあたかかくって、少しでもクラッシックファンが
増えてくれたらと思います。
3時間もかけてありがとうございました。








藤岡幸夫

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