暑中お見舞い申し上げます。

本当に猛暑です!!家の犬も今月初め、老衰で18歳でなくなりましたが、
この暑さも引き金になってる気がします。

昨日、朝比奈隆さんの演奏会、サントリーホールで聴いてきました。
中ちょっと一息いれて、ぶっ続けで1時間半、とても満足でした。演奏開始
のあの静けさは、まるで海辺の波の音が瞬間に空間に吸い込まれていくよう
な感じでした。
初めが肝心ってことなのでしょうか。演奏終わったあとは20分ぐらい、壇
上に観客が駆け寄っての惜しみない拍手のなか深々と会釈をされ、皆さんの
拍手も本当に愛情と尊敬の念に満ちているものでした。演奏もいまだ自分の
耳が肥えていないのですが、とてもメリハリのあるモダンな感じを受けまし
た。あれだけのご高齢で現役で本当にすごい・・・僕も息の長い仕事を心が
けるつもりです(笑)待つ勇気・・・。人生80年で計算すると、365日
×80年で、29200日。三万日切ってしまいます。日数だと意外と少な
いんですね(笑)やはり無為には過ごせないぞ!

吉松さん映画音楽?やるのですか?よくNHKの教育で吉松さんの曲ちょっ
としたBGMで流れてますけど、すぐわかります。モーストリークラシック
で画家の千住博さんも社会全体について書かれていたけど、我々は20世紀
は根本的に勘違いしちゃったかもって・・・芸術は進歩するものと。確かに
かなり前から、僕なんかも正直、前衛絵画とかって、もううんざりかなとか
思っています。好きだし、いいんだけど、それだけが至上だみたいな姿勢が
問題なんだよと。ここ50年芸術家はうんちくたれすぎたよなあ・・・実は
写真とかが登場して、絵描きが焦った結果の苦肉の策の前衛だったりしてと
か意地悪な見方もありかなとか。結局、人間という所詮サルが自然から遊離
しすぎた為、ギャップを埋めるハーモニーを求める作業が人間的な見方で芸
術と呼んでいるだけかなとか。現在の一部の都市の仕事のように機械を動か
す為だけに人間が働いている現実は、今後ますます自動化が進めば、人は必
要なくなり剥がれ落ちてしまう。その間はいろんな音や映像が商品として同
時に生まれては消える。ちょうど、いろんな薬がでれば、副作用もあるよう
に。ITとてキーボードでカチャカチャ打ってるのがそんなに進んでいる媒体
とは思えないし、これで革命起こそうというなら今の何千万倍の容量の回線
が必要だろうし、光ファイバーでもすぐパンクしちゃうだろうし。未来はあ
るの?

では、この21世紀はどうなるんだろう?これだけ,代償満足的商品や映像
や音があふれているなか、個々がリミックスして映像や曲をアレンジして楽
しみ最終的にはホワイトノイズになるかもしれないけど、結果的に振り子の
ように揺れ動きながら進み、芸術とかハイテク技術はひとつになっていくの
かも・・・理想的にいけば。すると文化とか芸術とかは今の人間の生み出す
過渡期のものではないのかとか。人口爆発も考慮すると21世紀の予測なん
てさっぱりわからないけど。政府予測もあてにならない。もしかしたら、地
球はそうとう住みにくくなるのがわかってるから、脱出目的も兼ねて宇宙開
発なんかしちゃってるのかもしれないなあ・・・本気で火星とか月に住む気
かも。水があるって認めたし。考えたってはじまらないってのがポイントか
なあ(笑)でも、今、生きてる人ってのは相当エキサイティングな時代に生
まれてるから、楽しまなきゃって思います。ハラハラドキドキの連続です。

この夏もサイトウキネンに誘われていく予定なのですが、その松本の創業3
00年の大きな老舗旅館の浴衣のデザインに僕の柄が採用されたので、そこ
に泊まって女将とかお客さんのちょっとしたなにげない本音の感想を聞いて
くるつもりです。内心、恐いんですけど。

吉松さんの個展チケット取ったのでいまから楽しみです。藤岡さんの演奏会
毎回ちょっとしたお客さんの言葉聞こえてきますけど、「ホント来てよかっ
たー!!」とか、「藤岡さんかっこいい」とか、人って感じることはだいた
い同じなのかもしれません。でもそういった共通点がないと芸術とかって意
味ないですよね。自分たちだけわかっても仕方ないし。感動って人と共有す
るものだし。

毎度、長々取り留めのない話になってすみません。でもこうして、気軽にメ
ールが打てるなんて、10年前は想像できなかった。多様性を残しながらの
グローバル化が進んでいろんな垣根が取れれば一番なんですよね。全てが均
一になってはまず面白くないから。全部が高層ビルではつまらないです。

夏休みはどう過ごされるのですか?
なにせ、猛暑なので日本にいる間はお体に気をつけてください。
それでは、またメールします。




                2001年7月25日 片山 卓




こんにちは。
吉松さん映画音楽は多分今回がはじめてじゃないかな。
でも映画が生まれてから多くのクラッシックの作曲家が書いてますよ。
ショスタコーヴィッチなんかめちゃくちゃ冴えてますよ。
10月のコンサートお楽しみに!





藤岡幸夫

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