2010年12月分
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2010/12/31 今日は大晦日。あっという間の1年でしたね。 今年も本当にたくさんの方々に応援していただきありがとうございました! そしてこのサイトの管理人さんにも心から感謝です。また来年もよろしくお願いします! 一昨日は作曲家の冨田勲先生に美味しいお酒と料理をご馳走になった。出来上がったばかりの「源氏物語幻想交響絵巻」のサンプルCDを頂いたが、その音楽はタイムスリップしたような素晴らしい雅な世界!! ライブでやってみたい…!! それにしても冨田先生はとても78歳とは思えず少年のよう。 昨日は中学のクラスメイトの男子3人で忘年会。 同級生って本当にありがたい。お互いなんの遠慮もなくて癒されたり元気をもらえたりして楽しい。それにいろいろな思い出が蘇る。昨日もすごく楽しくてリフレッシュできた。 さてさて東京の休暇はあっという間で今日は大阪に帰ってカウントダウンコンサート。 それでは皆さん良いお年を!! 藤岡 幸夫 中学時代のクラスメイト。左がラグビー部のエースの良塚くん。右が野球部のエースの谷口くん。当時は仲良いわけではなかったから33年前を思うとこの3人で飲むなんて信じられない。関西フィルの東京公演に来てくれたのがきっかけ。すごく楽しかった。歳を重ねるのは素敵なことだ。 |
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2010/12/30
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2010/12/29 まずは26日の吹田の第九のコンサート、チケットも完売でたくさんのお客様ありがとうございました。 一曲めの地元中学校の皆さんと関西フィルと共演のジュピターはみんなすごく上手になってびっくり。子供は成長が早い。演奏してるときのみんなの笑顔に癒されました。 吹田の合唱団は今回は5年目で人数も毎年増え続けて280人で雰囲気も最高だけど、正直言って今年はもっと良くなってたはず。 ポテンシャルは充分あるので来年は次のステージを目指して気合いを入れて頑張りましょう。ソリストの皆さんもありがとうございました。 吹田メイシアターのスタッフの皆さんの熱意が素晴らしく、今年も一年を通じてメイシアターといろいろ出来て良かった。来年も吹田メイシアターとどんなことが出来るか楽しみにしてます。 まずは七夕コンサートですね! 翌日の月曜日は関西フィルとリハーサル。 とにかく関西フィルは年末、年始の休み無く超多忙。本当に頭が下がります。 関西フィルの皆さん、今年も一年ありがとうございました! 昨日は1ヶ月ぶりに東京に戻ってきた。久しぶりにちょっとのんびりして、大晦日は大阪に帰って帝国ホテルのディナーショーで、関西フィルブラスとカウントダウンコンサート。 関西フィルブラスもずいぶん依頼公演が増えて嬉しい。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 吹田第9の最年少のソプラノの女の子。合唱団は地元中学の合唱部も参加したりして年齢層も幅広く将来的にもすごく楽しみ。来年はどこまで成長できるか楽しみにしてます! ※12/26 吹田第九公演のevent reportはこちら |
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2010/12/25 メリークリスマス!! 今日は関西フィルと毎年恒例のシンフォニーホールでのクリスマスファンタジア。補助席まででて満席。本当にたくさんのお客様ありがとうございました! 今年でこのコンサートが11年目。ありがたいことです。毎年とっても明るく温かい雰囲気で癒される。関西ならではですね。 さてさて明日は吹田で関西フィルと第9。5年前からスタートした吹田の第9合唱団も今年は280人。どこまで進化が続くか楽しみです。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 PS 昨日のイヴはかみさんとミナミにしゃぶしゃぶを食べに行ってその後御堂筋のライトアップを見てきた(予想以上に綺麗でした)。今日はかみさんと新地でうどんすき鍋。やっぱり和食が一番ですわ。 |
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2010/12/24 「クリスマス・プレゼント」 僕は高校二年まではクリスマスは必ず家族と一緒で、ミサに行くのを毎年楽しみにしていた。 高校三年からの青春時代に突入後は、クリスマスになれば彼女とどう過ごすか真剣に考えたもんだった。 車で流すクリスマス専用のカセットテープを編集して、行くお店もドライブコースも吟味して・・・・。 ところで小学校6年まで僕はサンタクロースを信じてた。イヴの夜は教会に行って次の日の朝にプレゼントがツリーに置いてあって・・・。 あと年末恒例のベートーヴェンの第九のコンサートもクリスマスとマッチして大好きだった。 僕は10歳のころから指揮者になりたいと夢みてたマセ・ガキだった。 中学1年のクリスマスに指揮者の小沢征爾さんが目白の大聖堂で第九を振るコンサートのチケットをおふくろがプレゼントしてくれた。 僕のおふくろの従兄弟がその大聖堂で神父様をしていて、小沢さんの第九のコンサートのリハーサルをこっそり見せてくれた。 柱の影で寒くてかじかみながら 生まれて初めてみたプロのオーケストラのリハーサルと指揮台のOZAWA。 的確な指示を飛ばしながらオーケストラをぐいぐい引っ張っていく指揮姿に、冷えていたはずの僕の身体がどんどん熱くなっていく。 そして・・・全身鳥肌が立って口もきけなくなっていた・・。 僕の身体全体が、それまでの「指揮者になりたい」という気持ちから「指揮者に絶対なる!!」という決心に変わっていた。 あの鳥肌は神様がくれたクリスマス・プレゼント。 仕事が上手くいかなかったり何かあると、必ずあのときの鳥肌を思い出す。 今でも僕の最高の宝物・・・・。 毎年この時期に必ず一回は思い出す僕の大切な思い出です。 (2007年に書いた文章です) 目白の大聖堂 明日は毎年恒例のシンフォニー・ホールでの「クリスマス・ファンタジア」です。お楽しみに・・! 藤岡 幸夫 |
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2010/12/23 今日は吹田の合唱団と最後のリハーサル。さすがに前回よりずっと良くなってきた。 あとは各自がどこまで磨きをかけるかだ。あと2日で280人の各自が5%向上しただけでも合唱団全体として凄い向上になる。 26日はチケットは完売。合唱団の雰囲気も最高。あとは皆さんの努力とミューズの女神次第…! 本番すごく楽しみにしてます! 藤岡 幸夫 |
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2010/12/22 Sachioの独り言 「体重」 僕のウェストはこの25年ほとんど変わらない。それでも体重は年間を通じて5キロくらい上下してる。 毎年12月から3月の4ヶ月のスケジュールが超ハードでここで4キロから5キロ減る。ちなみに今年は4月の時点で7キロも減ってて、さすがにみんなに心配された。 毎年大体4月から8月終わりまでの薄着の時期は落ちた体重をキープして、秋からまた体重が増えて、12月から体重が減るのがローテーション。 今年も12月に入って、ミサソレムニス、第9、ウォルトンの1番で3キロは減る予定だったが1キロちょっと増えてる…。これは山形の食事が美味しかったせいだ。 とにかく山形の新しいお米の「つや姫」が本当に美味で、普段より米を食べ過ぎてしまった。 まあ来年は2月の日本フィルとの九州演奏旅行でベートーヴェンの7番を11回も振る(「のだめカンタービレ」の影響。あり得ません 笑 )ので、10キロくらい平気で減りそうなので心配ない。 皆さんも山形の「つや姫」是非ともお試しください。 藤岡 幸夫 山形から大阪に向かった日は天気が良く飛行機からの眺めが最高でした。北アルプスの美しさに息を呑みました。 |
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2010/12/21 昨日はお馴染みの奈良100年会館で関西フィルとクリスマスコンサート。月曜にもかかわらず3階席までたくさんのお客様本当にありがとうございました! 親子で楽しんでくださってる姿をみると僕達も嬉しくなるし、威風堂々の客席との共演もリコーダーやピアニカだけでなくヴァイオリン弾く子やマラカス、カスタネットやらたくさんの方たちが参加して楽しかった〜! 皆さんありがとうございました! 奈良県とは「なら100年会館」とタッグを組んで、オーケストラコンサートだけでなく、関西フィルのプレイヤーが学校訪問するなど年間を通じたお付き合いができて本当に嬉しい。 ホールの熱いスタッフの皆さんにも本当に感謝です!! 来年4月3日には関西フィルの「なら100年会館」での第2回奈良定期でベートーヴェンの交響曲3番「英雄」を取り上げる。 これからの関西フィルと奈良の皆さんとの未来がとても楽しみです! さてさて今週は25日が毎年恒例のシンフォニーホールでの「クリスマス・ファンタジア」、26日がこちらも毎年恒例のメイシアターで「吹田の第九」です。どちらも毎年たくさんのお客様ですごく盛り上がるので楽しみ。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 ※12/20 奈良公演のevent reportはこちら |
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2010/12/19 山形交響楽団との3年ぶりの庄内定期と山形定期。山響素晴らしかったです。 ヴォーン・ウィリアムスのタリスでは弦楽器の響きが本当に美しく、ウォルトンの1番では難曲にもかかわらずリハーサル初日からクオリティが高く(リハーサル前は覚悟してたけど心配無用でした)、本番では山響と僕のやりたい音楽になってたし完成度も高かった。 ブルッフのソロを弾いた二村英仁君も品格の高い素敵なソロでブルッフが新鮮だった。 それから山響のお客様がすごく山響を愛してるのが客席から伝わってきて、素晴らしいことだなぁと感激してしまった。 とにかく山響は温かく真摯。すごく楽しい1週間でした。 皆さんありがとうございました。 親友の飯森範親が音楽監督になって大躍進の山響。ここまでクオリティを高めるとは凄いことと感心したし、いい刺激をもらってきました。 さてさて今日は大阪に帰って明日はお馴染みの奈良100年会館で関西フィルとクリスマスコンサート。「魔法使いの弟子」「鐘」「威風堂々」他音楽の宝石箱を楽しんでいただきます。是非とも親子で楽しんでください。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! PS1 二村君は実は絵も上手く、あちらこちらの楽屋の入り口に絵を書いてくれました。また共演できるのを楽しみにしてます。 PS2 噂の山形の新しいお米の「つや姫」最高に美味しくてびっくり!!我が家もこれからは「つや姫」にすることにした。皆さんも是非とも試してください! 藤岡 幸夫 ※12/17、12/18山形交響楽団公演のevent reportはこちら |
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2010/12/18 昨日の山形交響楽団との酒田(希望ホールは本当に素晴らしいホール!)はすごくいい演奏会でした。 今日の山形の本番も気合いが入ります。 演奏会後に団員さんと山響ファンクラブのかたたちと打ち上げ。僕の右側がチェロ首席の小川君、左がソロの二村君、後ろがコンサートマスターの高木君。反対側はクラリネットの大友君です。 藤岡 幸夫 |
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2010/12/17 昨日は山響と3日めのリハーサル。二村くんとも久しぶりの再会。リハーサル後に天童市に移動して藤岡幸夫ファンクラブ(2年前に第九で共演したのがきっかけ。ありがたいことです)の皆さんと食事会。かみさんも一緒に美味しい料理とお酒をご馳走になってすごく楽しかった!皆さんありがとうございました。帰りに温泉にも入ってきて最高でした。 今日は酒田に移動して本番。びっくりするくらい素晴らしいホールなので楽しみです! 藤岡 幸夫 |
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2010/12/16 山形交響楽団のリハーサル2日めが終わったところ。ウォルトンもヴォーンウィリアムズもみるみる音が変わってすごくいい感じできてます。山形交響楽団の音楽監督は親友の飯森範親で、彼が本当に素晴らしいオーケストラに育てたなぁと実感。 今日のリハーサルではブルッフのソロを弾く二村英仁君との再会も楽しみ。 それからとにかく食事が美味しい。昨日はオーケストラの忘年会に参加してちょっと飲みすぎました。 本番がすごく楽しみです。県外の方も観光がてら聴く価値絶対あります。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 いつも山形に来るとヨーロッパの香りがする。美しい建物の県庁とその隣がリハーサルする文翔館。タイムスリップしたような素敵な雰囲気。 昨日の忘年会では騒ぎました…。 山形は雪です。ホテルの朝食を食べるレストランからの景色。 |
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2010/12/13 フェルメールの「牛乳を注ぐ女」の想い出の話 毎年12月になって街にクリスマスのイルミネーションが華やかになりあちらこちらでクリスマス・ソングが流れだすと3年前におふくろが天国へ逝った時のことを思い出す。 3年前の11月の末におふくろが突然末期の癌とわかって入院したとき、僕は大阪アカデミー合唱団とヴェルディのレクィエムのリハーサルの真っただ中で、合唱団と関西フィルとのリハーサルの合間をぬって大阪と東京の間を行き来してできる限り東京の病院に通った。クリスマスイヴには妹たち家族全員と病室に泊まることができてその翌日、25日のクリスマスの朝におふくろと2人だけになる時間ができた。 幸運にもおふくろの意識が戻ってて、僕の話に目を閉じながらうなずいていた。このとき僕は手を握りながら、「指揮者にしてくれてありがとう」とお礼を言い「ずっと愛してるからね・・!」と初めておふくろに「愛してる」と口にした。もうすぐ天国からお迎えがくると分かっていたおふくろは、閉じた目から涙を流しながらうんうんと何度もうなずいていた。 この時間は、神様が二人にくれたプレゼントだったんだなぁと思ってる。 このあと意識はほとんど戻らないまま27日に亡くなった。 僕は子供のころからいつもおふくろに怒られてた。大学生のころには、僕のあまりに自由奔放でめちゃくちゃな生活に呆れ果てて半年以上も口をきいてくれなかったこともあった。敬虔なクリスチャンでピアノも上手だったおふくろはとにかく質素で真面目だったのだ。 大人になってからもしょっちゅう怒られた。最後に怒られたのは僕が「キリスト教の典礼文になんで右側っていう言葉がよく出てくるの?」と聞いたときで、「アナタそんなことも知らずによく指揮者になれたわね!あぁ情けない・・・!」 「あぁ情けない・・!」は昔から僕を怒る時の決まり文句だった・・。 この「牛乳を注ぐ女」はおふくろが大好きだった絵で、病室の壁に十字架と一緒に飾ってあってよくベッドから眺めてた。堅実に生きる女性の美しい姿を観てたのだと思う。この絵を見てるとなんとなく「あぁ情けない・・・」という声が聞こえてくるようで心が柔らかくなる・・。 大阪のいつものホテルであの時と同じ大きなクリスマスツリーを眺めてたら、なんとなくこの絵を見たくなって(インターネットって便利ですね)ついでにこの文章を書きました。長文読んでくださってありがとうございます・・。 それではまた・・・。 藤岡 幸夫 |
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2010/12/12 ヴォーンウィリアムスとウォルトンのスコアに浸ってる。 イギリスに住んでた頃がすごく懐かしい…。 タリスの主題による変奏曲は弦楽オーケストラ作品の中でも最も好きな曲のひとつ。 ウォルトンの交響曲1番は強烈な音楽。ジョンウィリアムズが好きな人には是非とも聴いてみてほしい。スターウォーズはこのウォルトンの1番からのパクリだ。最もこのウォルトンの1番もドビュッシーからパクリがあったりして面白い…。パクリは全然悪いことじゃない。古くはベートーヴェンだってハイドンからずいぶん盗んでるし、芸術の世界では最初は当たり前で、要は若い頃はパクリも肥やしにしてどこまで自分の世界が創れるかだ。 山響のレスポンスは抜群なのでコンサートが今から楽しみだし、山形の人達はみんな明るくて温かい。関西のラテン系とはまた違う北国の温もりを感じる。 美味しい食べ物もたくさんある。 今から気合いが入ります。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 |
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2010/12/11 1ヶ月ぶりに2日間続けて大阪大学交響楽団とリハーサル。学生オーケストラとしては僕の知る限りトップレヴェルで、みんな優秀だし真面目で前回の反省点をちゃんと修正しようとしてきてる。明るく熱いところもあって昭和っぽいところがあるのも嬉しくなる。 その一方でアマチュアの限界も見えてくる。音程と音色がもっと良くならないと音が拡がらない。 みんなまだ「弾いて(吹いて)」合わせてる感じがする。「歌って」合わせる意識が強くなればもっとフレージングも自然になるし音色の引き出しも増える。阪大のオーケストラサウンドがどこまで豊かになるか?もう良くならないのか?来月楽しみにしてます。 ラフマニノフの2番は久しぶりで、甘いメロディが C dur だったりしてちょっと恥ずかしいのだけど、それがすごく気持ち良い…。 先週から第九にミサ・ソレムニスという高貴で深い世界にいたので、ラフマニノフの世界がまた凄く新鮮だ…。 来週は山形交響楽団の定期でヴォーンウィリアムスにウォルトンと英国音楽に浸ってきます。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 |
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2010/12/09 昨日はスコアを読むのは午前中で終わりにして昼から(ミサ・ソレムニスが鳴りっぱなしの)頭の中を入れ替えるためにスイッチを切った。 梅田をぶらぶらして久しぶりに買い物。お気に入りの阪急でセーターやらシャツやらの他にカバンを買ってみた。 僕は普段はホテルの紙袋を使うのだけど、関西フィルの団員さんや、いろんな人たちにお願いだから紙袋はやめてくれと言われ続けて10年近くになる。ついにカバンを買った…けどやっぱりホテルの紙袋の方が軽いし、どんな大きさのスコアでも入るから便利な気がするなぁ……。 買い物の後はジムに行って、夕方早くから最近見つけたカウンターのしゃぶしゃぶで独りでいっぱいやって(本当は蕎麦屋に行きたかったけど栄養失調になりそうなんで)、部屋に戻って軽く飲みながら昭和の映画を観て早寝。おかげで今日は明け方から勉強がはかどる。 来週の山形の定期がすごく楽しみだ。 今週は大阪大学とのリハーサルが続く。前回は予想以上の出来だったのでこちらも楽しみ。 それではまた…! 藤岡 幸夫 |
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2010/12/08 昨日はシンフォニーホールで大阪アカデミー合唱団とベートーヴェンのミサ・ソレムニス(これまでに、ハイドンの天地創造、ヴェルディのレクイエム、ハイドンの四季をやってきて今回は4度めの共演)。補助席まででてたくさんのお客様ありがとうございました。 大阪アカデミー合唱団、合唱団を育て上げてる川端先生、これまでに何度も共演させていただいてるソプラノの並河寿美さん、アルトの福原寿美枝さん、テノールの畑儀文さん、バスの井上敏典さん、そして関西フィル、みなさん本当に素晴らしかったです。ありがとうございました! アカデミー合唱団は本当によく頑張った。僕もいろいろ言いたいことを言ったけど、凄い難曲なのに川端先生の素晴らしい指導の下でアマチュア合唱団としては最高の出来だったと思います(助っ人を全く使わない合唱団です)。 何度も一緒に共演させていただいてる素晴らしいソリストのみなさんのソロとアンサンブルもすごく美しかったし、コンサートマスターの岩谷君のソロも素敵で、関西フィルの完成度も高かった。 僕はミサ・ソレムニスを振るのは初めて。正直欲を言いだしたらきりがないし、満足なんて商売柄できるもんじゃないけど、でも昨日は指揮台の上ですごく幸せだった。こんな感触はデビュー以来初めてかもしれない。終わったあとにテノール畑さんも幸せでしたと言ってくださったりしてそれもすごく嬉しかった。 ベートーヴェンは本当に凄いね。自分自身どん底にいるときに、こんなにエネルギーに満ちて、そして優しさに溢れる曲を作曲して復活してしまうのだから。後半サンクトゥスからはもう(美しくて)たまらん。しびれます…! みなさん本当にありがとうございました! それでは皆さんコンサートでまたお会いしましょう! PS1 今朝は来週指揮するウォルトンの1番を勉強してたのだけど、ミサソレムニスが頭でまだ鳴っちゃってまいった。 PS2 大阪アカデミー合唱団の最大の特長&強味は毎日練習がある。つまり各自が普段出席しやすい曜日を選んで毎日少人数で川端先生の素晴らしい指導を受けてるから、本場前の合同練習でも大雑把にならず訓練が行き届いてる。これは素晴らしいシステムだし、初心者でも歌えるようになる。興味のあるかたは是非とも参加してみてください!人生変わった人たくさんいます! PS3 昨日悔いがのこるとすればバランスで合唱団に気を使い過ぎたかも。指揮台では声が頭の上を通りすぎるから正確なバランスがわかりにくい。オケのフォルティッシモをもっと強烈に馴らしたいところを我慢した箇所があったけどその必要なかったみたいでちょっと悔しい。 藤岡 幸夫 僕の隣が川端先生、前例左から福原さん、畑さん、井上さん、並河さん。 ※12/7 「荘厳ミサ曲」 event reportはこちら |
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2010/12/05 (No.2) ベートーヴェン 「荘厳ミサ曲」 の話 ・・・ その2 12月7日に大阪アカデミー合唱団と「荘厳ミサ曲」を取り上げる。(オーケストラはもちろん関西フィル)。この作品に関しては出来上がるまでの経緯を知っていたほうがはるかに理解し易いので以前に書いたその1も参考にしてほしい。 以前も説明したが、ベートーヴェンは交響曲の8番を作曲した後、約7年にも及ぶどん底の期間が続く(その理由についてはその1を参照してください)。 失望のどん底でベートーヴェンは初めて神にすがる。そしてこのミサ・ソレムニスの作曲を通してベートーヴェンは復活する。それはベートーヴェンの表現したい言葉がときに経典の理念とは離れて表現されていて、通常の宗教曲とは大きく違う。 簡単に内容を解説をすると・・・ 第1曲 「キリエ」(あわれみの賛歌) 発想記号に「敬虔に」という指定がある。また総譜の手稿には「心より出ず、願わくば再び心に至らんことを」という書き込みがあるという。(ベートーヴェンは自分の作品について「感情を表現した」と口にしたというが、この書き込みもその表れだろう) 冒頭すぐに重要なモティーフが出てきたりするが話が専門的になりすぎるので省略する。 途中で3拍子になってテンポが少し上がり「Christe」が強調されるがそれは、神にすがっているようでもある。 第2曲 「グロリア」(栄光の賛歌) 冒頭から生命力があふれ、ギラギラしてる。合唱団にも強力なパワーが求められる。まさに「天のいと高き所に神の栄光」だ。 その一方で「世の罪を除きたもう主よ、われらをあわれみたまえ」では自分の罪をさらけだし、なんと「miserere nobis(われらをあわれみたまえ)」のmiserere(あわれみ)の前にベートーヴェンは Ah !(楽譜によってはO !) という感嘆詞をつけてAh ! miserere nobis と強調する!これはまさしく当時としては異例で、感情表現の表れだ。 僕はここで休憩を入れる。「グロリア」と「クレド」を続けて歌うなんてほとんど不可能なほどこの2曲は合唱団には大変。また次の「クレド」はこの作品の中心になるので後半に歌われるのが好ましい。 第3曲 「クレド」(信仰宣言) このミサ・ソレムニスの中心になる曲。ここではまず信仰が宣言された後に合唱のテノールが「精霊により乙女マリアより御身体を受け・・・」とキリストの誕生をリディア旋法でゆっくり静かに歌われるのが聴きどころ。そのあとキリストが十字架にはりつけられ苦しみを受け葬られる場面が、まるでオペラのように強烈にオーケストラとともに表現される。そして最弱音から突然テノールが「聖書にあるように、3日目によみがえり!」と絶唱するところはもう宗教曲の枠を破ってる。 またこの「クレド」で最も特筆すべきところは、次に出てくる「主なる精霊・生命の与え主・・・」から始まるキリスト教にとってとても大切な典礼文が早口であっという間に歌われて通り過ぎ、最後の「来世の生命を待ち望む」があらゆる手法で強調され最後にはGrave というベートーヴェンにしては珍しい壮大なクライマックスを迎えてこのベートーヴェンの「永遠の命」に対する想いが表現される。それはこの「クレド」の本来持つ理念とは大きく離れたベートーヴェン独自の世界だ。 実際この「クレド」ではベートーヴェンはこの「来世の・・・」の部分から作曲がはじめられ、手稿には「光輝かせる。理想化する」という書き込みがあるという。 ベートーヴェンがこのミサ・ソレムニスを作曲しながら死の恐怖から救われたのがよく理解できると思う。(作曲当時ベートーヴェンは結核と誤診されていて死の恐怖に襲われていた。彼の当時書き残したメモからは有名なハイリゲンシュタットの遺書よりも遥かに深刻で、いかに生きる力を失っていたかがわかる)。 第4曲 「サンクトゥス」(感謝の賛歌) 多くの作曲家はこの「サンクトゥス」を華やかで力強い音楽にするがベートーヴェンは正反対だ。神への感謝の言葉がゆったりと静かに美しく歌われる。それは単なる宗教曲ではなく生身の人間が心から神に感謝しているような音楽。途中美しい間奏曲を挟んで(ここでは低弦の和音にのって2声に分かれたヴィオラとフルートが活躍するのもすごく斬新)ヴァイオリンのソロが現れる。この美しいいヴァイオリンのソロも神への感謝と祝福だ。 第5曲 「アニュス デイ」(神の子羊、平和への賛歌) ここでは「世の罪を除きたもう主よ、われらにあわれみを与えたまえ」がバスの独唱と合唱で悲劇的に歌われたあと(ここもすごくオペラ的)、静かに美しく転調されて「われらに平和を与えたまえ」と優しく歌われはじめる・・。 途中その優しい歌は、戦争を暗示する太鼓やラッパに邪魔され、オーケストラは世の中の不安を強調するが(ここはもう歌劇そのものです)、「われらに平和を与えたまえ」が歌われ続け、曲は終わる。この最後はあまりにあっけなくて聴き手を困惑させるが、当時本当に世の中は戦争の暗い影で不安だった。またベートーヴェンは自分の子供まで生んだかつての恋人は精神病で天国へ行ってしまうとわかっていた上にベートーヴェン自身も死の恐怖にさらされていた。 当時のベートーヴェンは社会の平和と心の平安をただ願うことしかなかったのだ。 そしてまだ何も解決してなかったのだ(だから第9が生まれたのです)。 というわけで、このミサ・ソレムニスはおそらく合唱団にとって最も歌うのが大変な作品でもありベートーヴェンの至高の傑作です。 大阪アカデミー合唱団素晴らしく頑張ってます。 そしてこのミサ・ソレムニスを理解すると第9の聴こえ方も違ってきます(以前通俗的に第9が思えるなんて書いちゃったけどとんでもない僕の誤り!第9の素晴らしさがより鮮明に感じられるようになった)。 それではみなさん12月7日シンフォニーホールでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 |
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2010/12/05 (No.1) 昨日は加古川の合唱団と第9(関西フィル)。昨年よりクオリティもパワーもアップ(川邊先生の指導素晴らしいです)。本番は力んで音程が乱れたりしたところもあったけど、ソリストのアンサンブルも素敵で関西フィルも生命力溢れいい演奏会だった。 個人的にも荘厳ミサを勉強したおかげで新しい発見がいろいろあって新鮮だった。 皆さんありがとうございました! 今日は大阪アカデミー合唱団と荘厳ミサ(ミサ・ソレムニス)の練習。 ベートーヴェンの後期の世界にどっぷり浸かってます。第9とミサ・ソレムニスを同時にできるなんて幸せで指揮者冥利に尽きる。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 加古川合唱団との打ち上げ。みんなとにかく明るい。 ※12/4 加古川第九公演 event reportはこちら |
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2010/12/03 昨日は関西フィルと大阪アカデミー合唱団それにソリストのかた達とミサ・ソレムニスの最初のリハーサル。 予想よりかはいい出来だったけど、それにしてもあらゆる意味で凄い曲。 精力を吸い取られそう。 合唱団の方がペットボトルのお水を差し入れしてくれた。 不味そうで美味しい大阪水道局のお水で、その名も「ほんまや」。関西らしくて元気になった。 さてさて、今日はこれから関西フィルと第9のリハーサルをして明日は加古川で第9。加古川の合唱団はクオリティが高くすごく楽しみ。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう! 藤岡 幸夫 |
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2010/12/01 昨日は加古川の合唱団と第九、今日は大阪アカデミー合唱団とミサ・ソレムニスのリハーサル。 どちらも2度めのリハーサルでよく頑張ってるのが伝わってきて嬉しかった!前回よりもさらに磨きがかかってきて本番が楽しみ。 それにしてもベートーヴェンのこの後期の2曲を連続して勉強すると、改めてベートーヴェンのエネルギーに圧倒される。尋常じゃない…。 いつもより食欲が旺盛になります…。毎年12月から4月まではスケジュールが超ハードなのでいくら食べてもすぐ痩せるから大丈夫。 食欲の冬です…。 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう 藤岡 幸夫 |
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