受賞理由:
藤岡幸夫氏は日本フィルハーモニー交響楽団創立指揮者の故渡邉暁雄の薫陶を受け、日本フィルの指揮研究員に選ばれた後、イギリスの巨匠指揮者の故サー・チャールズ・グローヴスの高い評価を受けて、英国での更なる研鑚を重ねた。
英国をはじめとするヨーロッパを中心としたその後の演奏活動は各地でその才能が絶賛され、また、日本における演奏も、その活気に満ちた若々しさと躍動感にあふれる音楽が、若い世代の聴衆を中心として深い共感を与えている。
また、古典的なプログラムのみならず、現代作品に対する感性にも秀で、中でも現代日本の代表作曲家・吉松隆の作品の演奏・録音活動は、新時代に対する藤岡氏の積極的な姿勢と並々ならぬ意欲を垣間見せている。
藤岡氏の持つ音楽性は、来るべき時代のわが国の音楽界においてかけがえのないものと評価され、よって渡邉暁雄音楽基金音楽賞を授与するにふさわしいものといえるだろう。
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