みなさんこんにちは。
九月下旬から忙しかったけど、やっと今一息ついてます。
今月はまず東京シティフィルとのティアラ江東定期。
とっても素敵なオーケストラでした。またオケが本拠地とするティアラ江東は本当に素晴らしいコンサートホール。音響もよく響くし、美しく、サイズも1,300席とオーケストラの生の醍醐味を味わうのに最高。
ここでリハーサルを2日してそのまま本番を迎えられるので、海外のオーケストラのように音創りができて理想的(東京オペラシティの定期など他のコンサートの時でもできる限りここで練習できる)。
江東区の人口は40万人。シティフィルはお客さんを巻き込む熱いハートのあるオケなのでこのホールをベースに素晴らしい未来が開ける可能性をすごく感じた。
また錦糸町のトリフォニーからタクシーで数分の距離なので、この地区の人たちは性格の違う二つのオーケストラとホールを身近に楽しめることになる。どんどんクラッシクファンを増やして欲しい。
次の日は僕とはとても縁のある(何故かは後で書きます)金沢へ移動。アンサンブル金沢と初共演。弦楽器が8・6・4・4・2で、僕が首席をしていたマンチェスター・カメラータと全く同じ型。このサイズのオケを振るのは久しぶりですごく懐かしかった。
とにかく噂通りの素晴らしい室内オケだ。人数が少ないから当然各プレーヤーには高い技術と音量が要求されて、出てくる音はすごく生きた音となる。その生きた音楽は決して大編成オケの音量に負けない。
そして県立音楽堂の素晴らしさにはもう唖然。ホールの美しさや音響の素晴らしさだけでなくその施設、運営方法など最高の環境が整ってる。ここで年間たくさんのコンサート(リハーサルも全てここ)が行われたくさんのお客さんが集まる。また今回コンサートに行った福井県あわら、石川県七尾の両日とも満席。金沢だけでなくその周辺の街にもオケの存在が定着してるようだ。金沢にこれだけのオーケストラとホールをつくった岩城宏之先生とスタッフの方達の凄さに、心底、感銘を受けた。アンサンブル金沢とは来年1月にまた共演するので楽しみ!ありがとうございました。
金沢から大阪へ戻って関西フィルとの定期。今回はウィーンフィルのトップ奏者(弦楽器5人)たちとの共演。後半のブラームスの1番ではオケ中で弦楽器の各セクションのトップを弾いてもらった。とにかくリハーサルから最高に楽しかった!そしてすごい勉強になった。息の深さ、フレージング、ボーイングetc
etc・・・・・。
リハーサル初日から彼らも(超ハード日程にも関わらず)凄く高いテンションでオケをリードする。ウィーンフィルのメンバーが5人加わっただけで音楽にいつもにはない香りがしてくる。そして何より彼らは本当に音楽を愛していて性格も明るい!それがそのまま音に現われる。関西フィルも本当に素晴らしかった。リハーサル初日からどんどん音が変わっていく。
本番前夜、デヴュー以来はじめてコンサートが楽しみで眠れなかった。今まで緊張したり心配だったりで眠れなかったことはあるけどこんなことは初めて。まるで子供の遠足の前の日のよう。
コンサート当日は補助席まで出て満席。後半、ブラームスで1楽章が終わり(ベートーヴェンのピアノ協奏曲でもみられるこのハ短調ーホ長調の調性感は僕は大好き。)2楽章のEdurのコードが響いた瞬間その深く優しい関西フィルサウンドに振ってる僕が心を奪われてしまった。リハーサル中から深みのあるドルチェをテーマに音創りをしてきたけど、こんなにも優しく美しい響きはいくらウイーンフィルのメンバーがトップに座ってるからといってそう簡単に奏でられるものではない(プレーヤー各自の意識が高いからこそ可能になる)。関西フィルを本当に誇りに思った。ウィーンフィルのメンバーとの共演は言葉では上手く説明できない「音楽にとってとても大切な何か」を我々に残してくれたと思う。それはかけがえのない財産だ。ウィーンフィルの皆さん、そして関西フィルの皆さん、本当にありがとうございました。
さて、来月はじめは関西フィルと早々と第九。香川の第九は2年振り。前にも書いたけど四国だけでなく全国各地から香川に集まる大合唱団でレヴェルも高い。中・高生が歌うのも魅力的(更に打ち上げも超豪華で2次会は温泉に移動して宿泊する)。楽しみにしてます!
それでは皆さんコンサートでお会いしましょう!!
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