藤岡さんから、2005年の3
通目のお手紙が届きました。
今回は、「満開の桜の下の藤岡さん」の写真付きです。是非、お楽しみ下さい。
皆様のご感想のメールもお待ちしています。

 皆さんこんにちは。

  まず最初にJR福知山線脱線事故は身近で起きたこともあって本当にショックでした。犠牲者の方達のことを思うと言葉もありません。深く深くご冥福をお祈りいたします。

 決して良いことばかりでない今の世の中にあって、音楽を聴いて良かったと思っていただけるようにこれからも真摯に演奏活動に取り組む所存です。

 さてまずは四月定期(みどりの日のコンサート)。補助席まで出る満席で本当にありがとうございました!
 邦人作品の新作とプロコフィエフの5番で満席になるなんて本当に嬉しい。SAXの須川さんのために書かれた吉松隆さんの新作のソプラノ・サックス協奏曲はまさに須川さんのためにあるような曲。吉松さんの新作は一昨年のチェロ協奏曲以来だけど今回はシンプルで、美しくもはかないなんとも言えない距離感がある。曲のタイトル「アルビレオ・モード」は白鳥座の星のことでこの距離感はその遠い星のイメージから来ている。その宇宙感を音にしてしまう吉松さんはさすがでした。前半は須川ワールド炸裂。
 後半は関西フィルと初めて取り上げたプロコフィエフの5番。この曲はメリハリをしっかりつけた上で深みのある演奏をしないと全然つまらない。更にアンサンブルに精密差を要求されるし、フィナーレは一筋縄ではいかない難曲だ。関西フィルは素晴らしく曲に生命を与えていたと思う。 また他のプロコフィエフ交響曲も取り上げていくつもり。

先月(3月)は関西フィルと「椿姫」に始まり、1年ぶりの名古屋フィル(以前にも書いたけど本番の集中力が素晴らしい。ソリストの竹澤恭子さんとは初共演。ロンドンのマネージャーが一緒だったり、僕の親友の親戚だったりだったので楽しみにしてた。スケールの大きなメンデルスゾーン。新鮮で美しかったです。)の後、読響でベートーヴェンの7番(練習中から高いテンションで曲を仕上げいくまさにプロ集団。雰囲気が明るく音楽が生き生きとした素晴らしいオケ。ソリストの川久保さんは特に繊細な部分が新鮮で素敵なメンデルスゾーンだった。ホールも素晴らしい中型ホールでした。)。 関西に戻って神戸で「運命・未完成」。 運命はこれまでに何度も振っていて、関西フィルとも随分取り上げてきたけど、いつも振った後落ち込む。今回やっと自分である程度満足できる出来だった。それにしてもベートーヴェンの奇数番は疲れる。ソリストの松田理奈さんはまだ二十歳。これからどう成長していくかとても楽しみ。

さてみどりの日が終わって五月はデヴュー以来初めての一ヶ月の休養をとります!この数年は毎年ホテル200泊前後の生活が続いていたので本当に嬉しい!
ゆっくりしっかり充電するつもりです。

それでは皆さん来月のコンサートでお会いしましょう!

      2005年5月1日



PS1 今年も桜を見れたのが嬉しい。今年は、強い風の中で枝木を大きく揺らしながら絶対花びらを散らそうとしない満開直前の一本の桜の木の美しさが印象に残った。満開になるとあっという間で散ってしまうけど、満開になるまでの桜の強さに心打たれる。

PS2 携帯ホームページでも書いたけど、母校の慶応高校の甲子園2回戦、3回戦を観にいった!あんなに熱くなったのは久しぶり。甲子園も初めてだったけど歴史を感じさせる素晴らしい球場だった。やっぱり野球場は空が見えなきゃ!と実感。

PS3 関西フィルと仕事を始めて6年目。段々と阪神ファンになってるのかもしれない・・・・(にわかで怒られそうだけど)。大阪にいるときは毎朝、スポーツ新聞が部屋に入れられ、何があっても(前日勝とうが負けようが、サッカーの日本代表戦あっても関係ない。)一面から三・までタイガース記事。この徹底ぶりは見事。僕は生粋のライオンズファンだけど今は阪神が気になってしょうがない(この複雑な感情をどう表現してよいものか・・・・)。僕のひいきは中継ぎの藤川投手。

PS4 プロコフィエフと同時代を生きたショスタコーヴィッチ。自らロシアに戻ったプロコフィエフに比べ、ショスタコーヴィッチの音楽の中には当事のソ連という檻の中での悲痛な叫びがある。来月の関西フィルのいずみホール定期で僕は6番を取りあげるけど、その前のシンフォニーホールの定期で12番と交響詩「十月革命」を大好きな広上さんが指揮する。広上さんの関西フィルの客演は以前からの念願だった。どうぞお楽しみに!

※本ページの写真は藤岡さんのプライベート写真です。
 
無断転用はお断り致します。


〜藤岡幸夫さんを応援するWEBの会より〜
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