ニュージーランドから再びオーストラリアのブリスベン向かう藤岡さんから2004年9通目のお手紙が届きました。今回は、藤岡さんの最近のコンサートのご報告と13枚ものプライベート写真付き
です。
是非、お楽しみ下さい。
皆様のご感想のメールもお待ちしています。

 

 皆さんこんにちは。

今ニュージーランドから再びオーストラリアのブリスベンに向かってます。

 最初に黙祷です。海外では、新聞やテレビのニュースで一部の情報しか把握できていませんが、一連の台風と新潟中部地震で被害に遭われた方とその関係者の方に心よりお見舞い申しあげます。また、不幸にして亡くなられた方のご冥福を心から祈ると共に、一日も早い復旧を祈っております。

 さて、ニュージーランドの前にまずパースの話。この街の紹介は今までに何度も紹介してるので省くけど(パースのお話はこちら)、コンサートは、ラヴェルの「クープランの墓」、シューベルトの「未完成」、モーツァルトのDminorのピアノ協奏曲にブリテンの「シンフォニア・ダ・レクイェム」と、ニック(僕のマネージャーです)の最高のプログラミング。コンサートは3日間連続で同じホール(素晴らしい音響!)で行う。
 特に初日の「未完成」は今まで振った中で最高の出来。ブリテン(ファーストヴァイオリン16型のフルサイズ)のテンションの高さも異常だった。

 前にも書いたけどここのオケは半分以上が外国人。ユダヤ人やロンドンの生活があほらしくなって移ってきた英国人の一流プレーヤーが多く、楽しいだけでなくすごく勉強になる。それに毎回、たった一人の日本人団員(チェロ)の小松さんに会えるのも嬉しい。
 今回は1週間だったのであっという間。別れを惜しみながら3回目の本番の翌日ニュージーランドへ。

 夜中に首都ウェリングトンに到着。ニュージーランド国立響と次の朝9時半から2日間リハーサルして、演奏旅行。初顔合わせのオケといきなり演奏旅行というのも珍しいけど、本当に楽しかった。(ここのオケも外国人が多い。)
 ニュージーランドの南半分をベートーヴェンの4番を中心に5箇所6公演。前半のソリストは首席フルートのブリジェット(新作協奏曲)、オケのハープ奏者のキャロライン(アランフェス協奏曲のハープ版)。どちらの演奏にも舌を巻きました。

 ここのオケは90年代にナクソスに頻繁に録音するようになって力をつけてきたようだ。ニックの「ビックリするよ。」の言葉とおり、リハーサル初日から疲れも吹っ飛んだ。

 

僕の大好きなパースのおじさん達。二人ともロンドンのオケから。右のロッドは以前紹介したけど若いときからロンドンフィルのトップでイギリスではスタープレーヤーだった。

音響はオーストラリアで最も良いとされるパースコンサートホール。右端が小松さん。

こちらはニュージーランドで演奏旅行の最初の街ネルソンから車で20分くらいのところ。ブレンデンがつれてきてくれたカフェ。まさかという場所にポツンとある。最高でした。

これは2日目のウェスト・ポートの飛行場・・・・。ここからクィーンズ・タウンに移動するはずが天候で飛行機が飛ばない。車で3時間かけてネルソンに戻りそこから飛行機で移動。この国は人口が少ないから鉄道はほとんど使われず、移動は車か飛行機だ。
クウィーンズ・タウンのホテルの部屋から。山と湖に囲まれた美しい街。リッチな人達が住む。
 昨日の本拠地ウェリングトンでの本番は集中力、燃焼度の抜群の演奏。会場のタウン・ホールはヨーロッパ調の美しい建物で、音響も最高。カメラを忘れて写真を撮れなかったのが残念!!プログラムはオール・ブリテン!

 「青少年の管弦楽入門」、「グロリアーナ」組曲。「ピアノの左手のためのディバージョン」(超傑作!!) 「四つの海」の間奏曲。ここも16型ノフルサイズで最初から全開。最後の嵐は凄い音してた。

 携帯用のお手紙にも書いたけど、この「四つの海」と今週の「春の祭典」には思い出がある。その話は次回にまとめてします。

 さぁ今日からブリスベンだ!クイーンズランド管と3回目の共演。ここは今、真夏!!自分的にはもう今年の夏は終わったずなんだけど、やっぱり嬉しい。

それではまた!!


      2004年10月31日


 

PS1 パ・プレーオフも日本シリーズも見れないのが本当に残念だ!ただ演奏旅行中、本番前の時間帯が大リーグのプレーオフの生中継の時間帯で松井を応援してたけど、先に3連勝してなんで・・・・・・!!!!

PS2 ニュージーランドでずっと僕の世話をしてくれたのがブレンデン。元クラシックバレーダンサーでサーファー。「朝飯は?」の問いに「コーヒーとタバコ1本」と答えるキザなヤツ(人のこと言えるか!?)だったけど妙に気があって楽しかった。97年型インプレッサのWRX仕様が愛車。

PS3 ブリスベンに着いた。いやはやここはなんか相変わらずトロピカル。街を歩くとなんか脳みそが耳からたれてきそうなくらい刺激的というかなんと言うか・・・。本番終わるまでホテルにこもることを固く決意する。

PS4 ホテルに3日間こもりっぱなしでなんと机に置きっぱなしの腕時計が止まりそうに・・・・。時計のために久しぶりにホテルの外を散歩する。

彼がオーケストラマネージャーのブレンデン。
フィッシュランチを食べたレストランで。
こちらはホールの入り口近く。ところでこのコンサートに偶然、中学の同級生が来てた。僕が器楽部で指揮し始めたとき彼女はヴァイオリンを弾いていて、会ったのはなんと28年振り!ここに住んでるんだそうだ。お互いビックリ!
奥に座るのが首席ティンパニのラリー。ベートーヴェンではコルクの特殊なバチでアンティークないい音を出してた。手前がハープのキャロライン。
演奏旅行ではソリストだった。
クウィーンズタウンのコンサート会場の前の風景。息を飲む。
こちらはクィーンズタウンからゴアという街に移動する途中の湖。静寂で神秘的。

ゴアからキンバーカーギルという街に移動。ここはそこから車で20分、本土最南端。今までで南極に最も近い場所でのコンサート。ここでブレンデンと食べたフィッシュ・ランチは最高でした。

コンサートが終わって、プレーヤー達と飲む。右端のロバートは首席オーボエ。オケの看板奏者の一人。素晴らしかったです。

この写真はおまけ。ブリスベンに発つ朝、お別れと再会の約束をしにわざわざホテルまで来てくれたブレンデンとツーショット。
#携帯のカメラなので画像がやや荒いのはご容赦願います。

※本ページの写真は藤岡さんのプライベート写真です。
 
無断転用はお断り致します。


〜藤岡幸夫さんを応援するWEBの会より〜
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