皆さんこんにちは。久しぶりのお手紙です。
3月は結構忙しかった。
関西フィルとは運命、田園のほか新世界、チャイコフスキー5番、火の鳥etc。
これまでにすでに関西フィルと何回も取り上げてるレパートリーだ。でも毎回更に自分達の形になるように演奏会に臨んでる。どの曲も今年中にまた再演するので楽しみ。
ベートーヴェンはまだツメが甘いと反省。チャイコフスキーの5番は、自分で言うのもなんだけど毎回違う。関西フィルも特にこの曲に関して本番までどうなるか分からないのを良く理解してくれてるのでスリル満点。ただ今回は何箇所か流れが自然でなかったのが反省点。
ところで今回初めて行った揖保川と高知のコンサート・ホール、最高でした。びっくり。是非また来年も行きたいと思ってる。関西フィルの超ハードなスケジュールの疲れをちっとも見せない演奏に本当に感謝。ありがとうございました。
日フィルとは横浜定期と大宮定期。
横浜で演奏した吉松さんのトロンボーン協奏曲は日フィルの箱山さんのために書かれた曲で、今回改めてこの人のための曲だなぁと実感。
箱山さんはノリノリでした。日フィルがこの曲を再演するのは初めてなのがもったいない。これからももっと演奏して欲しい。
後半は僕の大好きなプロコフィエフのロメオとジュリエット。特に大宮では集中力の高い演奏だったと思う。こういう時の日フィルの音は独自で素敵だ。シベリウスはさすがに十八番。色々勉強になった。ありがとうございました。
ところで、ロメオとジュリエットにはちょっとした思い出がある。 10年くらい前イギリスのニュー・キャッスル近郊でこの曲を指揮した。このときは前半がこの曲で、1曲目を演奏したとたん、観客席がウォーと沸いて拍手が起きた。なんとこの曲が地元サッカーチームのテーマ曲だったのだ。(テーマ=ロメオとジュリエットからだとこの人達は知らない)だからサービスで僕たちが演奏したと勘違いした人が沢山いたわけだ。1曲めが終わったときコンサート・マスターがニヤニヤしながら教えてくれた。だからその日の最後にアンコールでもう一度演奏した。お客さんの熱狂振りは言うまでもない。それにしてもイギリス人のサッカー熱よ。
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