みなさんお元気ですか?
僕は夏が終わっちゃうのが淋しくてまいってます。
今はシドニーに向かって飛んでる飛行機の中。オーストラリアは今は冬、日本に戻った時は秋?世間では芸術の秋とか言うけどやっぱり夏がいいなぁ。
僕はデビューしてから8月はいつも日本に戻ってきてほとんど東京で過ごしてたけど 今年はほとんど東京にいませんでした。
まずは第21回全日本医科学生オーケストラの指揮で10日間福井で合宿生活。
このオーケストラ、実は11年前の第10回を振ったことがあって(その時は東京)本当は去年の第20回を振るはずだったのが日程の手違いでキャンセル、それで今年になった。
こんなこと言っちゃいけないけど、この仕事を頼まれたときあんまり気が進まなかった。でも関西フィルのコンマスの川島さんからの話(実は11年前も川島さんがトレーナーの一人だった)だったので引き受けた。
結論を先に言うと本当にやってよかった。 スゴク楽しかったし、何よりこんなに勉強になるとは思わなかった。
メンバーは全部で約150人。全国から集まってきていて同じパートでも初対面の連 中が沢山いる。この連中と全くゼロから始めて9日間でなんとかしなきゃなんない。
おまけにプログラムはムソルグスキーの「禿山の一夜」、ラフマニノフの「交響的舞 曲」、それにチャイコフスキーの4番と難しい。
とにかくアマチュアのオケは的確なことをいわないと絶対によくならない。だから何をいったらいいのかこちらも考えさせられることが多くそれが勉強になる。(スコアを丸裸にするから今まで気がつかなったことが見えたりする)。
そして贅沢なコーチ の先生方だ。ほとんどのパートにN響をはじめ第一線で活躍するトレーナーの先生方 が来ていて、10日間朝から晩まで学生達を指導する。おまけにオケの中でトレー
ナーの先生も一緒に演奏してくれるからすっごい贅沢だ。
この学生達はプロを目指 してるわけじゃないのに先生方の熱心な指導はもう感動モノ。僕自信もトレーナーの先生方から沢山勉強させてもらった。指揮者の僕と、トレーナーの先生方と学生達
とが本当に演奏会を目指して一体となった10日間だった。
ところで、今回の合宿場所は福井県の芦原温泉。部屋は勿論和室。窓から見える緑と広い空。夕暮れ時のロマンティックなこと!鳥や虫の声がよく聞こえる。
僕は20才を過ぎてから今まで夏といえば海だったので、山の中の旅館の和室で過ご す8月はなんだかキツイ剣道部の合宿を思い出したりして懐かしかった。
一番驚いたのは、とにかくみんな(トレーナーの皆さんも含めて)毎晩よく飲む。 各パートは毎晩明け方まで先生達と飲んでチームワークを築く。当然日を追うごとに
睡眠不足になっていく。それでも毎日演奏がよくなっていくのはもう僕から見ると奇 跡に近い。
本番の福井のハーモニーホールは素晴らしいホールだった。本番前日もこのホールで 練習していよいよ本番。みんな本当によく頑張った。初日から比べると信じられないくらいだった。演奏が終わるたびに本番は演奏してない先生方がブラボーと叫ぶ(この先生方、ブラボーの練習をゲネプロからしてた。)。
本番後は打ち上げ。みんなで朝まで飲んでた。次の日帰るのがすごく淋しかった なぁ。なんだかこの言葉をだすのダサくて恥ずかしいけど「青春」を感じた10日間
だった。
というわけで全日本医科オケとトレーナーの皆さん本当にありがとうございました。 (だけどこの連中が将来医者になるのかと思うとちょっと不安だなぁ。)
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福井ハーモニーホールでの練習。
指揮する時はめったに座らない藤岡が今回はさすがに体調を維持するために座ってます。
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演奏会後の打ち上げパーティで。
抱き合ってる相手はコントラバスのトレーナーの黒木先生。会場を盛り上げたショッキング(!?)な場面です。
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