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藤岡さん、お返事有難うございました。
大変丁寧に詳しく書いて下さったので感激いたしました。私は無調性
ないし前衛音楽を好きになれませんが、しかし、頭ごなしに全面的に
否定しているわけでもありません。私が今まで不満に思ってきたこと
は、多くの「現代作曲家」が「調性の時代は終わった」というスロー
ガンの下に、藤岡さんのおっしゃる「普遍的」な調性音楽に対して攻
撃的になっていたという事実です。その結果、本音としては調性音楽
を作曲したかった音楽家の方々はいつもビクビクし、評論家とか周り
の音楽関係者の目を気にしていなければならなかった様子が私には見
えていました。その点、ポピュラー音楽は正直でた。いつの時代もそ
の時代の現代音楽が期待されていたのに、現代では一般からの期待は
薄いようですね。今のクラシック音楽界はその期待に応えにくい状態
なっていると思います。期待に応えているのはむしろポピュラー音楽
だと思います。藤岡さんは芸能と芸術は別物ではないとお考えのよう
ですね。私も同感です。私は、「聖なるエッセンスは世俗の中にある」
と思っています。芸術の誕生は錬金術を想起させるものだと思います。
大作曲家も大衆うけを計算に入れていたことは充分に納得できます。
それは「いやしい事」ではないと思います。普遍性という「青い鳥」
は、世俗からかけ離れた、どこか遠いところにいるのではなく、すべ
ての人の心の中(自分でも気づかないほどの、心のずっと奥)にいる
ものだと思います。したがって、大衆性を軽視するということは、そ
の「青い鳥」までも否定してしまうことになると私は思っています。
無調性音楽を逆差別してはいけないと思いますので、是非とも共存を
望みたいところです。
1999年4月29日 ぴょーとる
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