ニューイヤーコンサート2007

2006年1月14日 文化パルク城陽 プラムホール
管弦楽/関西フィルハーモニー管弦楽団
指揮/藤岡幸夫 (楽団正指揮者)
テノール/小餅谷哲男 [こもちや・てつお] (T表示の曲)
ソプラノ/高嶋優羽 [たかしま・ゆは] (S表示の曲)
コンサートマスター/川島秀夫
司会/西濱秀樹(楽団理事・事務局長)

主催/京都新聞社、関西フィルハーモニー管弦楽団、財団法人城陽市民余暇活動センター
協賛/星和電機株式会社、城陽市建設業協会、近畿砂利協同組合、城陽ローンテニス倶楽部

ヨハン・シュトラウス2世/喜歌劇「こうもり」序曲
レハール/喜歌劇「メリー・ウィドゥ」よりワルツ (T,S)
マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
プッチーニ/歌劇「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」 (T)
ヴェルディ/歌劇「椿姫」第1幕前奏曲
ヴェルディ/歌劇「椿姫」より「乾杯の歌」 (T,S)

ヨハン・シュトラウス2世/ワルツ「春の声」 (S)
ヨハン・シュトラウス2世/アンネン・ポルカ
ヨハン・シュトラウス2世/皇帝円舞曲
ヨハン・シュトラウス2世/新ピチカート・ポルカ
ヨハン・シュトラウス2世/美しく青きドナウ
レハール/金と銀

ヨハン・シュトラウス1世/ラデツキー行進曲

恒例の城陽でのニューイヤーコンサート、恒例なのは地元の支援と関西フィルも主催であること。さらに開演1時間前の恒例、ホールへ続く階段の下(ガラス張りでとても高い吹き抜け)で西濱さんが司会のウェルカムコンサート(もちろん無料)。今回は関西フィルから永井さん(ヴァイオリン)、飛田さん(ヴィオラ)、大町さん(チェロ)、虎谷さん(フルート・城陽市が地元)の4人の団員が出てモーツァルトのフルート四重奏曲K.285の第1,3楽章が演奏。藤岡さんは聴く方に紛れ込んでおられました。グレー系のストライプのシャツにジーンズ、ジャケットは黒系でした。
恒例はまだ続き、開場後はファンファーレ(今回はホールの2階席への通路スペースから)そして会場の人の司会で鏡開き。挨拶は財団の高橋理事長、藤岡さん、小餅谷さん、高嶋さん、川島さん。高橋理事長からはたくさん来て頂いてありがとうございます、と来場者へ感謝の挨拶、藤岡さんはこれも恒例で城陽のないと年が明けないこととホールと楽団は1年を通じてのおつきあいがあること、小餅谷さんは自分の名前にかけて、鏡を開くのは餅か酒かといった話、高嶋さんは本日が今年最初の舞台らしく、それが楽しみという話、川島さんからは「喋りは下手ですが…」といいつつのあいさつがありました。さすがに飲酒運転には厳しくなりましたが、ファンファーレで樽が樽の蓋が割られました。
前半はイタリアを中心に歌劇を集めたもの。《こうもり》で始まったあと、西濱さんが登場してクラシックというと堅い感じがあるけれどリラックスしてお聴き下さい、という話、また、ニューイヤーコンサート皆勤の人の挙手を求めると…「多いのか少ないのか(場内笑)」という感想。藤岡さんからはまたも恒例クラシック音楽とは「わかる・わからないではない、感じる・感じないかだ。」という話が出ました。次の《メリー・ウィドゥ》、藤岡さんの思い出ですが藤岡さんは「僕が爽やかだった頃」の話だとはじめます。西濱さんは「今はそこそこ爽やか(場内笑)」と混ぜ返します。そこで藤岡さんが釣られて?「オヤジになっちゃったから…」と何だか自虐ネタ。藤岡さんの思い出とは二期会公演で副指揮者として松尾葉子さんの助手をしていたときの話で、カーテンコールを受けるために舞台に上がった松尾さんの代わりにピットでアンコールだけを振ったこと。多分初めて指揮台に立った、という話でした。藤岡さんが「(この話)面白い?」ときくと、西濱さんが「そこそこ(場内笑)」。ここで小餅谷さんと高嶋さんに舞台に入ってもらうのですが…今度は西濱さんが言うべき台詞が頭の中から飛んだのか、思い切り言葉が詰まってとちってしまいました。忘れてください、と場内に向けて取り繕うのですが「(場内笑)」でした。曲が終わると西濱さんが「早く舞台上から去りたいようですが…」と言いつつ歌の2人を止めてトークに巻き込みます。まず高嶋さんに「素敵なドレスですが、どこで買われたんですか?(場内笑)」「大阪で(場内笑)」と関西人のトーク(関西のアクセントで読まないとわかりにくいかも…)が始まり、2人がクラシック音楽を歌う職業を選んだ経緯をたずねます。高嶋さんは最初クラシックバレエをやっていたそうで、音楽はミュージカル志望だったのですが、結局クラシックになったそうです。メリー・ウィドゥは在学中に初めて舞台に立ったオペラだそうですが、その時は踊る方だったとか。ちなみに、今回がニューイヤーコンサートで歌う仕事の初めてだそうです。小餅谷さんは音楽大学志望ながら学科はこだわらないつもりが、発声したらいい声だったから声楽家になろうということになったのだそうです。メリー・ウィドゥは「頼まれたから(場内笑)」とお仕事的?な答だったのですが、もちろん仕事は十分だったかと。凄惨な劇の中、美しい間奏曲で知られる《カヴァレリア・ルスティカーナ》に次いですっかり有名になった《トゥーランドット》ですが、これは劇中ではコーラスが入る部分で楽団員がハミングするというイギリスで藤岡さんが指揮をしたときの方法。川島さん曰く出来は「絶好調(場内笑)」だったそうです。《椿姫》は藤岡さんが指揮者になろうと決心したきっかけの曲だそうで、「一言で言えない魅力」があり、休符が多いので緊張感が増すのだそうです。チューバッソという珍しい楽器が使われていました。
後半はウィーンの香りということで、《春の声》から。《アンネン・ポルカ》もそうですが、西濱さんの解説に藤岡さんは「そうだったの?」「詳しいね」と反応、西濱さんは舞台袖を見て「そこに置いてあった本に書いてあった(場内笑)」とかとぼけたり。もとは西濱さんが好きで藤岡さんも好きになったという《皇帝円舞曲》では曲の献呈をめぐる謎の話になりさすがの西濱さんの解説もドイツとオーストリアの皇帝がごちゃまぜになったりですが(オーストリア皇帝で早世したルドルフ皇太子の父がフランツ・ヨーゼフ1世、ドイツ皇帝がヴィルヘルム2世です)、西濱さんが混乱するのもわかるややこしい経緯がありそうな曲です。ともかく藤岡さんとしては「気高い」「高貴」な曲ととらえているそうです。この辺は結婚の回数と幸福をめぐる話になり、藤岡さんののろけが飛び出したり西濱さんが混ぜ返したりで、やはり「(場内笑)」。次に新じゃない方(ヨハン・ヨゼフの兄弟合作の方)が有名だけれど、藤岡さんはこっちが傑作だという《新ピチカート・ポルカ》。そして《美しく青きドナウ》ではこれも毎年恒例で藤岡さんが「ドナウ川は実は汚れた川ですが、恋をしている人には美しく青く見えるという…」と同じことを言われますが、藤岡さんが「毎年同じことを言っているけれど…」と言おうとすると「吉本新喜劇のコントの様に定番(場内笑)」と西濱さんがかき混ぜ、藤岡さんは「コントは言わないよ」と返しますが、結果は「毎年(客席は)同じような反応(場内笑)」と西濱さんに突っ込まれてしまい、コントになってしまいました。最後は非常に多い回数を演奏しているという藤岡さんと関西フィルの十八番で「思いをそのままぶつけてくる」芸風というレハールの《金と銀》。拍手の中、小餅谷さん、高嶋さんも登場しました。
最後はまたも恒例で「関西フィルはあちこちでたくさんコンサートをしていますから」という藤岡さんのマイクなしのあいさつ、さらに城陽市と関西フィルの永遠のお付き合いを祈念する旨発言があり、恒例《ラデツキー行進曲》。恒例でないのは途中から小餅谷さん、高嶋さんが入ってきて会場の拍手に加わったことで…何となく東急のジルベスターコンサートみたい…と、ここでコンサートはお開き。藤岡さんはもらっていた花束をトス。花束は客席の真ん中近くまで飛んでいきました。

聞こえた(はず)のことをそのままぶつけて最小の推敲しかしていませんが、以上です。

注:トーク等の引用(正当な引用の範囲と認識しております)は往々にして不正確で、趣旨を拾った程度の場合があります。




       2007年1月16日 Fu(ふ)








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