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「関西フィルハーモニー管弦楽団第188回定期演奏会」
2006年10月26日 ザ・シンフォニーホール(大阪市)
指揮&オーボエ独奏: ハンスイェルク・シェレンベルガー
(コンサートマスター: ギオルギ・バブアゼ)
ショスタコーヴィチ/交響曲第1番
ハイドン/オーボエ協奏曲 ハ長調 Hob.VIIg-C1
ブリテン/オヴィディウスによる6つの変容 第1曲「パン」
レスピーギ/バレエ組曲「シバの女王ベルキス」
今回のテーマは当日配布の冊子の方では「名伯楽による稀有な一夜」。ベルリンフィルのオーボエ奏者であったハンスイェルク・シェレンベルガーさんが関西フィルを指揮するのも今回で3回目(私が聴くのはは初めてですが)です。
・ショスタコーヴィチ/交響曲第1番
今年が生誕100年のショスタコーヴィチ、19歳の時の曲です。有名作曲家の初期作には先人の知られていない作品と言った方が通じそうなものも多い中、この曲は既にショスタコーヴィチとして一応完成していることで驚きです。シェレンベルガーさんのひょいひょいとしたと言うべきか、颯爽と言うべきかという指揮ぶりが印象的でした。
・ハイドン/オーボエ協奏曲 ハ長調Hob.VIIg-C1
指揮台ももちろん指揮棒もなくなり、シェレンベルガーさんを入れて30人の規模に縮小されました。チェロは3人、コントラバスは2人しかいません。見事としか言いようのない演奏でした。シェレンベルガーさんのオーボエは自家薬籠中の物という言葉がぴったりの超絶名演でした。楽章が進むにつれて豊饒にして饒舌、もう誰にも止められません。コンサートマスターのゴギさんがそれをぴっちりとフォロー、こちらも見事です。
なお、この曲はハイドン本人の作曲かどうかは疑義もあるようです。
・レスピーギ/バレエ組曲「シバの女王ベルキス」
実は今年が没後70年のレスピーギ、この曲は吹奏楽では有名みたいですが、管弦楽ではあまり演奏されません。管弦楽版CDも片手の指で収まるかも、という状態です。そういう曲のせいで高校や大学の吹奏楽部の人が多数来ているのか今回は聴衆の平均年齢が幾分低かったように思いました。舞台裏に金管を隠して、その後その金管が観客からも見えるところ(今回はパイプオルガンの横)に移動して再度吹くのは「ローマの松」と同じです。決して薄味ではないけど過剰に音が鳴るわけでもない手堅い演奏といった印象でしょうか、また各パートとも頑張ったと思います。緩急が基本的に入れ替わるローマ三部作と違い、概ね後半に進むにつれて盛り上がることもあって、場内は大いに沸いて演奏会は終了しました。
以上です。
2006年10月27日 Fu(ふ)
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