関西フィルハーモニー管弦楽団第176回定期演奏会」

会場:2005年7月21日 ザ・シンフォニーホール(大阪市)
指揮/飯守泰次郎 (楽団常任指揮者)  (コンサートマスター: ギオルギ・バブアゼ)
ソプラノ/高島依子   メゾ・ソプラノ/福島紀子
テノール/二塚直紀   バス/松森治
合唱/大阪アカデミー合唱団

ブルックナー/序曲ト短調
ブルックナー/テ・デウム
シューベルト/交響曲第9(8)番 「ザ・グレート」

久々に書いたものが藤岡さんの指揮しないときの関西フィルレポートで恐縮。藤岡さんは演奏会で“関西フィルはあちこちでたくさん演奏会がありますので、よろしくお願いします”と挨拶されますので、私としては1)藤岡さんに宛てて情況を客席からレポートする、2)藤岡さんのファンの皆さんが、藤岡さんを正指揮者に擁する楽団にも興味をもっていただければ良いと考えるため、勝手に呼応のつもりで、ということで。
今年の後半はドイツ・オーストリアもので固められた関西フィルの定期演奏会、今回のテーマは「飯守が紡ぐ、終わりなき歌」です。猛暑の折に暑い曲ばかりですが、前半は飯守さんの十八番ブルックナー。後半はシューベルトです。

・ ブルックナー/序曲ト短調
若い頃の習作、知る人ぞ知る曲のようで私もCDでさえ聴いたことはありません。どこから聴いてもドイツ・ロマン派でしかあり得ない曲でした。ただし、ブルックナーらしいところはゆっくりした部分で僅かに片鱗が見えるのみかも。これを正調のドイツ語で演奏した感じでした。

・ ブルックナー/テ・デウム
「テ・デウム」とは「神よ、われらは御身を讃える」という意味のラテン語(歌詞もラテン語)。祝祭的に使われることも多いものです。何人もの作曲家が手がけていますが、ブルックナーのものは最も有名なものです。ブルックナー本人が交響曲第9番の最終楽章である第4楽章の完成が出来なかったときは代わりに使ってもよい、と遺言していたことでも知られています(交響曲第9番は結局完成しなかったのですが、遺言の形での演奏はそう多くなく第3楽章まで演奏して終わることが多いです)。声楽が入ってもブルックナー節です。独唱の要であるテノール、パイプオルガン、コンマスのソロ等要所を押さえた出来でしょうか。大伽藍が完成しました。合唱は暗譜でした。

・ シューベルト/交響曲第9(8)番 「ザ・グレート」
シューベルトのこの曲は交響曲の番号の変遷が激しく(7番→9番→8番)、「未完成」共々通称がついていてよかったと思わせますが、ともかく最後の交響曲ということは確定です。関西フィルでは過去に藤岡さんの大熱演がありますが、今回はそつのない出来かな、と。時々ちゃんと疾風は吹くのですが、それらしく見えない演奏で、全体として自然の風合いを活かしたというべきか、ゆったりたゆたう流れのような(しかも中だるみしないぎりぎりで止めている!)、そして、カンタービレ・謳うような出来で確かに「終わりなき歌」だな、と思いました。
以上です。



        2005年7月22日 Fu(ふ)




いつも本当にどうもありがとうございます。
僕はこのテ・デウムとグレートのこの絶妙な
プログラミングは最高だと思ってました。
残念ながら聴きに行けなかったです。
またレポートお待ちしております。




藤岡幸夫

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