「Meet The Classic Vol.9」
2004年8月14日 いずみホール
指揮/藤岡幸夫
管弦楽/関西フィルハーモニー管弦楽団 (コンサートマスター: ギオルギ・バブアゼ)
司会/西濱秀樹 (楽団理事・事務局長)

アンダーソン/舞踏会の美女
ラヴェル/マ・メール・ロワ
チャレンジ・ザ・コンダクター 指揮者に挑戦!コーナー
ベルリオーズ/幻想交響曲
  アンダーソン/セレナータ

開場前にホールに着くと、のどかに待つ聴衆、その端の方で楽団員と談笑する西濱さんがいました。
「舞踏会の美女」の後西濱さんが登場してトーク開始。
注)この後の「」内は往々にして語句を正確に記録出来ていないことがあります。また場内は適宜「(笑)」「(爆笑)」が入っています。
まず、9回目まで「Meet The Classic」を出来たことについて、支援をしてくれているNTT西日本と来場してくれた人に感謝がありました。それから…「だんだんと(曲が)マニアックになってきました」「どこが『Meet The Classic』やねん」と話は続きます(思うに通常の価値観から外れてややマイナーな名曲を少しは挙げてもいいのではないかと)。ここで「Meet The Classic」そしてクラシックの原点を藤岡さんが「『わかる』『わからない』じゃない、『感じる』『感じない』」であると再確認。ただし今回は物語性のある選曲なので情報が多い方がいいかも、という話になり、「マ・メール・ロワ」の解説に移ります。あまり物語はないのだけれど、と言いつつ鍵になる楽器の奏者を立たせつつ説明。ところがチェレスタの紹介で「冬のソナタ」を弾いたところから(当の奏者がハマっているのでしょうか?)、話はいつの間にか「冬ソナ」の話になり、熱〜く語り始める藤岡さん。西濱さんが止めに入ります。この辺も楽器の解説があったはずですが、西濱さんは「『冬ソナ』の話しか(頭に)残ってない」と混ぜかえします。軌道を元に戻して最後まで説明が終わり、演奏開始。私は昔パリ管弦楽団の公演を聴いたことがあるのですが、その時の超アンニュイな印象に対して、今回は比較的直線シャキ系「無駄のない」演奏かなと。また意外な迫力があったと思いました。
次に「指揮者に挑戦」はベートーヴェンの「運命」の冒頭です。西濱さんが「また難しいものを」とか藤岡さんが「初めて振った時は7回連続公演で右の髪が真っ白になった」とか煽って「どぉだ、誰も手を挙げられないだろぉ」と藤岡さんが言う中、2名の枠に2名挙手。最初がK嬢(小学5年)、始終藤岡さんの顔を見ています。西濱さんが「こっちも見て、気持ちわかるけれど」と言いつつ進行。その西濱さんの質問には緊張のためか無言で最後に「小5で人生の厳しさを味わってください」と言われつつ指揮台に。西濱さんに「突き放したような指導だ」と突っ込まれつつ、最終的に藤岡さんが横に立って指導して指揮者体験は終了です。チェロの大町氏に指揮の感想が振られて曰く「夏休みみたい(な指揮)」、言った本人も夏男の雰囲気濃厚。2番目はH氏(男性:50代)、藤岡さんの指揮で第九を歌ったことがあるという達人の様子です。「酔ってます」と言いつつ指導はなしで振り出します。さすがに上手いですが、それゆえ少しのミスで場内から笑いが出ていました。西濱さんの感想は「巨匠のよう」で、対するH氏の自己評価は「朝比奈(隆)さんに叱られます」。コンサートマスターのバブアゼさんとも握手して(さすがに心得てらっしゃる)舞台を降りられました。
さらに後半に向け「幻想交響曲」の解説があり、藤岡さんが「クスリをやっていた人はわかると思いますが」とつかみを入れ…おぃっ(爆)。楽団員に小節番号を言いつつ丁寧に説明が続き、昔は(自分の恋愛哲学上?)好きではなかったという第5楽章の仕掛けまで説明が及び、前半は終わり。
休憩後の後半はその「幻想交響曲」本編。周辺の感想は「あれだけテンポが揺れるのは初めて」「速いところは速く、遅いところは止まりそうなほど」「ザ・シンフォニーホールでの『幻想交響曲』をしのぐ出来」など。ちなみに第1楽章は崩壊寸前まで速度が上がったり、第2楽章も速かったり、第3楽章の一番盛り上がるところで藤岡さんの唸り声が響いたり、第4楽章の冒頭で指揮棒が3回くらい思いきり譜面台にぶつかったり、第4楽章の最後は音圧で「マ・メール・ロワ」で使って端の方に置いてあった銅鑼が共鳴して打楽器奏者が押さえにかかったりしました。私の感想は集約すると演奏の完成度が高い、関西では藤岡さんはいずみホールとの相性が最もいい、というところでしょうか。また59年前(昭和20年)のこの日この界隈は大きな空襲があり、「マ・メール・ロワ」(マザーグース)、「幻想交響曲」とも死者の世界と切り離せない曲、さらにお盆…、あらゆる次元で彼岸と此岸を行き来する時空と場ということになったのではないかと。
再び銅鑼を共鳴させる拍手の後、藤岡さんから恒例の「関西フィルはあちこちでたくさんコンサートをしていますから」と足を運んで頂きたい旨のお願いと、NTT西日本への謝辞、そして最後は「どうしようかと思ったけれど、夏の雰囲気で」ということで「セレナータ」のアンコール。
以上です。







          2004年8月15日  Fu(ふ)






いつも本当にどうもありがとうございます。
あ〜、あれからもうすぐ一年なんですね。
いずみホールと僕が相性がいいのは、きっと
僕がいずみホールでコンサートをする時に、
業界では有名な「いずみちゃん」という幽霊
が聴きに来てくれているからだと思いますよ。
「いずみちゃん」が聴きに来てくれないと
いい演奏にはならないみたいなんです。
今のところ「いずみちゃん」と僕は仲がいい
のかもしれませんね。




藤岡幸夫

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