第2回城陽第九フェスティバル
12月7日 文化パルク城陽 プラムホール
指揮:藤岡幸夫
管弦楽: 関西フィルハーモニー管弦楽団
(コンサートマスター:川島秀夫)
ソプラノ:湯浅契 アルト:田中友輝子
テノール:小餅谷哲男 バリトン:堀保司
合唱:城陽第九フェスティバル合唱団
吉松隆/「鳥は静かに…」
ベートーヴェン/交響曲第9番
主催:京都新聞社 城陽第九フェスティバル実行委員会
財団法人城陽市民余暇活動センター
後援:城陽市
協賛:星和電機株式会社 近畿砂利共同組合
無念のJ2陥落となってしまいましたが、京都パープルサンガの町でもある城陽市。ホール来館者が1000万人を越えた記念ということで、マリーゴールドの種がおみやげについてきました。私が藤岡さんの振るベートーヴェンを聴くのは多分初めて。
「鳥は静かに…」
私にとって今年2度目の「鳥は静かに…」。途中の弦楽四重奏は10月の日本フィルでは慟哭の啼き声という感じでしたが、今回の川島さんのソロは暗雲の先に見えてきた光という感じかなと。ちょっと会場がざわつき気味で(繊細な曲なのに…)惜しいところ。CDも販売すればよかったのに、というところ(ホールへの苦言)。
「第九」
通常配置、合唱団の前にソリスト、第2楽章終了後にソリストと合唱団が入る、という方式。オーケストラは弦が第1ヴァイオリンから順に10人、8人、7人、5人、5人、木管はもちろん2管、トランペット2人、トロンボーン3人、ホルン4人、打楽器4人。第1、2楽章のテンポは中庸より少し速め、幾分かロマン派の匂いを含みつつ端正・清澄な感じとでもいうのか、関西フィルがベートーヴェン・チクルスで得た蓄積に乗った感じでしょうか。第3楽章に入ると相当に甘美な(チャイコフスキーみたいな?)音に。テンポは上がったかなと、やたらに長い第3楽章も世の中にはありますが、今回は結構あっという間に終わったかと。第4楽章は合唱がどうしてもカタカナになってしまうとか(つられて?木管の音も和風みたいに思えてきて、これはこれでおもしろかったけれど)、男声合唱の声の大小が不安定(数が多くないからきついかも)とかありましたが、藤岡さんが9月に大変かなと語っていた割に十分に敢闘ものでしょう。ソリストは関西フィルの音にうまく乗じて歌ったと思います。総じて関西フィル10月定期のシベリウスの流れでしょうか、そこまできた明るい春を待つ海(湘南?地中海?)という感じでしょうか。川島さんが花束を客席前列に投げてオーケストラは解散。
終演後強引に(疲労困憊のところ城陽では毎度すみません)お会いしましたが、第九はまだまだ未完成とのこと。藤岡さんの挑戦と模索は続くようで50歳、60歳、70歳の藤岡さんの第九にも期待しましょう(それまで私の方が生きているかなぁ(苦笑))。また、来年度の関西フィル定期は4月29日に吉松隆の交響曲第3番の関西初演が控えていますが、これには「やらなきゃいけないでしょう」という話でした。
以上です。
2003年12月7日 Fu(ふ)
いつも本当にありがとうございます。
今年も城陽で第九を指揮するので、Fuさんのレポート
のお陰で前回のこと思い出すことができました。
今年も是非楽しみにしていて下さいね、お待ちしてます。
藤岡幸夫