藤岡さん こんにちは お久しぶりです。
藤岡さんを最後にお見かけしたのが、1月の都響(吉松さんの個展)ですから、
もう8ヶ月になります。
あの時吉松さんは深々と腰掛けて、ジッと聴き入ってらっしゃる様子。
反対に藤岡さんは身を乗り出して、食い入るように見入ってらっしゃいました。
そして最後の最後まで拍手をなさっている姿は、とても感動的でした。
(私2階席だったので…。)
交響曲第1番…やっぱり凄い曲ですね。
あれから吉松さんがらみのコンサート(ご本人のピアノ演奏も!)の他、
ホール&オーツ(ス・テ・キでした!)や、トルコの音楽なんかを聴きに行く位で、
藤岡さんと何の接点もない私は、
あまりのお忙しそうなご様子に、お手紙も出せずにいました。
9月5日/6日。久しぶりに聴かせていただいた日フィル定期公演。
やりかけの用事をさっさと済ませて、今度こそゆっくり書こうと思っていたら、
何と10日以上も経ってしまいました!
藤岡さんにはもう過去の話になってしまったでしょうが、読んで下さいね。
*べートーヴェン:Vn.協奏曲*
相変わらずあまり自分からは聴く事のなくなってしまったべートーヴェンですが、
18〜19の頃この曲好きだったなぁ…と感慨深く聴きました。
当時誰の演奏で聴いていたのか、不覚にも思い出せないのですが、
もっとずっとゆっくりしたテンポで、私の頭の中に蘇って来ました。
藤岡さんの指揮で聴くそれは、とても懐かしいのに、新鮮で素敵でした。
(こんなポピュラーな名曲、懐かしいなんて変ですよね?)
特に2日目のハッソン氏の、自信に満ちたパワフル且つ伸びやかな演奏。
聴けて良かったです。
*吉松隆:交響曲第2番*
3楽章で完結している第2番に、何で今更スケルツォを入れる必要があるのか?
…という反対意見も多いとか、
11年を経て、2楽章は今の吉松カラーが強いので、4楽章通すとどうかとか、
藤岡さん、HPでもプレトークでもおっしゃっていましたね。
私は、ともかく吉松さんのスケルツォっぽいものが大好きなので、
今回の改訂版は無条件で大歓迎。ワクワクして聴きに行きました。
暗くて重いどよ〜んとしたアジアの風と、
シーンと音のするほど張りつめた教会に響く、聖なるレクイエムに挟まれて、
軽快なようでちょっと妖しい、滑稽なようでちょっと危ないスケルツォ(?)
弦楽器もリズムセクションに総動員してしまったような一体感。
その上で、あの緻密なスカスカ感。ちょっと外される快感。
パーカッション使いの天才(断言!)のスケルツォですものね。
面白い!気持ちいい!ワクワクする!もっと聴きたい!…が素直な感想。
藤岡さんはお好きですか?楽しんでらっしゃるように見えましたけど。
…でも藤岡さんやオケの方々は大変そうな気も…。
パーカッションと言えば終楽章。
初めてこの曲を聴いた時の驚きの1つが、
終楽章の始めから終わりまで止まる事のないマリンバでした。
『本当にずっと叩いているの?まさか打ち込みじゃぁ…。』
と思ったのは私だけ?(あ…やっぱり。)
後日、スコアを手に入れて開いたそのページに更にビックリ!
途中まで何百回もおなじパターンを繰り返しているマリンバと
確か最後までずっと同じの、シロフォン。
全小節きちんと書いてらっしゃるんですね。しかも(当時は)手書きで!!
他の作曲家のスコアをちゃんと見た事などないので分かりませんが、
“同じ”という記号なんて普通でもあまり使わないんですか?
『マリンバさんたち、大変な仕事を頼んじゃって申し訳ないので、
せめて全部書きましたよ。だからお願い!』
…のように見えたのでした。
最後ヴァ−ジョン・アップしてましたね。
第2番のスマートな魅力を残したラストの盛り上がり…ですよね。
でも、『コンサートではもっと盛り上がりたいんだぁ!』と
藤岡さんの後ろ姿はおっしゃっていたような…。
そのうち『第2番改訂版』のCDも出していただけますよね?
時には3楽章で、時には4楽章で聴ける。何て贅沢な!!
それに『あと10年したら、合唱付きもホントにやっちゃうかも…』と、
吉松さんご本人もおっしゃってましたね。
…気長にファンを続けるしかなさそうです。
またお手紙を出させてくださいね。
それでは また。。
2002年9月18日 かなだ けいこ
いつもありがとうございます。
ベートーヴェンはもっと古典的なスタイルが個人的には好き
だったんでちょっと苦労しました。
吉松さんのスケルツォは作曲当時は彼が書くつもりだったん
で、やってみる価値はあったと僕も、吉松さんも感じてます。
後は歴史が判断してくれるでしょう。
それにしても3楽章(旧2楽章)の美しさよ!譜面ヅラは
この楽章が一番簡単だけど、一番難しかったです。
ホール&オーツって今でも活動してるんですか?「マンイー
ター」大好きでしたよ。
それではまた。
藤岡幸夫