「魅惑のデュオ、ピリス&デュメイ」
4/2、ザ・シンフォニーホールで両者による、ベートーベンヴァイオリン・ソナタの演奏会がありました。
このコンサートの開催予定は、藤岡さんが指揮した関西フィル150周年記念演奏会の折、偶然知ったもので即座に申し込みました。CDのジャッケットになっているあの世界的に著名なデュオに出会えるなんて、まるで夢のようです!
ピリスの演奏は、誰からの薦めもなく、社史そのものがレコードの歴史とも言うべ きグラモフォンが出した100周年記念ボックスの専属アーティストリストから偶然知
りました。
そこで彼女に興味を持ちショパン・ノクターン選曲集とモーツアルト・ピアノソナタ集をCDで聞きました。
彼女はホロヴィッツのようなスーパーテクニシャンでもない、ショパンの正式な継 承者・コルトーとも違う、内田光子ほど骨太でもない、29年前中学生1年のころに聞
いたエッシェンバッハのモーツアルトように、あっさりでもない。
彼女の演奏は優しさに満ちた美しさがあるのです、居心地のよい。
コンサート当日、出だしの4番はピアノとバイオリンが少しアンバランスのような気がしました。バイオリンの音は朗々とホールに響いているのですが、ピアノの音が少
し小さい。ピリスは時折咳をしていて、調子が悪いのかなと思いました。
が、5、9番になると両者の息がぴったりあって素晴らしいプレイを聞かせてくれま した。
彼女は思ったよりずっと小柄でした。音もバンバン弾くタイプじゃない。しかしタッチはか細なく、しっかりしています。 バイオリンソナタと言うと、フランク・ペーター・ツィンマーマンのモーツアルト
のようにバイオリンがどちらかと言うと主という感じがしてましたが、そうでもないんですね。
デュメイのプレイもハイフェッツのようなスーパーテクニシャンではないけれど、 かといってツィンマーマンより濃さがあります。両者も言っているように、ベクトルがあっているんですね。
それにしても、オール・ベートーベン3部作演奏のプログラムとは充分すぎる手ごたえでした。
ベートーベンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」では、フルトヴェングラー/フィルハー モニア管弦楽団&エドウィン・フィッシャー(EMI)とスクロヴァチィフスキー/ロン
ドンシンフォニーオーケストラ&ジーナ・バッカウアー(マ−キュリー)の演奏(特 に第二楽章がいい!)が好きですが、特別に好きなピアノプレイヤーはありません。
しかし、ピリスはもっと追いかけてみようかな?と思ってます。
2002年4月6日 三木 務
こんにちは。
デュメイは関西フィル去年に指揮・ソロで客演して大絶賛でした。
また近々に関西フィルに客演します。
ピリスもいいですよね。僕も好きです。
藤岡幸夫