『交響曲第4番』アイボも適わない高性能ティントイ


藤岡さん こんにちは。

外は冬の雨が降っています。
我が家の猫の額もすっかり濡れ落ち葉で被われてしまいました。
こんな日はずっと思っていた第4番の感想を書くことにします。 

吉松さんの交響曲第4番初演から半年あまり。
そしてCDの発売から2週間が経ちました。
初演の印象とほぼ同じだった所、私一体何聴いて来たんだろという所。
いろいろ思い出しながら、毎日聴いています。

『交響曲第4番』
1楽章:アレグロ
何て軽やかでスピード感があってカッコいいんでしょう!
特にブリキの兵隊が登場する頃からは、もう完全に耳が釘付けです。
リズムの洪水。煽るようなブラス。チープなパーカッション。
全てが絡み合い、圧倒的な存在感で迫って来ます。

更に色彩豊かな音のタペストリーの見事さと言ったら…。
吉松さんのタペストリーにはいつも奥行きを感じますが、
特にこの曲では完全に立体で織られている感じがします。
素材、色、光沢など様々な音の糸が縦横斜遠近無尽(?)に、
大小の螺旋を描きながら、目まぐるしく織られていくようです。
鮮やかな3Dの世界を作り上げて下さった藤岡さんに、もう大拍手!

2楽章:ワルツ
“引用”ならパーカッションとホルンの『ミミック・バード・コミック』
という強烈な曲を聴いているので驚かないつもりでしたが、
CDを手にして気づいたらやっぱり宝探しをしている私。
『そうか、あの曲か。』とか、『あ、藤岡さんのお名前見っけ!』とか、
そんなことが1段落すると、…どんどん見えてきます。
全体に流れている、3/8、2/8を多用した歪んだワルツのカッコよさ。

初演の時『ギターのワルツかな?』と感じたり、
その後発売された“プレイアデス2”『こっちのワルツの方が近いかも。』
と感じたりしたのは、この独特の歪んだワルツのリズムによるものでした。
藤岡さんとBBCフィルによって作り出されたグルーヴ感。たまりません。

都会的な音とリズムをベースにテンポよくコラージュされた歴代のワルツ。
うぅむ。センスいいですよねぇ。そうお思いになるでしょ?

何とも心地よい空間の歪みに身を任せていると、突然19世紀の舞踏会?
ベルリオーズでもチャイコフスキーでも、勿論シュトラウスでもない、
あの耳慣れたワルツは??
なぁんだ、吉松さんの『ベルベット・ワルツ』じゃないですか。
アレンジ次第であぁなるんだ。という見本のようなものですね。

3楽章:アダージェット
直球の真向勝負に、たじろいでしまって手も出なかった。
…というのが、初演の時の感想でしょうか。
『ながら聴き』、私にはできません。

4楽章:アレグロ・モルト
無条件で幸せな気持ちになれる曲。
明日を期待してもいいのかな、とワクワクしてくるフィナーレですね。

ミューズの微笑みに誘われて『間奏曲のようなミニ・シンフォニー』を
書いてしまったとおっしゃる第4番。女神さまに感謝!していますが、
その前に構想を練っていたという『重く暗いアダージョ交響曲』
というのも、すっごく聴きたいです。
ビンボーや悲観的に戻らなくても、吉松何号さんかが、
どろどろ、ぐちゃぐちゃな重く暗い交響曲、書いて下さいますよね。
根アカな藤岡さんも嫌いな世界じゃないでしょ?気長に期待しています。

『オリオン・マシーン』
トロンボーンってこんなに伸びやかで艶のある楽器だったんですね。
『アトム・ハーツ・クラブ』
小型の4駆と大型車の違い?SQとは別物に近いですね、特に1楽章。
感想は沢山ありますが、4番が長過ぎちゃって申し訳ないので割愛。。

トーク・ショー、楽しみにしています。
それでは また。。


          2001年12月6日  かなだ けいこ






いつもありがとうございます。
本当に良く聴いてくださってますね。
このアルバム吉松さんもかなり気に入ってくださってるみたい
です。僕も暗いアダージョ交響曲楽しみにしてるんですよ。
再来年はチェロ協奏曲の初演が決まりそうです。お楽しみに!








藤岡幸夫

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