一日たって改めて昨日のコンサートがよみがえります。
残念ながらプレトークには間に合いませんでしたが、
個展とはよく名づけたもの。吉松氏の面白さを満喫した
一夜でありました。
感想は「吉松好き?」さんとよく似ております。
アトム・ハーツはややノリ不足?とも感じました。しかし、
オケは上手い!特に全曲通じてコントラバスのうまさが
目立ちました。
サイバーバードに移るやオケ、ソリスト一体となった
演奏は絶品!CDでは決して分からなかった音の明滅が、
実に美しい。「トリプルコンチェルトのような」という
ライナーの文句がピッタリ。
CDでは分かりにくかった(やや控えめの録音になってた)
パーカッションやトロンボーンが実に生き生きとし、
3楽章の掛け合い(SAXとperc.のカデンツァ?)は、
もうフリージャズの世界のよう!
第5交響曲・・なんと言うべきか。
第1楽章のスタートでは私のまわりの何人かは吹き出しており
ました。
運命のモチーフとドミソの終結ということにこだわり
がある確信犯的課題・・などとライナーで作曲者自ら述べて
おられました。
第3交響曲で成功した4楽章形式の交響曲スタイルは、
カムイチカプや地球にてを超えた作曲家の発展を感じさせました。
しかし、一方無理にシンフォニストたることのジンクスや昔の
交響曲作曲家たちへのイメージに囚われ過ぎの感がなきにしも
あらず。(もっともそれを喜んでるフシも大いにありますが。)
この第5では交響曲にこだわる必要がないモチーフなのでは?
という気になるほど、声楽的なフレーズが頻繁に現れては消えていく
姿が美しかった。特に第3楽章は絶品の美しさ。彼の描いた
もっとも美しい音楽のひとつでしょう。
運命の衣をまとったフリをしながらショスタコーヴィチの心象
をなどっていくような姿も含め、残念ながら一日でこの曲の
全貌を理解するのは無理というもの。CDの発売を期待します。
他の方も書いていらしたように次は声楽付きの、マーラーの
第2や大地の歌のような世界が待っているのではないかと
予見されるような語り口でした。
ぜひ、リルケや杜甫に取り組んでほしいなあ。
PS
そういえば今日7日は小野ですね。すごいハードスケジュール!
くれぐれもご自愛ください。
2001年10月7日 Keiichiro & Akiko Naganawa
関西から本当にありがとうございます。
吉松さんの次の交響曲は多分、結構先になるんじゃないかな。
6番は吉松さんが書きたくて我慢できなくなったとき、もっと
自由な形で生まれるんじゃないかな。そんな気がしてます。
来年の2番の大幅改訂版お楽しみに!
藤岡幸夫