昨日のサントリーホールでの演奏会、以下感想。

まず第一に日本をすごく感じました。
作曲者、演奏者、聴衆、会場。。。全て、全て日本人。
いままでヨーロッパにずっといて、つい最近帰って来たため、
こんな演奏会ってありませんでした。日本が平和であること、
そして日本の才能を皆が共有できたことの幸せをすごく感じました。
(でもオタクっぽい人が多かった?)

次に初演との邂逅。
おそらく18世紀のウィーンの人たちは、こんな形でベートーベンや
ブラームスの交響曲の初演を聞いたのだろうなあそう思うと、吉松5番
の初演に立ち会えたのは吉松好きの自分としては至福のひとときでした。

実際の演奏を聞いて、なぜ自分が吉松作品が好きなのかも昨日やっと分
かりました。
それは吉松さん自身がこれまで非常に不条理の世界と戦ってきて、でも
そのやり方は「美しい音楽」という正攻法であったこと、その結果とし
ての音楽が彼の唯一のそして最大の武器であったこと。
日常生活の中で、ささいな「不条理」にストレスを感じながらも、帰宅
してCDを聞いていると、ささやかな不条理の解消になる理由でした。

最後に演奏会の感想。
アトムは初めて聞きましたが、おもしろかった。
欲を言えば、もう少しオケにものって演奏してもらいたかった。

サイバーバード。
サックスに尽きますね。意外に都響の金管も良かった。
人に吉松作品を紹介するときはまずはこれです。
第二楽章、よかったですよ。

そして、シンフォニー5番。
やっぱり最初はじゃじゃじゃじゃーん!うれしい!!
そしてあとはシベリウスあり、ベートーベンあり、ショスタコあり、吉松
あり、の幕の内交響曲でした。言いたいことが多かったのでしょうね。
でも本当に聞いていて恥ずかしかった。。。いい意味で。あとは第九形式
しか残っていない。その時は一緒に歌いたい。

客席に著名な現代の日本人作曲家も結構いらっしゃって
彼等が終演時、吉松さんに拍手を送っていたのが、印象的でした。これを
聞いて、彼等がさらにいろいろな音楽を書いていき、現代音楽が少しでも
皆に好まれる状況を心から願いました。

藤岡さんの指揮も初めてですが、変に型をはずさず、それでいて丁寧な
音楽づくりには好感が持てました。
ただ体調が良くないのかな、と少し感じましたが。

世界がもっと平和であるように。
昨日の演奏会を聞かせてもらって、改めて感じました。
決して武力だけが貢献ではないはずです。

こんな演奏会を小泉首相にも聞いて欲しかった。

以上


          2001年10月7日 吉松好き?






はじめまして。
貴方のような吉松ファンからメールをいただくと嬉しいですよ。
ありがとうございます。
来年は秋に日フィルの定期で2番の大幅改訂版を指揮します。
お楽しみに!
それにしてもお客様に体調を見透かされるとは僕もまだまだです ね。








藤岡幸夫

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