2月に続いて私にとって2度目の関西フィル・ベートーヴェンチクルスに
行ってきましたのでレポートを。
指揮はもちろん飯守泰次郎さん、今回のソリストはピアノの稲本響さんで
した。

・プレトーク
西濱さんは今回は洒落も漫才も抜きで司会(笑)、当然会場から笑いが全く
出ない(^_^;)。飯守さんの比喩が今回は巧みでした。
今回のコンサートマスターは川島さんに代って客演の釈(?)さん。客席は
平日のオフィス街と言うこともあってかサラリーマンと何故か老夫婦が多
かったですね。

・シュテファン王 序曲
あまり演奏されない曲だそうで私も生で聴くのはもちろん初めて、生でな
くても聴いたことがあったかという曲。
急ごしらえの曲で「寝起きの顔を鏡で見たとき、その顔は嫌だけれど、素
のままの顔には味がある」といった趣旨説明がプレトークでありました。
ハンガリー風ということでもありしたがハンガリー狂詩曲みたいなメロデ
ィになるわけでもなくそれはよくわからず、それよりも第九から素材が抜
き取られているような感じでした。このチクルスは当然かなりの少人数で
の演奏ですが砲丸が飛んでくるような、ホールがギシギシビリビリ鳴るよ
うな演奏で、この質感が飯守さんの身上というべきか。

・ピアノ協奏曲第5番
稲本さん登場、上は黒のTシャツ?に薄〜いワインレッドのジャケットを
かぶり、下は細身の黒革のズボン、靴は普通の革靴と思いきやよく見ると
底は赤といういでたち。会場から軽く「はぉぉ」の声が出ました。
ホールの約半分の方は、稲本さんとチェロの某氏の茶髪の間に飯守さんの
白髪混じりの髪が拝めたと思われます。私のところからは見えませんでし
た。
稲本さんの演奏は「野獣」とでもいうべきか。見た目は黒豹という感じで
すが音はなかなか武骨、あるいは頑固と形容できると思いました。オケを
押し切ってしまう演奏だったかも。
演奏中ピアノの出番がないときはだら〜と地べたに座ってるような感じで
待ちだったのですが(^_^;)、演奏後の大喝采の中では非常にきびきび爽やか
なお辞儀と激変?6回位コールがかかるという評判の良さ。

・交響曲第1番
ベートーヴェンは重厚でなければという「油を洗い流して」といった趣旨
がプレトークでありました。2月に第5番「運命」を聴きに行ったときは
オーケストラから音をたぐり寄せる感じがスリリングでしたが、今回は曲
が曲だけにそこまではいかなかったかと思いますが(いってしまうとそれは
それでちょっといやかな)、のちのベートーヴェン節とハイドンやモーツァ
ルトの影響のブレンドという点では、明快だったのではないでしょうか。
あと見ていると2月同様指揮者の役割がものよくわかる指揮ぶりで…私の
好きな指揮者が棒がわからないといわれる人たちだからかな…オケ全体
が見えるところから見てもらうといいですね。ついでに「飯守泰次郎のオ
ーケストラ入門」みたいな企画も意外にいけるのかもしれません。楽団員
から飯守さんへ盛んに足踏みが起きたので、納得できた演奏が出来たのだ
とみました。
以上です。





          2001年8月4日  Fu(ふ)




いつもありがとうございます。
関西フィルのベートーヴェン磨きがかかってきたみた
いですね。
僕もまた聴きに行きたいと思ってるんですよ。
またレポートよろしくお願いします。





藤岡幸夫

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