藤岡さん こんにちは。
収録は順調に進んでいらっしゃいますか?
前回のメールのお返事に、
“どう振っていいかワカラナイ4番の勉強中”
と書いて下さったのが、申し訳ないけど楽しくて‥。
“ワ・カ・ラ・ナ・イ”の5文字に、イヤでも想像力をかき立てられます。
いったい何がどうワカラナイというのでしょう。うぅむ‥。し 知りたい。。
新譜の発売時、またお2人の爆笑トークが聞けるでしょうか?
そちらも楽しみにしていますね。
さて、名古屋に伺った時、『もしかしたらすごい事になるかも!』
‥と言って藤岡さんが教えてくださったのは、
『ユーリ・バシュメットが吉松さんに新作を書いて欲しいって。』
というビッグ・ニュースでした。
ご本人は『まだ書くと決まった訳じゃないよ』とおっしゃっていましたが、
ヴィオラ好きの私にとって、それはそれは夢のような組み合わせです。
バシュメットのために書かれた新作はかなり多いので、
そんなことがあったら素敵だな、と思ってはいましたが、
実現してくれたら、ホント嬉しいです。
昨年の秋頃、高校のオケでヴィオラを弾いているという方に、
藤岡さん、いくつかお勧めの曲を書いてらっしゃいましたね。
私も、あらためてじっくり聴いてみました。
*ショスタコ−ヴィチ 交響曲第7番・第11番*
ショスタコ−ヴィチの曲ではソナタや協奏曲、ピアノトリオなんかをよく聴きま
す。
でも何と言っても1番好きなのは、やっぱり弦楽四重奏曲。
弦楽四重奏曲の中のヴィオラ(‥だけではないのですが)これに参ってしまうん
です。
交響曲は、時代の影響とか何とかよく言われますが、
ふだん家で聴くには重すぎるので、好きな所だけ取り出して聴いたりします。
曲の構成や、全体像を把握するのがお仕事とも言える指揮者の方は、
そんな聴き方をなさることはないんでしょうか。(お勉強以外で)
でも7番を聴く時は特にそうかも。
久しぶりに最初から聴いたら、“ちーちーんぶいぶい”と
変な日本語を発しているシュワルツェネッガ−が何度も頭をよぎり、
ちょっと辛かったです。(何年前でしょう、アリナミンVのCM)
名曲がツボにはまったCMとか空耳アワーの傑作って、結構罪ですよね。
でも7番も11番もヴィオラ、ホントに最高。しみじみそう思います。
ショスタコ−ヴィチの、いかにも大曲の中の情感溢れる所には、
よくヴィオラが登場するような気がするのですが‥。
私の中の“ヴィオラに優しい作曲家”の1人です。
ある音楽雑誌のアンケートで、“1番苦手な作曲家は?”の問いに
“ショスタコ−ヴィチ”が1位だったのには驚きました。
こんなに美しい弦の響き、心に沁みないのかなぁ?
(尤も私の心に届かない“名曲”も沢山あるから仕方ないのかも‥)
*ウォルトン ヴィオラ協奏曲*
最初、あまりピンと来てなかったのですが、
藤岡さんのお勧めで、じっくり聴き直してみました。
なるほど、素敵な曲だったんですね。
教えて下さってありがとうございました。
メロディーもハーモニーも美しい20世紀の音楽‥ ですね。
バシュメットのために書かれたものにシュニトケの曲もありますね。
あの不安感をひたすら増幅させるようなオンガク。
いえ、決して嫌いではなかったりするのですが、
どうも聴いた後、左脳が疲れてるような気がします。
“癒し”とは対極にある‥かもしれません。
その他では、バルトークのヴィオラ協奏曲なんかも大好きです。
バルトーク最後の最後に書かれた曲。ちっとも尖っていないんですね。
2月にバシュメットがやったのに、聴きに行けませんでした。残念!
どうもバロック以前、または近代以降の、
中でも小編成の曲を聴いていることの多い私は、
(いえ、ホントは聴いている音楽の半分はロックですが‥。)
オーケストラ作品の中の涙物のヴィオラを聴きのがしているのが残念です。
指揮なさっていて『あぁこのヴィオラいいなぁ』とお思いになったら、
また教えてくださいね。
30日、“朱鷺に寄せる哀歌”聴いてきます。
井上道義さんと吉松さんのプレ・トークのおまけ付き。
藤岡さんは4月1日に向けて、間もなくスイッチの切り替えですね。
−さて−
“吉松隆ヴィオラ協奏曲第1番”(2番以降も書いて欲しいので)
世界初演 指揮:藤岡幸夫 ヴィオラ:ユーリ・バシュメット
本当に実現しますように!!
また 気長に待つことにしましょう。
それでは また。。
2001年3月29日 かなだ けいこ
こんにちは。
昨日レコーディングが終わって今日これから帰ります。
飛行機の中で勉強して、すぐリハです。ふー!
バシュメットの話まだわかりませんよ。でも吉松さんを気に入って
頼んだのは事実。
吉松さんが真に国際的な代表的作曲家になってCDもいろんな指揮者
がつくってくれるようになるのが理想です。
藤岡幸夫