藤岡さんの音楽教室のコメントを読んで一言。
私には、3歳の息子がいます。自分でCDをかけたり、それに合せて踊った
りしています。
「音楽好き」である事は、明らかだったので、もっと好きになって欲しいな
あと思い、音楽教室に入れました。まだ楽器をはじめるレベルではなく、
先生と一緒に、楽しく歌ったり踊ったりしています。

先日、アシュケナージがN響で田園を振ったのを聴いたのですが(しかも
サントリーホールの正面、指揮者と向かい合わせになる席で)、体で(音
を出さずに)音楽を表現し、人に音を出してもらう指揮者とはすごい仕事
だなあと改めて思いました。
そこで思い出したのが、ひよこの歌を唄いながら、ひよこになりきる息子
の姿でした。自分の持っている気持(ひよこはかわいい、とか、小さくて
ふわふわしている)を、はずかしがらずに全身で表現する姿は、見る人聴
く人に強く思いを伝えるものです。

大指揮者を3歳のちびを比較する訳ではありませんが、体で音楽や気持を
表現する事は、実は、指揮者だけでなくて誰でも多少はできるものだなあ
と思いました。そして、その技術のプロ中のプロが、指揮者なのかと納得
しました。
今回音楽教室に入れるに当たり、いろいろ考えました。
一体何を思って私は音楽教室に入れるのか?
そこで出た答えは、息子には音楽を楽しむ事を生活の一部としてほしい。
勿論、上手に演奏できるようになれば、楽しいはず。
でも、短期間(例えば小学校を卒業するまで)だけ楽器に親しんで、その
後、音楽と縁遠い生活になるよりは、良い聴き手になってほしい。
日本では、音楽教育=演奏者を育てる、になりがちですが、聴き手あって
の演奏なんだから、聴きて教育もあっていいはずだと思っています。
だから藤岡さんが、積極的に音教に取り組んでいらっしゃるのをしって、
嬉しく思いました。普通の演奏会よりも、たくさんの準備が必要で、大変
だとは思いますが、細く長く続けて下さい。

          平成12年11月1日
          Miki




お手紙ありがとうございます。
ぼくは個人的には「聴きての教育」という言葉は嫌いです。
学校などでのその教育的スタンスがクラッシックをマイナー
にしていると信じています。
好きになった人は自分からいろいろ知っていくだろうし、
なんにも知らなくても(知りたくなくても)クラッシック
は好きという人がもっと日本にいていいと思ってます。
(ヨーロッパにはこのてのお客さんが沢山います。) 
ぼくは学校コンサートの生徒達には、「何も知らなくても
クラッシックは楽しいよ。」 という事を伝えようと思って
います。 





藤岡幸夫

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