藤岡幸夫公認ファンサイトトップへ



2009年11月分


過去の一覧へ

←つづき(過去) つづき(先)→

2009/11/30


 僕はファンサイトでは一切政治的な話はしないようにしてきたが、今回の事業仕分けには我慢ならない。 オーケストラが危機にさらされようとしています。

文化や科学に見識が深いとは思えない人達が現場もろくに見ずに30分そこそこの協議で簡単に予算をバッサリ削るのはおかしい。


オーケストラに対する予算の大幅カットは事業仕分け初日に決まったために全然話題にならないが大変なことです!!


例えば関西フィルは団員さんたちは低い年収でも頑張ってくれてる。そのおかげで毎年120回以上のコンサートをこなしフル稼動。 たくさんのお客様に支持されています。それを現場も見ずに簡単に無駄とされるのは頭にくる。 各オーケストラがとても大切にしてきた子供たちのための学校公演も廃止。


今回の事業仕分けは確かに不明瞭で無駄なお金が明るみになった良い点はあるだろうが、 その一方で各分野で今まで真面目に一生懸命頑張ってきた人たちを苦しめる、あるいは失業させてしまう危険性を感じる。


経済危機といわれるこの時代に政府がさらに失業者を増やしたり真面目に一生懸命やってきた人たちの生活を苦しめるとするなら大問題です。


我々は音楽ファンのみなさんの声を必要としています。どうかよろしくお願いします!



是非ともこちらを読んでみてください!

<関西フィルホームページ>
「芸術文化が危機を迎えています〜文部科学省へご意見を届けて下さい!」(12月15日まで)



   藤岡 幸夫


関連ニュース
◆asahi.com(11/20付):オーケストラ連盟、仕分けに意見書 予算減は「非常識」
◆産経ニュース(11/28付):【事業仕分け】「重要な教育なのに」 交響楽団の教育現場派遣事業「縮減」
2009/11/29 (No.2)  


  Sachioの独り言 「昭和のオヤジ」

内藤大助のボクシング美しかった。僕には勝ち負け関係なく彼の頭にはノックアウトすることしかないように見えた。血まみれになりながら最後まで攻め続けた内藤のハートは熱い。
亀田は倒すことより勝つことを考えた賢いだけのボクシングで魅力がない・・・なんて感じちゃうのは昭和のオヤジの贔屓目か・・・?

久しぶりにマジマジとテレビでボクシングを見てしまった・・・。


   藤岡 幸夫


2009/11/29 (No.1)


 まずは27日の関西フィルの定期、吉松隆さんの「鳥たちの時代」 、サンサーンスの「ピアノ協奏曲2番」 、ルトスワフスキ「管弦楽のための協奏曲」、 という挑戦的なプログラムにも関わらずたくさんのお客様ありがとうございました!

メインのルトスワフスキでは関西フィルが完成度の高いダイナミックな演奏を披露してくれたし、サンサーンスのソロのシューツォンは情熱的にして繊細、この曲の素晴らしさを証明してくれた。 そして「鳥たちの時代」は吉松さんを最も多く取り上げてる関西フィルならではの美しいサウンドを楽しんでもらえたと思います。

みなさんありがとうございました!


 翌日から大阪アカデミー合唱団と2日連続でハイドンの「四季」のリハーサル。端正でありながら生命力が溢れ、いい感じできてる。明後日から関西フィルとのリハーサル。12月3日の本番をお楽しみに。


今晩はやっと一息つける。これからファンの方に頂いた赤ワインを飲みながらDVDでも観ようかと思ってます。


それではみなさんコンサートでお会いしましょう!





   藤岡 幸夫


2009/11/26


 明日の関西フィルの定期の3日めのリハーサルが終わったところ。すごくいい感じできてます。

ソリストのシューツォンは初共演だけど素晴らしい!スケールが大きくダイナミックにして繊細。

実はサンサーンスのピアノ協奏曲の2番を指揮するのは初めてだけどすごい傑作。バッハ風に始まり、フィナーレは狂ったオッフェンバック?この曲が有名じゃないのは難しくてピアニストが弾きたがらないからだ。

後半のルトスワフスキではアンサンブルと色彩感をどこまで出せるかが勝負。

お楽しみに!



リハーサル後にいつもの焼き肉やさんでシューツォンと。彼はギラギラしてる。
本番が楽しみ。


   藤岡 幸夫



2009/11/23


  吉松隆 「鳥たちの時代」 の話


11月27日の関西フィルの定期で久しぶりに吉松さんの 「鳥たちの時代」 を指揮する。吉松さんの初期の時代の傑作だ。

20世紀の現代音楽は大衆に分かりやすい音楽は ゲイジュツ とは見なされず、メロディや美しい和音の連続はご法度なコワイ時代だった。

そんな中で吉松さんは当時の現代音楽という檻の中で許されるか許されないかギリギリの美しい管弦楽曲を書いた。それが 「鳥たちの時代」 だ。

その美しさは当時の束縛の中でこそ生まれたもので、追い詰められた緊迫感がある(当時の吉松さんはまだその先どうなるかなんて保証されてなかった。 現代音楽に反旗をひるがえそうとしていたのだから・・・)

1楽章は切なくも美しい響きが支配する。クライマックスで(メロディを書いちゃいけないなんて)もう我慢できないと弦楽器と木管楽器が噴き出したようにシベリウス風のメロディを奏でる。 この楽章はこのクライマックスをどう聴き手に訴えられるかにかかってる。


2楽章は森の木々たちが語り鳥たちがさえずる。
アルトフルートが妖しげなリズムにのって艶っぽいメロディを奏でるが、これが楽器の特性と音域のせいでいつもなかなか聞こえない。 今回は吉松さんに内緒でアルトフルートの団員さんに立って吹いてもらおうかと真面目に考えてる。


3楽章は最後のクライマックスで美しい鳥たちが赤く染まっていく空に羽ばたいていくよう・・・・・・!目の前に大空が広がる・・・!


この 「鳥たちの時代」 はオーケストレーションは美しいだけでなくすごく立体的でとにかく音が濃密。

是非とも生の ヨシマツワールド を楽しんで欲しい。

関東では来年の1月に東京シティフィルとティアラこうとう定期で取り上げます。

それではみなさんコンサートでお会いしましょう!



吉松 隆:鳥たちの時代/チェロ協奏曲「ケンタウルス・ユニット」/チカプ
藤岡幸夫指揮/BBCフィルハーモニック



PS1 かみさんは順調に快復してる。上手くいけばあと1週間で退院できそう。一安心です。


PS2  昨日、昼間に中華屋さんで独り淋しくラーメンをすすっていたらテレビでNHKのど自慢をやってた(まだやってるとは知らなかった)。 会場は彦根だったんだけどみんな素朴で明るくて良かった。「琵琶湖周航の歌」を歌った人がいて歌は上手くなかったけどなんだか懐かしい気持ちがして (毎年高島でアンコールで指揮してる)癒された。今の時代、明るさはすごく大切ですね。明日関西に帰ります。


   藤岡 幸夫


2009/11/20


 今週からかみさんが入院してる。これは4月に手術したときから予定されていたことで命には別状ないが、一昨日の手術は6時間を越えるものでかなり心配だった。

病院の先生方や看護師さんのおかげで手術は成功して一安心。とはいえ退院できるまで気は抜けない。

病院に通うと、かみさんは治るとわかってるからいいが病気と闘ってる方たちは本当に大変だろうと心が痛む。

僕たちにできるのは出来る限りの多くの方たちの心の琴線に触れる演奏を目指して精進することだけだ。


 今月に入って12月に共演する合唱団との練習が始まった。ハイドンの「四季」で共演する 大阪アカデミー合唱団(3回めの共演)はよく訓練されていて端正。あとはドイツ語でどこまで生き生きと表現できるかだ。

 第九で共演する城陽(5回め)と加古川(初共演)の合唱団はまだまだ。
第九は難しい。初心者は覚えるだけで大変だし、逆に何度も歌ってる人の中には なめてかかる人がでてくる。各団員さんが毎日どれだけちゃんと練習するかにかかってます。 例えば各人が1割良くなるだけで全体としては凄くよくなる。

本番までにどこまで変貌できるか楽しみにしてます!


それではみなさんコンサートでお会いしましょう!





PS かみさんがいないのでこのところ朝ご飯は近所の24時間営業の定食屋さん。僕は早起きなんだけど定食屋さんで明け方に食べるカレーと味噌汁にはまってる・・・肥るかな。


   藤岡 幸夫



2009/11/14


   「怖いもの知らず」 の話


 今日は猪名川町(兵庫県)イナホールで関西フィルとコンサート。


前半のサックスのソロを演奏したのは若い野島 玲菜さんで、プログラムはなんと彼女の師匠の須川展也(世界を代表するソリスト)さんの十八番が中心だったが なかなかどうして素晴らしい演奏でびっくりした。
それにしても須川さんの十八番を演奏するなんて「コワイもの知らず」だ。そして素晴らしい才能の持ち主。


また野島さんはしっかり須川さんの信念も受け継いでいて今回のチャンスに若い作曲家2人に新作を委嘱した(須川さんもこれまでに数多くの作曲家に新作やアレンジを委嘱して 素晴らしい作品を生み出してきてる)。

「アメイジング・グレイス」を編曲した前田 恵実さんはソロが出てくるまでの前奏にすごい時間をかけて面白かったし、 「BRIDGE VTR」を作曲した泉 里佳 さんも短い小品に大胆なオーケストレーション、2人の想いが伝わってくる力作で2人とも「コワイもの知らず」。そして2人とも才能がある。


昨日のリハーサルから才能のある3人の「コワイもの知らず」の若い女性音楽家たちと仕事して楽しかったし、心が温まった。


「コワイもの知らず」は若い音楽家にとって絶対必要条件だ。夢がある証拠だし成長するための素晴らしい要素だ。

やっぱり夢がなきゃステージに立てない。
あと3人に必要なのは艶気かな?

また会えるのを楽しみにしてます。


関西フィルもこの若い3人に温かく接して関西フィルらしい心のこもった新鮮な演奏だった。

イナホールの温かいスタッフの皆さんにも感謝です。

皆さんありがとうございました!


次回は関西フィルとの定期(11/27)です。

それでは皆さんコンサートでお会いしましょう!


PS 今日は本当に気持ちよい天気だった。能勢電鉄から見える紅葉が美しく空も綺麗な青! イナホールの周りの景色も素敵で本番前は珍しくホールの前で日向ぼっこしてました。


   藤岡 幸夫



左から 前田 恵実さん、泉 里佳さん、野島 玲菜さん ( 管理人)


右端の建物がイナホール (管理人)


※11/14 猪名川町公演のevent reportはこちら
2009/11/12


 昨日、今日と久しぶりにちょっとのんびりした。

 昨日朝はいつもどおり6時前に目が覚めちゃったけど勉強しないことにしてたから昭和の映画のDVD観て、雨の降る外を眺めながらバッハをボーっと聴いて、 ジムが定休日だったんで近くの温泉の露天風呂に雨にあたりながらゆっくりつかって、ついでに「あかすり」やってもらって(恥ずかしいくらいアカがでる・・けど身体が温まって気持ちいい)、 夜はかみさんと近所のすし屋。
日本酒をちょっと飲みすぎて8時前に沈没・・。

 今日は午前中にぶらっと近所の神田明神散歩して(平日の午前中の神社って雰囲気があっていい・・)神保町で古本屋街をぶらぶらして(嬉しい古本を見つけた!)、 近所のお世話になってる鍼灸院に行って(身体がすごく楽になる)昼間は勉強。夕方ジムで泳いで夜は前から気になってた近所のお洒落な和食屋さんで独りで一杯やって (大当たりでした)家に戻ってきた。

なんとも昭和のオヤジ臭い休日だったけど・・・身も心もリフレッシュ。

それでは皆さんコンサートでお会いしましょう!




   藤岡 幸夫


2009/11/11


 今日は東京は雨。やっと一息ついてます。

 まずは先週の日曜日の関西フィルとの香川の第九。全国から第九を歌いに集まる大合唱団。この音楽祭は今年で23年目(僕が指揮するのは5回め)だそうで「継続は力なり」 素晴らしいことだと思う。合唱団も小学生、中学生、高校生も参加して毎年レヴェルが高く今年も素晴らしかった。また中西女史を筆頭としたスタッフの皆さんの熱意にも本当に感謝です。 皆さんありがとうございました!

 翌日は神奈川フィルとリハーサルをしたあと新幹線に飛び乗って大阪の阪急インターナショナルへ。毎年恒例の関西フィルの理事の皆さんと楽団員全員との懇親会。 理事の皆さんと楽団員との楽しい食事会で、こういう会をしてるオーケストラは珍しいし素敵なことだと思う。(これも西濱事務局長が理事の皆さんと素晴らしい関係を築き上げてきたおかげだ)。
この不景気にも関わらず応援してくださる理事の皆さんに本当に感謝の気持ちで一杯です。 
我々関西フィルは明るい未来を信じて精進するのみです!

 懇親会のあと最終の新幹線で東京にもどって翌日(昨日)は神奈川フィルとミューザ川崎で関東学院六浦中学・高等学校の125周年の記念コンサート (サンサーンスの交響曲3番「オルガン付き」他)。

 僕はスケジュールが合う限り学生さんたちに聴いてもらうコンサートも指揮するようにしている。 新しい若いクラシックファンを増やせるチャンスだからだ。ただし真剣勝負で演奏しないと若い人の心はつかめないし演奏する意味がない。 神奈川フィルは僕の気持ちをすごくわかってくれて昨日は凄い気迫の演奏だった。それにアダージョが本当に美しかった・・・!!  昨日の学生さんたちの中で絶対新しいクラシック&神奈川フィルのファンが生まれた(でなきゃおかしい)と思えるような演奏でした。皆さんありがとうございました!

 今日は久しぶりのオフ。インフルエンザの予防接種をうけるつもりだったけど在庫切れだそうで困った・・・。
 まぁ家で久しぶりにのんびりしますわ。

 今週の土曜日は猪名川(兵庫県)でコンサート。

 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう!!



PS1 昨日はデヴュー以来はじめてコンサート会場を間違えた。
横浜みなとみらい に行ってしまったのだ。(神奈川フィルがベースとしてるホールなんで勝手に僕がそう信じ込んでただけ)行ったら誰もいなくて真っ青・・。 早くに着いていたので急いで川崎ミューザに移動して間に合ったけど・・・。久しぶりに冷や汗かきました・・。


PS2  昨日の夜は我が家で女性誌の取材。と言ってもメインはかみさん。内容は詳しくはわからんが「男を◎◎する魔法の言葉」。いやはや…。 でもおかげでかみさんが僕の好物を夕飯にいっぱい料理してくれて(それを美味しそうに食べる姿を撮影)良かったですわ。





   藤岡 幸夫


※11/8 かがわ第九公演のevent reportはこちら

2009/11/07


   「ルトスワフスキ」の話


それにしても時がたつのが早い・・・。今年もあっという間に年末になりそう。

明日は高松の香川音楽祭で関西フィルと今年最初の第九。来週の土曜日は関西フィルと兵庫のイナホールでコンサート。


27日(金)は関西フィルと定期でルトスワフスキの「管弦楽のための協奏曲」を久しぶりに取り上げる。

聞き慣れない曲名かもしれないが、すごく聴きやすくてエキサイティング。初心者の方にも絶対楽しんでもらえる傑作です。

イギリスで音大生時代にルトスワフスキ音楽祭で作曲者本人の前で指揮して大成功して以来デビュー当時はいろいろな国でよく取り上げたのが懐かしい。


今日もこの季節日本ならではの天気で気持ちいい。芸術の秋だね!

それでは皆さんコンサートでお会いしましょう!


   藤岡 幸夫




1992年ルトスワフスキ音楽祭のお話が旧公式ホームページに掲載されています(1999/4/13付from manchester)。

藤岡さんのプロフィールに記載されているあの曲が11/27定期で聴けます!
「ルトスワフスキ・フェスティバルにて作曲者の前で 『管弦楽のための協奏曲』 を指揮、英ガーディアン紙に『計りしれなく将来を約束された指揮者』 と絶賛される。」 




ヴィトルト・ルトスワフスキ(Witold Lutoslawski, 1913 - 1994)、ポーランドを代表する作曲家、ピアニスト



2009/11/06


   「デビュー記念日」


 管理人さんに言われて思い出したけど今日は僕のデビュー記念日。

1993年の11月6日に当時イギリスで音大生だった僕はBBCフィルハーモニックの定期演奏会で代役デビューしてそれがすごくうまくいったおかげで僕のキャリアが始まった。


あれから16年、僕が幸運だったのはオーケストラと深く付き合ってこれたことだと思う。

BBCフィル(3年間)とは毎年20回以上指揮させてもらえたし、95年に首席指揮者になったマンチェスターカメラータ(室内管弦楽団)とは5年間、また同じ年に日フィルの定期演奏会で日本デビューして指揮者に就任してから日フィルとは7年間、両オーケストラとも毎年30公演以上指揮させてもらってた。これは一般的に言ってかなり多い。

そして関西フィルとは今年で10年めになるが毎年40公演以上指揮してる。


この16年の間、常にオーケストラと深く付き合うことができて、そこでいろいろな経験ができたし団員さんからもたくさんのことを学ぶことができた。

僕の師匠の渡邉暁雄先生もサー・チャールズ・グローブスも僕がデビューする前に天国へ逝かれてしまったから、デビューしてからの僕はこのオーケストラとの深い付き合いの中で育てられて来たと思ってる。
本当にそれぞれのオーケストラには感謝してる。


指揮者の世界では60歳で一人前といわれるから僕はまだまだ若いことになる。

僕の指揮者人生はまだまだこれから。どこまで精進できるかが勝負だと思ってます。


それでは皆さんコンサートでお会いしましょう!





   藤岡 幸夫


デビュー当時のお話が旧公式ホームページに掲載されています(2006/3/6付from manchester)。


2009/11/03


  ヴェルディ「レクィエム」の話 その2 ・・・と ハイドン「四季」の話


 今日は本当は先週書くつもりだったヴェルディの話。

これは以前にも書いたがヴェルディがレクィエムを作曲したとき
これが最後の作品のつもりだった。
当時60歳のヴェルディは妻も住む自分の屋敷で30歳以上年下の愛人ストルツ(当時有名だったプリマドンナでアイーダも彼女のために書かれたといわれる)と情事を重ね妻を半狂乱になるまで苦しめた。

だから彼自身、自分は地獄に落ちると信じていたという。
また作曲当時は周りの大切な人たちが亡くなって自分の人生も残り少ないと感じていたらしい。 

もう作曲をしないと決めていたはずのヴェルディがそれまでの全てをかけて作曲した「レクィエム」・・・。初演(11連続公演)のソプラノパートを歌った愛人ストルツはその後、ヴェルディの心中を察したかのようにヴェルデイから離れて行く・・・。(彼女は終曲の「リベラ・メ」で彼女のために与えられたソプラノパートを一体どんな気持ちで歌っていたのだろう・・・!?)

ヴェルディは奥さんを大切にするようになり二人は仲の良い老夫婦になる(そして二人は結局長生きする)。
どうしてももう一度ヴェルディに作曲させたかった妻は、ヴェルディに「オテロ」に興味を持たせる。ヴェルデイはついに作曲を始めるがそれはオテロの宿敵の嫉妬に狂うイヤーゴの音楽を書きたかったからだそうだ・・・。
「オテロ」が初演されたのはなんと13年後で73歳! その後ヴェルディは自分の分身ともいえる「ファルスタッフ」を作曲することになる。そして80歳を過ぎてから愛する妻は自分の傍らで天国に逝く・・・。

そして・・・・これは前回は書かなかったことだけど、その後別れたはずの愛人ストルツがまた現れヴェルディが死ぬまで一緒に暮らしたそうだ。 いやはや・・・・。

ところでレクィエムの終曲は「リベラ・メ」でこれだけでも他のレクイエムからすれば僕には驚きで、しかもその最後のクライマックスでは「最強奏で」という指定で合唱が「ドミネ!ドミネ!ドミネ! リベラ!リベラ!リベラ!」 と「ドミネ(主よ!)」と「リベラ(救ってください!)」を3回づつしかもアクセントつきで合唱が絶唱する。それはもうレクイエムではなくて死を恐れる生身の人間の叫びだ・・・!!

そして最後になんと「リベラ・メ」(私をお救いください)と合唱が2回静かに唱えて終わる・・・。



 一昨日のコンサートまで(日本フィル&日本フィル協会合唱団)こんな世界にどっぷり浸かっていたから昨日の朝にハイドンの「四季」を勉強するときにはまだヴェルディの「レクィエム」が頭をぐるぐる回っちゃって大変だった。(今日が「四季」を歌う大阪アカデミー合唱団との最初のリハーサルだった)。

ハイドンのオラトリオ「四季」もまた僕の大好きな作品で(関西フィルと取り上げるのは2回目)自然への賛歌と神への感謝そして愛情とユーモアに溢れる傑作だ・・!!

僕のなかなか切り替わらない頭のスイッチを切り替えたのが「秋」の中の 「バンザイ!ぶどう酒だ!」 という曲。

なんてったって、でてくる歌詞が
 
「さぁ!飲もうぜ!兄弟!愉快にやろう!」 に続いて

「バンザイ!ぶどう酒バンザイ! 樽 バンザイ!ぶどう酒の入れ物の 樽! かめ バンザイ!! ぶどう酒が流れ出てくる かめ!」

・・・ですもの・・! とにかく楽しい。

さすがに頭の中からヴェルデイのレクィエムが消えてハイドンの世界にのめり込めた。

ところでハイドンの「四季」は最後にCmajor(ハ長調) の和音で幸せに「アーメン!!」で終わるが ヴェルデイの「レクイエム」の最後の「リベラ・メ」と唱える和音も全く同じCmajor・・・!

曲の最後を締めくくる和音が全く同じド・ミ・ソの和音なのに響きの世界がこんなにも違う。当たり前といえば当たり前なんだけど2つの作品とも傑作なだけに強烈なコントラストだ・・。

音楽の素晴らしさよ!!


それでは皆さん!コンサートでお会いしましょう!! 






   藤岡 幸夫


2009/11/02


 昨日は日本フィルと日本フィルハーモニー協会合唱団、それに素晴らしいソリストのかたたちと(並河寿美さん、竹本節子さん、福井敬さん、久保和範さん)東京芸術劇場で僕の大好きなヴェルディの 「レクィエム」。合唱団は期待以上に頑張ってくれてすごく良かったし、オーケストラもソリストの皆さんも僕のやりたいことに真摯に応えてくれて嬉しかったし楽しかったです。

幸せでした・・・!! 皆さんありがとうございました。


 さてさて明日は大阪アカデミー合唱団とハイドンの「四季」のリハーサルで今日は仕事部屋にこもって勉強。ヴェルディにどっぷりつかっていたので切り替えが大変。木曜日はおなじみの城陽 (京都府)の第九合唱団のリハーサル、週末は毎年恒例の香川の音楽祭(日本中から第九を歌いに集まる) で関西フィルと第九。


 それでは皆さんコンサートでお会いしましょう!


PS 昨日は親友の飯森範親がわざわざ聴きに来てくれて嬉しかった。





   藤岡 幸夫




←つづき(過去) つづき(先)→

過去一覧へ